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【天神】映画『旅の終わりのたからもの』をキノシネマ天神で観て語りました!

  • 2025.12.30

こんにちは! 映画好きのリビングふくおか・北九州Web地域特派員、ハヅムラルダです。

この度、ヨーロッパ発の新作映画『旅の終わりのたからもの』の試写会に行ってきました。この作品が日本で一般向け上映されたのは今回が初めてだそうで、特別感あり♡

ホロコースト生存者のパパと娘が家族の遺物を探す珍道中

本作は、ホロコーストを経験した記憶を封印してきた父と、その記憶が知りたいNY育ちの娘が家族のつながりを探し、1991年のポーランドを旅するロードムービ―。

出典:リビングふくおか・北九州Web

このパパのキャラがかなりユニーク。ホロコーストから生き残り、アメリカ移住後は人生を謳歌しており、ポーランドに帰郷するのは約50年ぶり。治安の悪いポーランドに飛ぶ娘を一人で行かせられないと渋々ついてきた上で、娘が家族のルーツを探る旅をマイペースに妨害。陽気でチャーミングな個性を発揮し、お抱え運転手と友達になったり、妙齢の女性にナンパされたり。そんな父の自由奔放な言動に、ジャーナリストで36歳バツイチの娘はブチ切れ。全然かみ合わない父と娘が、お互い容赦ない辛口ツッコミをかましあう珍道中は、中二病の子供が傍若無人な親をウザがる小競り合いのようで笑えます。

コメディタッチで進む物語ですが、実は、父は心に深刻なトラウマを封印していて、ホロコーストの悲劇の影は劇中ただならず漂っています。旅を通じて娘は父親を理解し、心に寂しさを抱える自分とも向かいあっていきます。次第に、父は初めて痛ましい記憶を語り、「たからもの」を掘り当てようと行動します。世代を超えて受け継がれるトラウマを描く、喜劇と悲劇が融合したような親子の物語は、最後に感動の涙を誘います。

出典:リビングふくおか・北九州Web

本作は、ホロコーストを生き抜いた父を持つオーストラリアの著名な作家、リリー・ブレットが実体験をもとに書き上げた小説「Too Many Men」を原作に映像化されています。

ホロコーストの生存者がますます減る中、ホロコーストの惨劇を題材にした映画は毎年のように作られています。昨今は、「アンネの日記」のような体験ものだけでなく、ミステリー、実録ドキュメンタリー風、アート映画、など様々な視点や演出の作品が生まれています。『旅の終わりのたからもの』もまた、ホロコースト生存者と第二世代の親子関係をユーモアたっぷりにテーマにする角度が、今までにない異色作だと思いました。

映画の舞台は戦後46年目の1991年、鉄のカーテンが崩壊した後、民主化されたばかりのポーランド。有料のトイレットペーパーや、なんでも袖の下で解決する流儀など、当時のカオスなポーランドの様子が垣間見れます。実際に、当時は、世界中のユダヤ人が東欧を訪れ、家族が遺したものを探る旅に出たそうです。元居住していた場所に住む現地の人と揉め事もあったということは、この映画で初めて知りました。

『旅の終わりのたからもの』は、キノシネマ天神にて、2026年1月16日から公開されます。

キノシネマ天神初体験。天神のおしゃれビルの3階で映画が観れるとは!

出典:リビングふくおか・北九州Web

今回試写が上映されたキノシネマ天神に初めて来たのですが、とても素敵な映画館でびっくり。天神の商業施設「カイタックスクエアガーデン」3階にあるのですが、よく通る場所ながらここに映画館があるとは知りませんでした。2020年オープンで、ミニシアター系としては福岡では一番新しい映画館だそうです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

館内はパリの高級ホテルをイメージした内装で、街の雰囲気に合ったおしゃれな空間。ゆったりしたリクライニングシートの座り心地がよく、専用手すりもついていて広々快適。多すぎない座席数と見やすい配置で、映画をじっくり身近に感じながら楽しめます。ここに来るために天神に来たいと思わせる魅力的な劇場でした。

車いす利用者にも開かれた映画館

試写会では、劇場の一番前の席で車いすの方が鑑賞されていました。実は、今回のイベントは、車いす利用者やベビーカー利用者が街に出かけにくいという問題の解消に取り組む団体「Divers Project」のワークショップとの共催。

出典:リビングふくおか・北九州Web

写真提供:Divers Project

試写会前には、車いすの方と、車いすに乗った健常者の方が、天神のワンビルからキノシネマ天神まで町歩きをする車いす体験イベントが行われました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

写真提供:Divers Project

車いすに座って映画を鑑賞した健常者の方もおり、鑑賞後はまち歩きでの課題と作品の感想を話し合いました。「Divers Project」代表で、車いすで生活されている内山さんは「車いすでの映画鑑賞は一番前で観やすかったです。キノシネマ天神で劇場に入るときの非常口入口に段差があったので段差の告知があるとよりいいと思いました」と話されていました。車いすでも気軽に街に出て映画を観ることができる社会になるといいな、と思いました。

Divers Project:https://diversproject.diversmapofficial.com/

知らない人と映画を語る会が楽しい!

この試写会は、キノシネマ天神と「福岡テンジン大学」とのコラボレーション企画でもありました。「福岡テンジン大学」は、カフェ、神社など福岡の“まち”全体をキャンパスに、多様なテーマで学び、人と人がつながり合うプロジェクト。毎月第4土曜日を基本に、10代から50代までの市民ボランティアスタッフが、新たな発見や出会いのチャンスがある授業を企画し運営。学生登録をした人が、興味があるものに自由に参加申し込みできます。

「福岡テンジン大学」今回の授業は、映画を鑑賞した後で感じたことを分かち合う対話会を行う特別企画。私も参加させていただきました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

キノシネマ天神の松川さんと、福岡テンジン大学の前田さんが対話会の前にお話しされました。「映画を観た上で、みんなで対話する時間を設けることで、映画体験をより深いものにできたら」と前田さん。

対話は、「物の記憶や、物の背景の物語の大切さ」「父親の“娘自慢”」「娘の足のイレズミの謎」など、いろいろなトピックで大盛り上がり。私自身、映画を観た後、それについて語ることがあまりなかったのですが、知らない人と話すことで、新たな発見があり、とても有意義な体験でした。

出典:リビングふくおか・北九州Web

配信でスマホなどで観る映画と映画館で観る映画とはどう違うかについても話し合ったところ、「映画館での鑑賞は、もっと臨場感、没入感がある」「前から来てみたかったキノシネマが、期待を上回るいい映画館だった」などの声がありました。

今後、来年3月にもまたキノシネマ天神と「福岡テンジン大学」による、同じような映画観賞イベントを開催したいとのこと。楽しみです。

福岡テンジン大学:https://tenjin-univ.net/

あなたもキノシネマ天神で『旅の終わりのたからもの』を大切な人と観て、語り合いませんか?

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