1. トップ
  2. 「未公開物件です」優越感に酔った40代男性→たった3つの確認を見落とし…“200万円高く”買わされた残酷な現実

「未公開物件です」優越感に酔った40代男性→たった3つの確認を見落とし…“200万円高く”買わされた残酷な現実

  • 2026.3.12
undefined
出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

多くの人は「限定」「未公開」という言葉に弱いものです。

例えば、高級レストランの“会員限定コース”や、ホテルの“招待客のみの先行予約”。

「お客様だけに、特別な情報をお持ちしました」

そう言われたら、誇らしい気持ちになる方も多いでしょう。

自分だけが一歩先の情報を手にしている。周囲より有利な立場に立った気がする。しかし、その“特別感”が冷静な判断を鈍らせることがあります。不動産の現場では、その一瞬の高揚感が数百万円単位の差につながることも珍しくありません。

今日は、そんな“未公開物件”という言葉に心を動かされたことで、結果的に不利な条件で購入してしまったAさんのエピソードをご紹介します。

「未公開物件だけ紹介します」と言われた日

私の知り合いの40代前半の会社員Aさん。奥様と小学生のお子さんがいる3人家族です。

ポータルサイトで半年ほど物件を探していましたが、決め手がなく、思い切って某不動産会社へ来店されました。そこで営業担当から、こんな言葉をかけられます。

「A様のように本気で購入を検討されている方にだけ、未公開物件をご紹介しています」

Aさんは後にこう振り返っています。

「選ばれたような気がして、正直うれしかったんです。特別な情報って、やっぱり響きますよね」

紹介されたのは、ポータルサイトには掲載されていない築12年のマンションで価格は4,480万円。

「まだ世に出ていない物件を、いち早く押さえられる」という言葉が、Aさんの背中を強く押したのです。

実は“広告前の先行紹介”だった

しかし、ふたを開けてみると、その物件は“広告前の先行紹介”にすぎませんでした。つまり、次のような状態です。

  • 販売開始直後で、既存顧客に水面下で案内している段階
  • まだポータルサイトに掲載していないだけ

特別なルートというよりも、販売の順番が回ってきていないだけというケースです。

確かに、人気物件が公開前に決まることはあります。ただし、それは「未公開だから」ではありません。適正価格で、立地や条件が良く、買い手が納得できる水準だから動きが早いのです。

Aさんが購入した物件も、特別割安というわけではありませんでした。むしろ直近の成約事例(実際に売れた価格)と比べると、約100~200万円ほど高い水準だったのです。

未公開物件が存在する3つの理由

未公開物件が存在する主な理由は、次の3つです。

  • 販売開始直後の水面下案内

広告を出す前に、既存顧客へ先行して紹介するケースです。特別なルートというより、販売活動の段取りの一部にすぎません。

  • 価格調整中の“テスト販売”

売主が価格設定に迷っている段階で、限定的に紹介し、市場の反応を見ることがあります。問い合わせが少なければ価格を見直す。いわば事前の市場調査です。

  • 売主の個人的事情

相続や離婚、近隣に知られたくない事情などから、広く広告を出せないケースもあります。この場合は、情報の公開範囲を絞って販売することになります。

Aさんが見落とした“たった3つの確認”

Aさんのケースは、事前に次の3つを確認していれば防げた可能性がありました。

  • 近隣の成約事例(実際に売れた価格)を調べる
  • 販売期間や価格改定の履歴を確認する
  • 他社にも相談し、意見を比較する

とくに重要なのは「出口時の流動性」です。将来売却するとき、同じ価格帯で買ってくれる層がいるのか。周辺に競合物件が増えすぎていないか。

公開か非公開かよりも、見るべき本質はそこにあります。不動産の情報は、売主や仲介会社のほうが多く握っています。買主は常に“情報の非対称性”(持っている情報量に差がある状態)の中にいます。

その差を埋める方法は一つです。複数の不動産会社に相談し、感覚ではなく数字で比較すること。

未公開物件は、ただ“競争が表に出ていない”だけの物件。

つまり、その時点ではライバルが少ないというだけです。慌てて購入する必要はありません。相場を確認し、成約事例と比較し、冷静に判断してください。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


▶︎2分で完了!日常の"モヤッとした"体験、TRILLでシェアしませんか?【投稿はこちら】

の記事をもっとみる