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「ほとんど使わなかった」おしゃれな家をマネして後悔…インテリアのプロが語る住宅設備の“落とし穴”

  • 2026.3.12
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。二級建築士・インテリアコーディネーターの桐野由衣です。

SNSのショート動画などで紹介されているのを見て「便利そう!」「家事が楽になるかも」「おしゃれで素敵!」と採用を決めた住宅設備や仕様。便利で快適に使えそうだったのに、いざ採用したらライフスタイルとマッチしにくくほとんど使わなかった―というケースがあります。

採用する前にしっかり検討したい住宅設備・仕様とその理由、注意点を解説します。

収納編1:小屋裏収納

2階の天井から屋根までのスペース・小屋裏は、普段使用しないものや季節ものなどを収納するのに便利な場所です。家全体の収納率を上げられる一方で、出入口が狭く運ぶ際の姿勢が不安定になりやすいため、重量がある荷物の上げ下ろしは慎重に行いましょう。

屋根に近い分スペース内の温度変化も激しいため、小屋裏収納に収納する予定のものは厳選し、「頻繁に使用しない場所」という前提で設計する意識が必要です。

収納編2:ファミリークローク

家族全員の衣類やかばん・帽子などの小物を1カ所に集約して収納するファミリークロークは、大容量が最大の魅力です。収納するもののサイズにあわせられる可動棚を設置すればスペースを無駄なく使えます。

ただし、通過性のよさを優先してドアをつけないウォークスルータイプにした場合、他の部屋と空気が混ざって匂いやホコリがつきやすい点が気になって使いにくさを感じることがあるので、ドアをつけて独立した空間にし、小型換気扇をつけて常に新鮮な空気が循環するようにしておくこともおすすめです。

収納編3:シューズクローク

来客を通すメイン玄関とは別に、家族が主に使うサブ玄関に設置することが多いシューズクロークも、靴や傘、スポーツ用品など散らかりがちなものをまとめて収納できる便利なスペースです。

一方で、土や泥がついたまま収納するものが多いと掃除の手間が増える、シューズクロークをつくった面積だけ居室が狭くなるといったデメリットも。

「玄関から持ち込んでそのまま置くと便利」なものがどれだけあるかによって、設置スペースの広さやそもそも設置する必要があるかを検討しましょう。

設備・オプション編1:浴室の洗い場カウンター

システムバスの標準プランに入っている洗い場カウンターは、ボトル類を置くのに便利な反面、意外と汚れやすく裏面にカビが発生しやすいのが難点です。

取り外しても金具は残り、掃除の手間がかかってしまうため、清掃性を優先する場合は発注時に「カウンターなし」を選択し、お気に入りのボトルラックを別に準備するのがおすすめです。

設備・オプション編2:天窓

壁面に設置する窓よりも多くの自然光を室内に取り込めるのが魅力の天窓は、隣家が密集する新興住宅地や狭小地に建築する住宅で人気です。

ただし設置位置が高く自分で清掃を行うのが難しい点や、雨漏りのリスクが高い点がネックになりやすいといえます。

操作性と室内の明るさのバランスを取るなら、天窓に近い光の広がりが出しやすい高窓(壁の上部に設置する窓)を設計段階で検討してみてください。

設備・オプション編3:床暖房システム

床暖房システムは、温風を出して室内を温めるエアコンとは異なり、家の構造体を温めて室温を上げる輻射熱式のため、やわらかいぬくもりを体感できます。冷えやすい足元が温かいため、冬でも快適に過ごせる設備ですね。

一方で、室内全体を温めるまでには時間がかかるため、コスト面が心配という声もあります。タイマーを活用する、オンオフの頻繁な切り替えをしないといった工夫は、ランニングコストを抑えるのに効果的です。

設備・オプション編4:室内窓

空間のアクセントとなる室内窓は、格子などおしゃれな雰囲気のデザインを楽しめるうえに、隣室からも光を取り込み室内が明るくなりやすい一方で、いざ個室として使いたくなった時はプライバシーが気になるところ。せっかく設置してもカーテンやブラインドでふさいだままになるケースがあります。室内の動きが直接見えないよう、目線よりやや高めの位置に設置するのがおすすめです。

 

SNSで手軽に事例をチェックできるのは便利ですが、イメージだけで採用すると後悔のもとになりかねません。必ずメリットとデメリットの双方を把握して、「我が家の」ライフスタイルに必要かをじっくり検討することが大切です。


ライター:桐野由衣
住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手リノベーション設計会社にて新築分譲マンションの設計変更、戸建住宅・オフィス・医療施設等の設計およびインテリアコーディネートに携わる。
建築関連分野の記事執筆・校正校閲・監修業務、企業研修講師、インテリアコーディネーター資格対策テキスト監修、工務店の施工事例集ディレクションなどの実績も多数。


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