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  2. 9年ぶり“フジ連ドラ主演”、初回放送で“2026年版ダークヒーロー”的な存在感を確立…!「やっぱり良い」SNSで話題に

9年ぶり“フジ連ドラ主演”、初回放送で“2026年版ダークヒーロー”的な存在感を確立…!「やっぱり良い」SNSで話題に

  • 2026.1.20

保険金が絡む事件の裏には、必ず“人間の欲望”があるもの。誰かが何かを手にするために、誰かが何かを失う。2026年1月期のフジテレビ木曜ドラマ『プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮』は、そんな駆け引きの裏側に潜り込んでいく物語だ。常識もコンプライアンスもかなぐり捨て、依頼人のため“真実”を追い求める保険調査員・天音蓮を演じるのは、フジテレビドラマ主演として9年ぶりとなる玉木宏。詐欺や偽装、誤解が渦巻く人間の“影”を暴き出していく姿は、すでにSNS上でも話題である。

※以下本文には放送内容が含まれます。

見逃し厳禁、“保険金詐欺”の深淵

このドラマが主に扱うのは保険であり、それにまつわる詐欺事件の解決である。一見すると、ありふれた地味なテーマかもしれない。保険とはつまり、事故や病気、思わぬ災害、そして死を想定してあらかじめ堤防をつくっておくようなシステムだ。常にその影にあるのは、人間の不安や不幸、そして欲望である。

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玉木宏(C)SANKEI

だからこそ詐欺の温床になってしまうし、それを暴く調査員たちは、有り体に言ってしまえば正義のヒーローのような頼り甲斐を誇るのだ。

本作は初回から、1億円もの保険金を巡った事件を扱う。不可解な事件に対しても、天音たちが所属する深山リサーチの調査員たちは、鋭い視線を向ける。加害者・被害者をめぐる保険内容や家族構成、そして周囲の人間関係……そういった断片が少しずつつながっていく様は、ミステリードラマとしても巧みだ。

2026年版のダークヒーロー

このドラマの最大のポイントは、玉木宏のキャスティングに集約されるだろう。どこか飄々としていて、いつもどこか斜に構えている。それでいて、核心を突く瞬間には冷たく鋭いナイフのような鋭角さを有する。

SNS上でも「やっぱり良い」と話題の玉木演じる天音蓮は、いわゆる“ヒーロー”の定型からは外れているかもしれない。善悪の境界を飛び越え、真相にのみ興味があるような人物。容易には情に流されず、目的を達するためならアシスタントを人とも思わずこき使う。
そんな天音の行動原理には、少なからず彼自身の過去も関係しているのだろう。どんな経験を経て、彼はいまのような人物になったのか。「料理シーンあるの最高」と話題になっているように、料理上手な一面もある天音は、すでに“2026年版のダークヒーロー”的な存在感がある。

保険をめぐる悲劇と優しさ

さらに注目したいのは、本作が単なる痛快ミステリーに終わらず、“制度としての保険”を通じて現代社会の縮図を描こうとしている点だ。

保険とは元来、明け透けに言ってしまえば“人の不幸を前提とする制度”である。人間の弱さと欲望を取り扱うシステムとでも言うべきか、そこに介在する“不正”は、現代に生きる私たちにとっても決して他人事ではない。

本作では、誘拐保険なるものを始め、少々風変わりな保険が登場する。日常生活において、何が価値とされ、何が守られるべきものとなるのか。そう静かに問いかけてくるような設定が散りばめられている。

ときに保険は、人を救い、狂わせる。そして、制度があるからこそ“偽りの悲劇”も生まれてしまうものだ。天音たちは、ただ詐欺を暴くだけでなく、制度の裏で泣く人々の心にも手を差し伸べる。それがこのドラマが示す一つの“優しさ”であり、視聴後にじんわり残る余韻を生んでいる。


ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X:@yuu_uu_