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納豆は『朝』と『夜』どっちが正解?!→管理栄養士が明かす、“腸内環境”の改善に役立つ「ゴールデンタム」とは?

  • 2026.1.25
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「納豆は、炊きたてのアツアツご飯に乗せてハフハフとかき込むのが一番!」 そう思って毎朝食べている方は多いのではないでしょうか。しかし、その至福の食べ方が、実は納豆の持つ「ある重要な健康効果」を弱めてしまっているとしたら……。

納豆は「天然のサプリメント」とも呼ばれるほど栄養価の高い食品ですが、熱への弱さや食べ合わせ、摂取タイミングによって、その効果の現れ方は大きく変わります。せっかく食べるなら、100%の効果を受け取りたいものです。

アツアツご飯に乗せると「酵素が働かない」は本当?

---多くの人がやりがちな「炊きたてのアツアツご飯に納豆をオン」する食べ方、栄養面から見るとやはり「避けるべき」でしょうか?

かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子さん:

結論からいうと「避けるべき」とまでは言えません。

栄養面を最優先に考えるなら、「もったいない」食べ方と言えるでしょう。
「炊きたてのアツアツご飯に納豆をオン」する食べ方が良くない、と言われる根拠は、納豆菌が生み出すナットウキナーゼという酵素活性が失われることです。
ナットウキナーゼはたんぱく質分解酵素の一種で、血液をサラサラにする、血流をよくするといった、健康をサポートする働きがあると考えられています。
ナットウキナーゼは熱に弱く、加熱調理で失活してしまいます。50℃以上で活性が低下し始め、70℃以上でほぼ失活します。炊き立てごはんは65〜80℃あり、熱々のごはんに納豆を乗せただけでも、ナットウキナーゼは一部失活してしまうのです。
血栓予防や血流効果を期待して納豆を食べるなら、炊き立てのご飯に乗せず、別の器に盛り付けて食べると良いでしょう。

一方で、「炊きたてのアツアツご飯に納豆をオン」したからといって、納豆の栄養素が全て台無しになるわけではありません。たんぱく質や食物繊維、ミネラルなどはほぼ影響をうけず、しっかりと摂取できます。

一番良くないのは、熱の影響を気にしすぎて納豆を食べなくなってしまうことです。日本特有の発酵食品である納豆は、継続的に食べると健康維持に役立ちます。

※血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)を服用している場合、薬の効果を妨げるため納豆は禁忌食材となりますので、ご注意ください。

「納豆に生卵」は吸収率を下げるNG行為?噂の真相と、本当に注意すべき「塩分の落とし穴」

---「納豆に生卵を入れると栄養が吸収されなくなる」という噂を聞きますが、これは本当ですか? また、他にも「実は相性が悪い」トッピングはありますか?

かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子さん:

「納豆に生卵を入れると栄養が吸収されなくなる」というのは、栄養学的に見れば一部根拠はありますが、通常の食生活において過度に気にする必要はありません。

この噂は、生卵に含まれるアビジンという物質が納豆に含まれるビオチンの吸収を妨げる恐れがあることが根拠となっています。
ビオチンはビタミンB群の一種であり、糖質・脂質・タンパク質の代謝をサポートし、皮膚や髪の健康に深く関わっています。
しかしビオチンは納豆以外にも様々な食品に含まれており、体内で腸内細菌によって合成されることもあり、通常の食生活では不足することはほぼないと考えられています。生卵を1日に何個も大量に継続的に摂取するような極端な食生活では注意が必要です。
もし気になるようであれば、卵黄だけ納豆に混ぜて食べて、卵白は加熱料理に使うと良いでしょう。

ナットウキナーゼやアビジンなど、個々の成分に着目すると吸収効率においてデメリットではあるものの、トータルでみると避けるべきトッピングはありません。しいてあげるなら、お醤油や調味料のかけすぎはおすすめしません。塩分過多になりやすいので、生活習慣病予防の観点からみると、かけすぎには注意しましょう。
食材は様々な栄養素を含んでおり、それらが複雑に絡み合い、相互で関係しながら体内で消化吸収され、私達の活動を支えています。体にとって良いからと言って極端に食べすぎると逆に健康を損なう恐れがあります。日々の食生活の中で様々な食材を取り入れることが大切です。

「血液サラサラ」を狙うなら朝より夜! 効果を最大化させる「食べる時間」と「常温20分」の魔法 

---納豆の効果(血液サラサラ、整腸作用など)を最大化させるために、管理栄養士が推奨する「食べるタイミング(朝or夜)」と「冷蔵庫から出して食べるまでの手順」を教えてください。

かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子さん:

納豆の「血液サラサラ効果(血栓予防)」を最大限に発揮するには、「夜」に食べるのが良いと考えられています。

血栓予防作用を担うナットウキナーゼは、摂取後4時間から効果を発揮し始め、その後6〜8時間ほど持続すると言われてます。心筋梗塞や脳梗塞など「血管が詰まりやすい時間帯」は早朝〜午前中に多いため、夜に食べておくと、この時間帯に効果が重なりやすいと説明されています。(※ただし、納豆を食べるだけで水分不足が解消されるわけではありません。寝る前や起きた後の水分補給も忘れずに行いましょう)

一方で、整腸作用を期待するなら朝・夜どちらに食べても効果があります。腸の蠕動運動が高まりやすいのは起床後〜朝食後であり、朝食で発酵食品や食物繊維をとると便通改善や腸内環境のサポートに役立つと考えられています。また、夜間は腸内細菌の活動が活発になる腸のゴールデンタイムです。夜に納豆を食べることで、腸内細菌のエサとなる食物繊維が腸に届き、腸内環境の改善に役立つでしょう。

【冷蔵庫から出して食べるまでの手順】
ステップ①:常温で10〜20分放置する
・冷蔵庫(約5℃)の中で、納豆菌は休眠中です。常温に置くことで納豆菌が活性化し始め、風味やネバネバも増し、混ぜやすく美味しくなります。

ステップ②:タレを入れる前によく混ぜる
・まずは納豆だけを混ぜると糸引きが良くなり、ふんわりとした食感になります。

ステップ③:最後にタレ・薬味を入れる
・タレや薬味を後からいれることによって、旨味や粘りを十分に楽しむことができます。

ナットウキナーゼの効果を最大限に取り入れたいなら、加熱調理は避け、アツアツではなく少し冷ましたご飯にのせるか、ご飯に乗せず別盛りで食べると良いでしょう。

「熱」と「タイミング」を少し意識するだけ。今日からできる“納豆アップデート”

身近なスーパーフードである納豆。小池さんの解説により、いつもの習慣に少し工夫を加えるだけで、その健康効果をさらに引き出せることがわかりました。 ポイントを整理すると、以下の3点になります。

  1. 「血液サラサラ」重視なら別盛りに ナットウキナーゼは熱に弱いため、血栓予防を期待するならアツアツご飯には乗せず、常温に近い状態で食べるのがベストです(たんぱく質摂取が目的ならオンザライスでもOK)。
  2. 「夜」食べると血管に優しい 就寝中のドロドロ血液対策として、夕食時に食べるのが効果的。さらに「常温で20分放置」してから混ぜると、菌が活性化し旨味も増します。
  3. 細かいことは気にしすぎない 「生卵はダメ?」「熱で死ぬ?」と気にしすぎて食べるのをやめてしまうのが一番の損失です。まずは継続することを第一に考えましょう。

今日の夕食から、冷蔵庫から出した納豆を少し常温に置き、ご飯とは別のお皿で楽しんでみてはいかがでしょうか。そのひと手間が、将来の健康を守る大きな一歩になるかもしれません。


監修者:かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子
管理栄養士×保育士|実務経験13年|現在はフリーランスの管理栄養士として、栄養相談や献立作成、記事執筆・監修を中心に活動中。「人に寄り添い、無理なく実現できる食生活のサポート」をモットーに、忙しい中でも続けられる、簡単でおいしい時短レシピを発信している。