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憧れの30坪平屋を新築した40代夫妻→数ヶ月後、「100万円」の追加出費…見積書には載らない“意外な盲点”【一級建築士は見た】

  • 2026.3.10
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

「大きな窓から庭の緑を眺めて、ゆったりと過ごしたいんです」

そう語ってくれたのは、郊外に約30坪の平屋を新築されたSさん(40代)夫妻です。

彼らがこだわったのは、リビングに設けた壁一面の大きな掃き出し窓。完成時の内覧のときは、外からの光がたっぷりと入り、室内が実面積以上に広く感じられました。

ところが、実際に暮らし始めてみると、ある「視線」が気になり始めました。平屋はすべての部屋が1階にあるため、道路を歩く人や隣家の住人と、室内でくつろぐ自分たちの目線が、ちょうど同じ高さで重なってしまうのです。

プライバシーを守るための「100万円」の出費

開放感を求めて作ったはずの大きな窓ですが、外からの視線が気になり、結局一日中厚手のカーテンを閉め切る生活になってしまいました。

これでは「せっかくの平屋が台無しだ」と考えたSさんは、後付けで外構を強化することにしました。

・目隠しフェンスの設置(約60万円):
視線を完全に遮るためには、一般的なフェンスよりも高い1.8m以上の高さが必要になります。さらに、家の外周を広範囲に囲う必要があったため、工事費を含めた費用は予想以上に膨らみました。

・後付けシャッターの設置とセンサーライト(約40万円):
平屋はすべての窓が「侵入経路」になり得ます。特に寝室が1階にある不安から、物理的な遮断力と視覚的な抑止力を持たせるために既存の窓にシャッターを追加し、屋外センサーを増設しました。これにより、防犯面だけでなく台風などの災害対策も強化されました。

これら一連の対策で、合計100万円もの追加費用が発生してしまったのです。

一級建築士が教える「平屋の防衛計画」

こうした誤算を防ぐためには、平屋特有の「防衛計画」が必要です。

・「中庭」という選択肢:
道路側に大きな窓を作るのではなく、建物で囲まれた中庭に向けて開口部を作ることで、プライバシーを確保しながら光を取り入れることができるようになります。

・高窓の活用:
視線の高さよりも高い位置に窓を配置すれば、カーテンを開けっ放しにしても外からの目は気になりません。

・植栽による緩やかな遮蔽:
高い壁で囲むと圧迫感が出やすいため、樹木を効果的に配置して「視線のクッション」を作るのも一つの方法です。

平屋の贅沢さは「守り」の設計で決まる

Sさん夫妻は最終的に、フェンスと植栽を組み合わせることで、ようやくカーテンを開けて過ごせる自由を手に入れました。しかし、最初からこのリスクを織り込んで設計していれば、予算をもっと効率的に配分できたかもしれません。

教訓は、「平屋の開放感は、外からの視線をどうデザインするかとセットで考える」ということです。

「階段がないから楽」という利便性だけでなく、地面に近い暮らしだからこそ必要な「守り」の工夫。その両方のバランスを整えることが、本当の意味で豊かな平屋暮らしを実現するための鍵となります。


 

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