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忘れられないクリスマス!「ふくおか国際映画祭」でとびきりの文化体験を!

  • 2025.12.13

はじめまして!リビングふくおか・北九州Web地域特派員のたまごと申します。よろしくお願いいたします!

私自身、小学生の子どもを持つ親として、子どもの教育に興味があり、この度「ふくおか国際映画祭」の取材をさせていただきました。

忘れられない素晴らしい映画体験を子どもたちへ

世界的映画監督の是枝裕和氏をエグゼクティブ・アドバイザーに迎え、「忘れられない素晴らしい映画体験を子どもたちへ」をコンセプトにした「ふくおか国際映画祭With Everyone 2025」が、2025年12月25日(木)から12月27日(土)までの3日間にわたって福岡で開催されます。

多感な時期の子どもたちの心を育む名作の上映に加え、第一線で活躍するプロフェッショナルとの対話の場も提供される、大人も子どもも楽しめる映画祭です。

今年のテーマは「子どもと生きることで見える可能性」です。

子どもがいる人もいない人も、大人も子どもも、「子ども」という存在と関わることで、私たちの見える世界や作家が創る世界がどう変化するのか。映画を通じてその豊かさや発見を共有する3日間となります。

映画祭の3つの見どころをチェック!

  1. ①子どもと大人の関係性を問い直す珠玉の作品群

是枝裕和監督の代表作『そして父になる』をはじめ、カンヌ国際映画祭で脚光を浴びた早川千絵監督の『ルノワール』、呉美保監督の『ふつうの子ども』など、子どもと大人の関係性を深く描く作品が上映されます。是枝監督(予定)、早川監督、呉監督も登壇してくださいます!

出典:リビングふくおか・北九州Web

『ルノワール』(26日)© 2025「RENOIR」製作委員会 / International Partners 写真: 西山勲

出典:リビングふくおか・北九州Web

『ふつうの子ども』(26日)

出典:リビングふくおか・北九州Web

『そして父になる』(27日)

  1. ②福岡ゆかりの名匠・佐々部清監督 没後5年追悼特集

福岡でも数多くの撮影を行い、多くのファンに愛された佐々部清監督の没後5年を機に、子どもたちを描いた名作『日輪の遺産』と『約束のステージ』が特別上映されます。 俳優の升毅さんや野村展代さんほか豪華ゲストを迎え、佐々部監督の人柄と作品の魅力を深掘りします。

  1. ③映画創造の核心に迫るシンポジウム 「子どもと創造」

映画祭のフィナーレを飾るシンポジウムでは、監督たちが自身の「子ども体験」や、子どもを描くことを通して見出した「映画創造の内面」を解き明かします。 クリエイターが子どもとどのように向き合い、作品へと昇華させているのか、その創作の秘密に迫る貴重な機会です。

主催者にインタビュー!

この映画祭を主催する一般社団法人クリエイティブ共生都市&ふくおかクリスマスフェスタ実行委員会の映画祭責任者・近藤加代子さん(九州大学芸術工学研究院教授)に、映画祭の原点から今年のテーマ、そして取り組みの真意まで、熱い思いを伺いました。

出典:リビングふくおか・北九州Web
Q:この映画祭の開催のきっかけは?

近藤さん:活動の原点は、子どもたちに「おなかいっぱい、こころいっぱい」になってもらいたいという願いからです。せっかくのクリスマス、日頃は叶わない「とびきりのごちそう」を「プレゼント」として贈りたいとみんなで考えました。 しかし、この「ごちそう」は食だけでは不十分です。一流の文化に触れる「心のごちそう」もとても大切です。子どもたちに忘れられない経験をプレゼントしたいのです。映画は物語を通して、「違う人の気持ちがわかる」という大きな力があり、人の心を強くムーヴします。 私自身もそうでしたが、映画制作を経験した学生を見ると、自信がなかったり、辛さを抱えていたりする人が、表現を通して殻を破るんです。この力を、子どもたちに伝えたいと思いました。

Q:映画を配信で見られる時代に、なぜ「映画祭」?

近藤さん:映画をやる意味は、ズバリ「コミュニケーション」です。 実は今、貧困の連鎖や体験格差の是正として、学習塾に行けない子どもたちへの「学習支援」はだいぶ取り組まれてきています。しかし、「文化支援」にはほとんど手が回っていません。 そして、「良い大学に入ってサラリーマンになる」という昔ながらの考え方だけでは、今の時代、格差は超えられません。むしろ文化が主力産業になった今、子どもたちが文化の担い手に育っていく道を拓くことが大切なのです。 配信で映画は見られても、世界的な優れた監督やクリエイターと直に会って話せる機会はめったにありません。この「対話」こそが、子どもたちに深い感動と、自分も頑張ろうという大きな「宝」を与えるのではないかと思います。

Q:なぜ「国際」という名前を?
出典:リビングふくおか・北九州Web

近藤さん:映画に国境はないからです。外国の作品も上映できるほか、日本作品を海外に発信することにもつながります。

また、今コンテンツ産業は海外市場を獲得する日本の主力産業ですが、欧米諸国に比べ文化への補助金が少なく、その重要性が十分に理解されているとは言えません。 残念ながら、日本では勉強や仕事に忙しくて、映画を見る機会があまりない人も少なくありません。日本では、映画という文化が国民にとってどれほど大事なのか、という理解が最近まで弱く、欧米ばかりか、アジア諸国に比べても、文化支援にお金を出すことが少ない国になっていました。最近は主力輸出産業として位置付けられて変わってきており、もっと変わってほしいと思っています。 だからこそ、「体験格差是正」という目的達成のため、あえて「国際」の名を付けました。世界的な専門家をお呼びすることで、子どもたちに本物の文化に触れる体験を届けたいのです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

『最初の半歩』香港映画:日本語字幕付き

Q:どんな子どもたちに来てほしい?

近藤さん:もちろんすべての子どもたちですが、特に中高生にこそ来てほしいです。 一番苦しいのは中高生です。悩んでしまう、引きこもってしまう、挫折するといった経験を持つ彼らにこそ、心が晴れる映画や、心に寄り添う映画が必要です。 映画祭は、映画制作を通して閉じこもっていた人が殻を破って表現できることを知った経験から生まれたものです。この「表現の力」を、今まさに自分の人生を考えている彼らに届けたいと思っています。 私たちは幅広い年代の子どもたちが映画祭を楽しめるよう、ラインナップを工夫しています。例えば、12月27日にはkino cinema 天神で上映される『パディントン 消えた黄金郷』に18歳以下を無料で招待します。一流の芸術家との触れ合いだけでなく、誰もが楽しめる映画体験を届けたいと考えています。

Q:今年のテーマは?

近藤さん:今年のテーマは「子どもと生きることで見える可能性」です。 女性が子育てをすると、幸福度が下がると言われています。子育てによってキャリアを諦めるなど、不利益を被りがちな現状に対し、自己実現を諦めずに「子どもと一緒に幸せになれる」という道を示したいのです。

子どもと生きることは、女性に限らず、男性にとっても、大きく世界を広げていくことにつながります。日本社会の可能性が広がります。 そのため、私たちは日々子育てを頑張っている親御さんたちも、さらにはお子さんがいない大人の方も、ぜひ一緒に参加してもらいたいと思っています。 どんな子どもも、社会の手つなぎで、心豊かに育ち、文化を担える大人へと成長してほしいと願っています。

この映画祭を通じて、子どもたちの未来の可能性が広がることを願っています。ぜひ、ご家族で足を運んでみてください! チケットの予約方法等、詳細は公式サイトをご覧ください。

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