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医師「体からのサインかも」 突然訪れる『動悸』→受診の目安を医師が解説

  • 2025.11.21
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

突然、胸がドキドキしたり、心臓がバクバクして不安になると誰でも驚くものです。こうした「動悸」は、よくある症状のひとつですが、放っておいてよいのかどうか迷うこともありますよね。実は動悸は、単にストレスや疲れから起こることもあれば、時には体の不調や病気のサインである可能性もあるため注意が必要とされています。

この記事では、動悸が現れる仕組みや背景、さらにどんなときに医師の診察を考えたほうがよいかといったポイントをわかりやすく解説します。

動悸が起こる原因とは?

動悸とは、自分の心拍を強く意識する感覚を指します。通常は一時的で無害な場合が多いですが、心臓や他の疾患のサインとして現れることもあり、注意が必要です。動悸が起こる主な原因にはどんなものがあるのでしょうか。

循環器疾患

動悸は心臓の病気によっても起こります。代表的なものに心房細動があります。これは心房のリズムが乱れ、心拍が不規則になる状態です。逆に徐脈では心拍数が低すぎるため、必要な血液が全身に届かず動悸として感じることがあります。狭心症や心筋梗塞は、心臓への血流が不足することで胸部に不快感が生じ、動悸を引き起こす場合があります。さらに心不全では、心臓が血液を効率よく送り出せないため、心臓に過剰な負荷がかかり、動悸が生じることがあります。

循環器疾患以外

心臓の病気以外でも動悸は起こります。ストレスや不安は自律神経を刺激し、心拍数を上げる原因になります。また、カフェイン、アルコール、ニコチンなどの刺激物も心臓を活発にし、拍動を感じやすくします。さらに、薬の副作用によって心拍数が増える場合や、甲状腺機能亢進症のようにホルモンが過剰に分泌されることで動悸が起きることもあります。

こんな動悸には注意が必要

動悸の症状は多様で、心拍が速い・遅い・不規則のいずれか、または両方を伴うことがあります。感じ方は人によって異なり、「ドキドキ」「バクバク」「ドクン」などさまざまです。

そして動悸の症状には以下のようなものがあります。

  • 脈が飛ぶ、一瞬鼓動が乱れる、胸が詰まる
    心房性期外収縮や心室性期外収縮が原因で起こることがあります。多くは無害ですが、頻発したり、他の症状を伴う場合は医療機関の受診が必要です。

  • ドキドキを強く感じる、鼓動が耳につく
    ストレス、運動、カフェイン摂取などによる心拍数増加が原因です。静かに座っていても長時間続く場合は、心疾患の可能性もあります。

  • 心拍が速い・鼓動が激しくなる
    一時的な刺激による場合もありますが、続く場合は心不全・不整脈・甲状腺異常などの場合も。ただし、エナジードリンク摂取後の一時的な同期は通常問題はありません。安静時に突然起こる場合は医療機関への受診を検討してみましょう。

動悸の予防で心かげたいこと

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

動悸が続く場合や、息切れ・胸痛・めまいなどを伴う場合は、内科または循環器科を受診してください。軽症の一過性の動悸でも、持続する場合は早めの診察が安心につながります。

そして普段から以下のような内容に心がけて生活すると良いでしょう。

  • バランスの良い食事を心がける
  • 適度な運動で体力を維持する
  • 十分な睡眠をとる
  • ストレス管理を意識する
  • カフェインやアルコールは控えめに

動悸は軽く考えず、続くようならきちんと受診を

動悸は心臓の拍動を強く意識する状態で、原因は一時的なストレスや運動から、心臓やホルモンの疾患までさまざまです。大切なのは、持続時間・強さ・頻度・同時に現れる症状を確認することです。

日常生活では、ストレス管理、適度な運動、健康的な食事、十分な睡眠が予防と対処に役立ちます。また、動悸や息切れが続く場合、急に強くなる動悸や胸痛・めまい・意識消失を伴う場合は、迷わず医療機関を受診することが安心につながるでしょう。まずは体の状態をきちんとチェックしてみてくださいね。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。