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『動脈硬化が進行している人』には“特徴”があった。医師が明かす、脳梗塞を引き起こす「3つの危険なサイン」

  • 2026.2.28
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「動脈硬化」という言葉は聞くけれど、具体的にどんな病気か、なぜ血管が硬くなるのか、自分には関係ないと思っていませんか?実は、私たちが普段「何気なく」送っている日常の中に、血管を傷つけ、動脈硬化を進行させてしまう危険なサインが隠されています。

これらのサインを見逃すと、将来的に心筋梗塞や脳梗塞といった重篤な病気につながる可能性も。

しかし、ご安心ください。現役医師の松岡雄治 先生によると、日々の生活習慣を少し見直すだけで、血管の健康を取り戻し、動脈硬化の進行を食い止めることができるといいます。

この記事では、動脈硬化の隠れた危険なサインと、今日から無理なく始められる予防・改善策について、詳しく解説していきます。

「血管が硬くなる」ってどういうこと? 動脈硬化の3つの危険なサイン

---動脈硬化とはどのような病気なのでしょうか?また、進行している人に見られる危険なサインについて教えてください。

松岡雄治さん:

「動脈硬化が進行している人に見られる3つの危険なサインとして、高血圧、高血糖、喫煙習慣が挙げられます。

動脈硬化とは、本来しなやかなホースのように弾力のある血管が、そのしなやかさを失って硬い土管のようになってしまう病気です。

高血圧は、血管の壁にかかる圧力が高い状態です。高い圧にさらされる血管の内側は傷つき、悪玉コレステロールが入りこんで動脈硬化を進めます。高血圧につながる生活習慣は、塩分過多、運動不足、寝不足などです。

高血糖は、血管やタンパク質を変性させて血管のしなやかさを損ないます。高血糖の背景には、運動不足や甘いものの摂り過ぎはもちろんですが、加齢による影響もあります。

喫煙習慣は、酸化ストレスなどによって血管を強く傷めることがわかっています。自身で喫煙していない場合でも、パートナーが喫煙をしているケースなどで受動喫煙をしている場合もリスクとなることがわかっています。

上記のように3つの危険なサインの裏側には、生活習慣の乱れが潜んでいることが多いのです。そして、それぞれは何気ない日常に溶け込んでいて普段は特に意識もしないようなことも特徴です。これら複数の要因が重なることで動脈硬化は日々進行していきます。」

血管を守るために「優先すべき」習慣とは?

---動脈硬化の進行を食い止めるには、どのような生活習慣の改善が効果的なのでしょうか?特に優先すべき対策について教えてください。

松岡雄治さん:

「動脈硬化は複数の要因が重なって進行するため、何かひとつの原因だけを改善しても効果が限定的になる可能性があります。

ご自身の生活習慣の中で影響が大きいと考えられるものから順に見直すことが重要です。そのうえで、内科的視点から特に優先度が高いものとしては、喫煙が挙げられます。

喫煙が問題なのは、単に動脈硬化を進めるだけではなく、血管の内側にある血管内皮を傷つけて、血管を収縮させ、血液を固まりやすくする方向に働くためです。つまり、動脈硬化の進行を早めるだけでなく、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる血栓リスクも高めます。喫煙は、血管合併症のリスクを大きく高めうる生活習慣です。受動喫煙についてもリスク上昇への注意喚起がなされています。

次に重要なものとして、塩分過多、肥満、運動不足があります。それぞれがリスクですが、組み合わさることで高血圧を引き起こし、血管に持続的なダメージを与えます。高血圧の状態が続くと、慢性的なダメージが蓄積し、動脈硬化が進みやすくなります。運動不足はさらに、血圧だけでなく血糖や脂質にも悪影響を及ぼしやすく、結果として動脈硬化につながります。

つまり、喫煙がある方は禁煙を最優先にし、そのうえで減塩・体重管理・運動習慣の改善を組み合わせて進めることが、血管へのダメージを減らすうえで効果的です。重要なのは血管に負担をかける生活習慣をひとつでも減らす意識です。」

明日からできる!無理なく始める血管ケアの第一歩

---日々の生活の中で、動脈硬化の予防や進行抑制のために、具体的にどのようなことから始めれば良いでしょうか?

松岡雄治さん:

「動脈硬化の予防と進行抑制においては、最初から完璧を目指すよりも、始めやすく、続けやすいことから着手するのが重要です。動脈硬化は高血圧、高血糖、喫煙習慣など複数の要因が重なって進行します。そのため、最初の一歩としては、日常生活に取り入れやすく、血圧や体重管理に結びつきやすいものから始めるとよいでしょう。

まず取り組みやすいのは、食事内容の見直しです。特に、過食を避けること、塩分を控えることは、比較的手軽に始めやすく、高血圧予防や肥満予防に直結します。例えば、「汁物を飲み干さない」「味の濃い総菜や加工食品の回数を減らす」「腹八分目にしておく」といった工夫は、明日からでも始めやすい方法です。こうした小さな変化でも、継続することで血管にかかる負担を着実に減らすことができます。

次の段階としておすすめなのは、簡単な運動習慣です。特別な運動をする必要はありません。まずは食後に10分歩く、エレベーターではなく階段を使う機会を増やすなどで十分です。運動習慣は血圧だけでなく、血糖や体重管理にも良い影響を与えるため、動脈硬化の背景にある複数のリスクにまとめてアプローチできる効果の高い介入です。
最後に、効果が非常に大きい一方で、ハードルが高いものとして禁煙があります。喫煙は動脈硬化の進行だけでなく、血栓リスクを高め、心筋梗塞や脳梗塞の引き金にもなりうるため、血管保護の観点では優先的に対応すべき課題です。ただし、ニコチンによる依存も関わるため、本人の意思だけで続けるのが難しいことも少なくありません。そのため、減煙を図るより、禁煙外来や禁煙補助薬など医療の力を借りて禁煙することが近道であることも多いのです。

動脈硬化対策の第一歩は、大きな変化でなくて構いません。血管に負担をかける習慣を一つずつ減らしていくことです。無理のない順番で始めることが、モチベーションを高め、結果的に継続につながります。」

血管を労わる生活が、未来のあなたを守る

「動脈硬化」という言葉に漠然とした不安を感じていた方も、今回の松岡先生のお話で、その正体と、私たち自身の生活の中に潜むリスク、そして具体的な対策が見えてきたのではないでしょうか。

高血圧、高血糖、喫煙習慣。これら3つの危険なサインは、何気ない日常に溶け込んでいるからこそ見過ごされがちです。しかし、専門家の指摘にもあったように、血管を傷つける習慣を一つでも減らす意識が、未来の健康を大きく左右します。

禁煙は最も優先すべき対策ですが、まずは「汁物を飲み干さない」「食後に少し歩く」といった、無理なく始められる小さな一歩からで大丈夫です。これらの小さな変化が、やがて血管の健康を大きく改善し、心筋梗塞や脳梗塞といった重篤な病から私たちを守ってくれるでしょう。

今日からできること、あなたに合ったペースで、血管を労わる生活を始めてみませんか。


監修者:松岡雄治

麻酔科医として、心臓血管外科を含む各診療科の周術期管理を幅広く担当。生活習慣病を抱えて手術に臨む患者さんの安全な周術期を支える。現役医師として、実臨床をベースに培った医学知識と経験から、最新の知見を踏まえて正しい情報をわかりやすく発信する。