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冷凍便を宅配すると…「明後日まで預かってもらえますか…?」→元配達ドライバーが見た引越し初日に陥りがちなミス

  • 2026.2.17
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さんこんにちは、元宅配員のmiakoです。

新生活を目前に控え、引っ越しをされる方が増える季節になりました。
実家から一人暮らしを始めたり、地方へ異動したり、実家に戻ったり。その状況はさまざまです。

春は新しい暮らしへの期待が膨らむ一方で、配達の現場では「少し違和感のある荷物」に出会うことが増える時期でもありました。

入居前に届いてしまった引っ越し荷物

それは、ある春先のことでした。
とあるアパートのとあるお部屋に、大きな箱の荷物が3つ、到着しました。

差出人様と受取人様は同じ名前。おそらく引っ越しの荷物だろうと考えました。
時間の指定は夜18時以降。指定に従い、18時過ぎにその住所のそのお部屋にお伺いしました。

到着してインターホンを押したのですが、チャイムが鳴りません。
電池切れなのか、まだ電気が開通していないのか…。

ドアをノックしてお声をかけましたが、お返事がありません。
不在票をポストに入れようとしたところ、ドアポストが養生シールでふさがれていました。

入居準備中なのかもしれませんし、もしかしたらここは引っ越し前の住所で、退去して荷物を送る時に、誤って元の住所に送ってしまったのかもしれません。

そんな印象を受ける状態でした。

このアパートには、ドアポスト以外のポストは見つかりません。
ドアポストはお客様の所有物であり、貼られた養生シールを配達員の判断で勝手に剥がすことはできません。後のトラブルを避けるためにも、私たちは許可なくお客様の所有物に手を加えることはしないのです。

伝票を確認すると、受取人様の電話番号が書かれていたので、お電話することにしたのです。

入居日と配達日のわずかなズレ

呼び出し音の後、受取人様の電話がつながりました。

「すみません、お荷物を3つお預かりしている件でお電話いたしました。今、お部屋の前にお伺いしているのですが、このお部屋でお間違いないでしょうか」

そうお伝えすると、電話の向こうで少し慌てたご様子が伝わってきました。

「え? 今日ですか? それって明日の日にちになっていませんか?」

もう一度伝票を確認しましたが、確かに本日18時以降の指定です。
その旨をお伝えすると、

「すいません、それ、明日に変更できますか? 明日そちらに入居の予定なんです」

とのことでした。

どうやら、荷物の方が先に到着してしまったようでした。

住所が間違っていたのであれば、また発送し直しになります。

同じ営業所の管轄内であれば、そのエリアを担当するドライバーに引き継ぐだけなのですが、これが違う営業所の管轄エリアにある住所となると、そちらに送り直さなければいけなくなります。

そうなると、新たに送料が発生します。

そのため、ご住所間違いで届いてしまった場合は、着払いで新たなご住所へお送りする場合と、届いた営業所で保管し、お客様自身に引き取りに来ていただく方法のどちらかで受け取っていただくしかありません。

今回のお荷物は先にお支払いされていたお荷物だったので、別の住所に送る場合はさらに同じだけ、もしくはそれ以上の料金を追加でお支払いいただくことになりかねない事態でした。

お客様と連絡が取れたので、不在票は投函することなく荷物を持ち戻り、翌日の配達指示を記録しました。
翌日、同じ時間帯にお伺いすると、無事にお受け取りいただけました。

ドアポストに貼られた、投函禁止シール

自分で発送して自分で受け取る荷物は、到着日時もだいたいご自身で把握していても、どうしても不在になってしまうことはあります。

ご不在ならば本来のルールと同じく、ポストに不在票を入れて再配達の連絡を待ちます。
しかし、肝心のポストに不在票を投函できない状況は違和感があります。

ごくまれに、ご入居された後でも『投函禁止』のシールや養生シールをそのまま残されているのを見かけることがあります。

しかし、そのままにしていては大事な通知を受け取れなくなってしまう可能性もあるのです。

お引っ越しの際には、ポストの状態も確認しておくことをおすすめいたします。

冷凍便と、まだ届いていない冷蔵庫

ある日、とある新築のお宅へ冷凍便をお届けに伺ったことがありました。

チャイムを鳴らすと出てきてくださったのですが、荷物を見た瞬間「え?冷凍?」と驚かれました。

差出人様をご確認いただくと「うちの親からだ…」と少し困ったご様子でした。

「今日引っ越してきたばかりで、まだ冷蔵庫が届いていないんです。明日には届くと思うので、明後日まで預かってもらえませんか?」

と相談されたのです。

親心と受取環境のすれ違い

引っ越し直後に冷蔵庫が運び込まれたとしても、すぐに電源を入れられないといった経験をされた方も多いと思います。
また、冷蔵庫は電源を入れてから庫内が冷えるまでにも時間がかかります。

今回の差出人様は、受取人様の引っ越しを知っていても、受け取る側の環境までは把握できていなかったのかもしれません。

親心で送られた冷凍品が、受け取る側を困らせてしまうこともありました。

この荷物は受取期限に余裕があったため一旦お預かりし、2日後に再配達するお約束をしてお届けいたしましたが、全てのお客様の要望に必ず対応できるとは断言できません。

これが冷蔵便であった場合はさらにお預かりに不安が伴います。
私が勤務していた会社では、冷蔵便の保管期間は原則としてご不在連絡票を投函した日を含め3日間と定められていました。生ものであるため保管期間が短く、それを過ぎると品質が低下するリスクが高まるのです。

もしこのような状況になった場合は、まずは配達員に事情をご相談ください。保管期限が定められているため、必ずしもご希望に添えるとは限りませんが、何か対応できることがあるかもしれません。ただし、食品の品質を考えると、やはり差出人様が事前に受取人様のご都合を確認することが最も確実な方法です。

しかし、本来なら差出人様が受取人様のご都合をご確認するのがベストでした。

差出人様のご厚意はとても伝わるのですが、食品を送る際には受取環境の確認が非常に重要になると感じた出来事でした。

退去後の玄関前に置かれた箱

またある日、とあるレンタルメーカーから回収依頼がありました。
企業から商品などを回収する依頼も、私たち宅配員が向かうことがあります。

回収先はとあるアパートの1階にある、とあるお部屋でした。
そこへ向かうと玄関前には大きな箱がひとつ、どん、と玄関ドアを塞ぐように置いてありました。

チャイムを鳴らしても、ノックをしても、声をかけても反応がありません。

一瞬、目の前の箱がご依頼の回収品かな?と思い、箱を確認させていただきましたが、その箱には回収品であることを示すメモもなく、中身もわかりません。
箱には封もされているので、勝手に開けられません。

その箱が今回の回収に関係あるのかもわからないまま、その日は不在票を入れて戻りました。

思わぬ行き違い

翌日も、そのまた翌日も同じ状況が続き、事務所からメーカーへ確認してもらうことにしました。

すると、メーカーから回収先のお客様に連絡が入ったのか、そのお客様から「退去済みで、もう県外に引っ越していて戻れません。玄関前に置いてあるものが返品分なのでそれを回収してください」と直接事務所へ連絡があったといいます。

指定先に置いてあるのは分かりました。しかし、それが本当にそのお客様のいう荷物かどうか判断できる情報がなければ、勝手に持ち帰って送ることはできません。

再度現地に向かい、そこで直接お客様へお電話をしました。

幸いにもお電話には出ていただけたので、その場で荷物の特徴を確認しながら、それがようやくお客様が指定された回収の荷物だと判断したので回収し、レンタルメーカーに荷物を発送したのです。

ところが後日、「回収した荷物の中身が違う」とメーカーから連絡が入りました。
事務所から、回収に行った時の状況を報告してほしいといわれ、その日の行動と、お客様とのやり取りをそのままお伝えしました。

その後の結果、本来返品予定の品は、お客様が間違えて引っ越し先へ持って行ってしまい、私が回収してメーカーに送ったのは、お客様の私物だったことが判明しました。

今回はお客様自身の不備ということで、その後のお手続きはメーカーとお客様とのやり取りになることになりましたが、本来、対面であれば避けられた可能性もあるトラブルでした。

引っ越しするのは何かと慌ただしく、特に今回のお客様は時間の余裕がなかったのかもしれませんが、レンタル品をそのまま置き去りにして退去していたと知った時は肝が冷えました。

昨今は非対面での荷物の回収も受け入れてはおりますが、中身が間違いないものなのか確認をしながらお預かりしたいので、できる限り対面でお願いしています。

レンタル品も宅配品も、お客様の生活の中心になくてはならないものではありませんが、私たちは共にお客様の安心をサポートしたいと考えております。
そのためには、ご利用されるお客様自身のご協力が必要なのです。

お互いに思いやり、歩み寄れる関係であればなお嬉しく思うのです。

新生活前に気をつけたい小さなズレ

春は新しい暮らしの始まりの季節です。

しかし、入居日と配達日のズレ、受取環境と荷物内容のズレ、回収方法の認識のズレなど、ほんの小さな違和感がトラブルのきっかけになることがあります。

差出人様も受取人様も忙しい時期だからこそ、日時や中身、受取環境を一度確認するだけで防げることもあります。

配達の現場で感じた小さな違和感は、新生活を気持ちよく始めるためのヒントでもあるのかもしれません。

もし、この先引っ越しを控えている方がおりましたら、少しでも荷物に気にかけてくださいますと、宅配員としても安心してお届けできると思うのです。



ライター:miako
宅配ドライバーとして10年以上勤務した経験を生かし、現場で出会った人々の温かさや、働く中で積み重ねてきた“宅配のリアル”を、経験者ならではの視点で綴っています。
荷物と一緒に交わされてきた小さなエピソードを、今は文章としてお届けしています。


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