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その『乾燥』季節のせいだけではないかも…医師が教える『更年期』と肌トラブルの意外な関係性とは

  • 2025.11.14

 

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

肌のカサつきやかゆみ、乾燥によるごわつきなど、「この季節だから仕方ない」と思っていませんか?確かに秋冬は空気が乾燥して肌も影響を受けますが、それだけが原因とは限らないんです。特に40代以降の女性なら、肌トラブルの裏に“更年期”が関わっている可能性があります。今回は医師の見解をもとに、更年期と肌の状態にまつわる意外な関係性をご紹介します。

更年期のホルモン変化が肌に与える影響とは?

更年期とは、女性の体内で女性ホルモンの分泌が減少し始める時期。一般的には45歳から55歳ごろにあたりますが、個人差も大きいです。この女性ホルモンの中でも、特にエストロゲンと呼ばれるホルモンは肌の健康に深く関わっていると考えられています。

エストロゲンは肌の水分保持を助けたり、コラーゲンの生成を促して肌のハリを保つ役割があります。ですが更年期になるとエストロゲンの分泌量が減るため、肌の潤いや弾力が失われがちに。このため肌のバリア機能が低下して乾燥やかゆみなどのトラブルが増えるとされています。

つまり、「季節の乾燥」だけでなく「ホルモンバランスの変化」も関係していることが肌トラブルの原因に含まれている可能性があるのです。具体的には、下記のようなトラブルを感じやすくなります。

  • 乾燥が激しくなり、いつもより敏感になる
  • 肌のくすみやシミ、しわが目立つように感じる
  • かゆみや赤みが出やすくなった
  • 冬だけでなく1年を通して肌の調子が不安定になる

さらに、生活習慣の乱れやストレスが更年期の肌トラブルを悪化させる可能性も指摘されています。睡眠不足や食事の偏り、運動不足なども肌の健康に影響を及ぼすため、ホルモンバランスの乱れと合わせてケアが必要かもしれません。

肌ケアのヒントと日常で気をつけたいポイント

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

更年期の肌トラブルが気になるとき、どんな対策が考えられるでしょうか?まずは刺激の強いスキンケアアイテムを避ける、肌に優しい保湿を心がけることが基本です。セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が配合されたアイテムを選ぶ人が多いですが、肌の状態に合わせて選ぶことが重要です。

また、生活の中で心掛けたいポイントとしては...

  • 規則正しい睡眠をとり、肌のターンオーバーを助ける
  • バランスの良い食事で肌の元となる栄養を補う
  • ストレスを溜め込みすぎない工夫をする
  • 適度な運動で血行を促進し、栄養や酸素を肌に届ける

こうした日常の工夫が、季節の乾燥対策にプラスし、更年期特有の肌の変化とも上手に付き合う助けになるでしょう。

<医師からのコメント>更年期は内科や婦人科でも相談でき、エストロゲンを少し補うことで症状を緩和します。悩む前にぜひご相談ください。

体の変化やサインを見逃さないようにしよう。

更年期と肌トラブルは誰にでも起こりうる自然な体の変化のひとつです。乾燥やハリの低下に困りながらも、それらを過度に恐れたり避けようとするのではなく、できるところから対策をしていきましょう。

そのためにはスキンケアだけでなく、生活習慣や食習慣を見直すことも大切です。今日からできることを1つずつ積み重ねていきましょう。


監修者:PRIDE CLINIC 院長 久野 賀子(https://pride-clinic.com/

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2017年東京医科歯科大学医学部医学科 卒業
日大板橋病院にて初期研修終了後、湘南美容クリニックに入職し、5年半勤務。
新宿本院皮膚科医局長として通常の勤務だけでなく、新人医師の指導、VIP対応、トラブル対応に従事。
2024年11月新宿二丁目にPRIDE CLINICオープン。