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『インフルエンザ』と『風邪』 症状の違いをチェック!【医師の解説】

  • 2025.11.27
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

既に感染者が多くでている「インフルエンザ」。この季節になると、咳や鼻水、熱などの症状で「風邪かな?それともインフルエンザ?」と迷うことがありませんか?見た目は似ていることも多いこの2つの病気ですが、実は症状や経過に違いがあるため、正しく知っておくことは大切です。

今回は医師の解説を参考にしながら、インフルエンザと風邪の症状の違いをわかりやすくご紹介します。

インフルエンザと風邪、症状の特徴を比べてみよう!

まずは基本的な違いから押さえてみましょう。風邪は主にのどの痛みや鼻水、咳が主体で比較的ゆるやかな症状が多いのに対し、インフルエンザは急な高熱やだるさ、関節痛など全身症状がはっきりと現れるケースが多いとされています。

  • 症状のスピード:風邪は徐々に症状が出ることが多いですが、インフルエンザは突然症状が現れ、短時間で高熱が出る傾向があります。

  • 熱の高さと持続時間:風邪の熱は一般的に37.5℃前後の微熱で、数日続くことが多いですが、インフルエンザでは38℃〜40℃の高熱が3〜4日続くことがあります。

  • 全身症状の有無:インフルエンザは強い倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛など全身症状が顕著です。一方、風邪はこれらの症状が軽いかほとんどない場合も多いです。

  • 鼻水やくしゃみ:風邪の特徴的な症状で、インフルエンザでは比較的少ない傾向があります。

こういった違いはあくまで一般的な傾向ですが、症状が重く急な発熱があった場合にはインフルエンザの可能性が高まるとされています。

風邪もインフルエンザもウイルスによる感染症ですが、原因となるウイルスは異なります。風邪はライノウイルスやアデノウイルスなど多くの種類が原因となり、比較的軽い症状で済むことが多いのが特徴です。一方インフルエンザはインフルエンザウイルスによるもので、人体に強い影響を及ぼす場合があります。

また、インフルエンザは特に高齢者や小さな子供、基礎疾患のある方などが重症化しやすいと指摘されています。風邪と比べて感染力が強く、周囲への広がりも注意が必要です。

ただし、症状の現れ方には個人差があるため、見ただけで判断せず、気になる場合は医療機関で検査を受けることもひとつの方法です。特に高熱が続いたり、息苦しさや強い倦怠感など普段と違う体調不良があった場合は医師に相談することが推奨されるという見解があります。

賢く見分け、日々の体調管理に役立てたいポイント

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

インフルエンザと風邪を見分ける手がかりとしては、発熱の仕方や全身症状の強さが参考になりますが、確実に区別するには検査が必要なことも忘れてはいけません。医療機関によっては、発熱の症状がある場合はいつもの受診方法と異なる場合があるため、事前に確認するとよいでしょう。

また、どちらも体の免疫がウイルスと戦っている状態であることには変わりありません。風邪の場合も、合併症などの危険もあるため油断しないことが大切です。

体調に変化を感じた時は無理をせず、十分な休養を取ることが必要になります。また、風邪もインフルエンザも水分補給をしっかりすることが重要です。ときには経口補水液なども活用し、脱水状態を防ぐようにしましょう。

気になる症状がある場合は医療機関を受診しよう

急に熱が高くなり全身のだるさや関節の痛みを感じた場合はインフルエンザの可能性が考えられ、比較的軽い鼻水や喉の痛み中心でじわじわ症状が出るときは風邪の可能性が高いとされています。

体調に変化を感じたら無理をせず休養を取り、必要に応じて医療機関を受診しましょう。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。