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『昔買った金のアクセサリー』買取店に持っていって“絶句”。金を売る人を襲う“想定外の大誤算”【お金のプロが解説】

  • 2026.2.27
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

金価格の高騰が話題になる昨今、街中や駅前で「金・貴金属買取」の看板を見かけることが多くなりました。「昔買った金の指輪やネックレス、売ったらいくらになるのかな」と気になる方もいるでしょう。

そこで浮かぶのは「売ったら税金はかかるの?」という疑問です。
検討の第一歩として、買取店に持っていく前に、金売却時の税金について知っておきましょう。

金を売ったときは「譲渡所得」

個人が金やプラチナなどの貴金属を売却した場合に発生する所得は「譲渡所得」に該当します。まず、売却によるもうけ(譲渡益)は、次の式で計算されます。

譲渡益=売却価格-(取得費+売却時の手数料などの経費)

さらに特別控除の50万円を差し引いた額が課税対象となります。

保有期間が5年を超えると税負担は軽くなる

保有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」となり、課税対象となる金額は2分の1になります。長く保有していたら、税負担が軽減される仕組みです。

  • 短期譲渡所得(5年以内)
    課税対象額=譲渡益-50万円
  • 長期譲渡所得(5年超)
    課税対象額=(譲渡益-50万円)×1/2

短期と長期のどちらにも譲渡益がある場合、特別控除額は合わせて50万円です。先に短期から控除し、余った分を長期から控除するというルールになっています。

また、土地・建物や株式等以外の譲渡益が金のほかにもあれば、それらと合算したうえで特別控除50万円を適用することになります。

なお、土地・建物の譲渡益や株式等の譲渡益は単独での課税となるため、貴金属のように他の所得とは合算されません。

ジュエリーは売却価格1点30万円以下なら課税されない

上述より、貴金属の売却により得られた利益は課税対象となります。

一方で、指輪やネックレスなどの金のジュエリーは「生活用動産」とみなされ、1点あたりの売却価格が30万円以下であれば課税対象外です。

たとえば、金のアクセサリー2点がそれぞれ20万円、15万円の合計35万円で売れたとしても、1点あたりが30万円以下なので、税金はかかりません。

それに対し、金地金(インゴット)など投資目的の金は生活用動産には該当せず、価格に関係なく、原則どおり譲渡所得があれば課税されます。

取得費がわからないときは?

譲渡益を算出するためには、売却する物品を取得した費用を把握しておかなければなりません。しかし、購入時の価格を証明するレシートや領収書を持っていない方も多いでしょう。

その場合、売却価格の5%を取得費とする「概算取得費」を適用できるとされています。ただし、この方法を使うと、取得費が実際より低く算定される場合が多いため、利益が大きく計算されて税額が増える可能性があります。

もし30万円超えで売れそうなジュエリー類であれば、取得費を証明できる領収書を保管しておくと良いでしょう。実際に、金地金など投資用の商品は、買ったときに取得費を証明する書類を取っておく必要があります。

税金について知り、安心して取引を

金が高値の今、使わなくなった貴金属の売却を検討する方は増えていると思われます。売却後の税金を考えるうえで押さえるべきポイントは、以下の4つです。

  • 生活用動産か
  • 何年間保有しているか
  • 取得費はいくらか
  • 合算すべき譲渡益はないか

納税時期に慌てることなく資金を用意できるように、あらかじめ大まかな税額を把握しておきましょう。


参考:国税庁
「譲渡所得の対象となる資産と課税方法」
譲渡所得(土地、建物及び株式等以外の資産を譲渡したとき)」
「譲渡所得の計算のしかた(総合課税)」
「金地金の譲渡による所得」
「法第38条《譲渡所得の金額の計算上控除する取得費》関係」


ライター:八木満里子
元銀行員。証券アナリスト、日本FP協会認定AFP、消費生活アドバイザー。資格と実務経験を活かし独立、金融分野を中心に執筆活動を行う。制度やお金の話題を「自分ごと」にする解説を心がけている。