1. トップ
  2. “今期の代表作”か…!Netflixで大ヒット作を生んだ“制作会社”の映像美に大注目【テレ東・新ドラマ】

“今期の代表作”か…!Netflixで大ヒット作を生んだ“制作会社”の映像美に大注目【テレ東・新ドラマ】

  • 2026.1.20

ここ数年、増加傾向にある日韓共同制作のテレビドラマ。従来の日本のテレビドラマとは一味違う魅力が楽しめ、韓国の俳優が気軽に見られるのもファンにとっては嬉しい。そんな日韓共同制作作品の今期の代表となりそうなのが、テレビ東京で放送中の『キンパとおにぎり〜恋するふたりは似ていてちがう〜』だ。

本作の制作会社は、Netflixでの大ヒットも記憶に新しい『イクサガミ』のBABEL LABEL。主演に赤楚衛二とカン・ヘウォンを迎え、食から始まる心温まるピュアなラブストーリーが展開する作品だ。両名の透明感ある演技や店主役・吹越満の存在感に加え、日韓の文化差を示唆する物語や、シズル感あふれる料理の映像美も見どころとなっている。

※以下本文には放送内容が含まれます。

「食」から始まるピュアなラブストーリー

日本の大学でアニメーションを専攻する韓国からの留学生パク・リン(カン・ヘウォン)は、住んでいた学生寮の建て直しのため、新たな家を探さなければならなくなる。留学生が借りられる物件はそう多くはなく、頭を抱えるリン。さらに悩みはそれに尽きず、学校の課題実習も思うようにいかず、落ち込む日々を送っていた。

それでもリンは「アニメーション作家になる」という夢のため、この地で頑張ろうと心に決めている。母親からは帰国を促されながらも夢を追いかける彼女は、ある日、空腹に耐えかねて小料理屋『田の実』に入り、そこでアルバイトをしている長谷大河(赤楚衛二)と出会う。

undefined
(C)「キンパとおにぎり」製作委員会

大河は、かつて大学駅伝のスター選手だったが、今は目標を見失っている青年だ。『田の実』での仕事は充実しており、店長の田口茂雄(吹越満)からも気に入られ、季節の新メニュー開発を任されるほど信頼されている。しかし、本人は自分がこれからどう生きていくのか、何をやりたいのかわからずにいる。

そんな大河にとって夢に向かって一直線のリンはまぶしく映ったようだ。そしてリンも優しく人当たりの良い大河が気になる様子。しかし、リンには韓国人男性の友人カン・ジュンホ(ムン・ジフ)がいる。彼女はただの友人と思っているのだが、ジュンホの方はそうではないようで……。

全体的にハートフルな空気に包まれた本作は、心地よいカメラワークと、登場人物たちの優しさで癒される内容だ。大河とリンをつなぐものは、“食”。大河がリンのために作った料理が韓国のキンパに似ていることから、彼は季節のメニューにキンパを取り入れようとする。そして、味見役をリンにお願いしたことで、2人の距離は縮まっていく。

『田の実』の雰囲気はアットホームで、歴史を感じさせる。人のぬくもりと職人のこだわりを同時に感じさせる店構えだ。そんな場所で若い二人が恋に落ちていく、そのギャップも魅力の一つ。また、作中に美味しそうな料理がたくさん登場する点も見どころとなっている。

赤楚衛二とカン・ヘウォンの透明感

主演の赤楚衛二はこれからの生き方に悩む心優しい青年を自然体で演じており、好感度の高いパフォーマンスを披露している。偶然にもリンが投げた紙つぶてが当たってしまっても怒らず、人の話を聞いてくれる優しい性格だ。リンを演じるカン・ヘウォンは、日韓合同グループのIZ*ONEに所属していただけあって、日本語のセリフも違和感なくこなしている。日本のテレビドラマへの出演は今回が初めてだが、堂々とメインキャラクターを演じきっている。

undefined
(C)「キンパとおにぎり」製作委員会

そんな2人のコンビは視聴者にとって癒しになっているようだ。また、湧き出る透明感と清涼感に魅了されている視聴者もいるようだ。

そんな主演2人の脇を固める役者陣の中で、ひときわいい味を出しているのが、『田の実』の店長の田口茂雄を演じる吹越満だ。小料理屋の店長が自然に板についていて、悩める若者をそっと支えているような、そんな雰囲気の年長者を飄々と演じている。「こんな人がやっているお店なら行ってみたい」と思わせる雰囲気に満ちており、本作の魅力を下支えする存在となっている。

ところで、本作のタイトルにもなっている“キンパ”とは、韓国の海苔巻きのような食べ物のことで韓国では一般的な食べ物だそう。タイトルではおにぎりと並べられているが、韓国では国民食のようなものらしい。おにぎりもまた、日本人にとってのソウルフードだが、そんな両国の代表的な食べ物を冠した本作は、食べ物のクローズアップも多く、撮影の仕方も上手い。うっかり視聴すると、お腹が空いて何か食べたくなってしまうので注意が必要かもしれない。

また、サブタイトルの「似ていてちがう」という言葉は、日本と韓国の文化の共通点や差異、考え方の違いなどが、今後の物語に影響してくることを示唆しているのかもしれない。異なる文化背景を持つ2人の恋愛がどう展開していくのか、今後の放送にも注目だ。


テレビ東京系 ドラマプレミア23『キンパとおにぎり〜恋するふたりは似ていてちがう〜』毎週月曜よる11時6分
動画配信サービス「Netflix」にて世界独占見放題配信

ライター:杉本穂高
映画ライター。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。X(旧Twitter):@Hotakasugi