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保護者「娘が仲間外れにされた」先生「確認します」→翌日、事の真相を伝えると…「本当にごめんなさい」

  • 2025.11.30
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出典:photoAC(写真はイメージです)

こんにちは。元小学校教員で、現在はWebライターをしているみずいろ文具です。

教員をしていた頃、保護者の方からのお電話は、いつも少し緊張するものでした。

なかでも開口一番きつい口調でお話が始まると、こちらも「何かしてしまったかな」と身構えてしまうものです。

今回は、私が経験した「責めるような口調から始まった電話から、思いがけず保護者に謝られた話」をご紹介します。

「先生、ちゃんと見てほしい」放課後の一本の電話

教員になったばかりの頃、2年生を担任していた時の話です。

放課後、職員室で事務作業をしていると、電話が鳴りました。
相手は、クラスのCさんのお母さまでした。少し硬い口調で、こうおっしゃいました。

「休み時間、Aちゃんに縄跳びに入れてもらえなかったそうです。娘は悲しかったと泣いています。Aちゃんって意地悪な子なんですか?先生はその時いなかったと言っているんですが。娘のことをちゃんと見て欲しいんです

電話の向こうの声には親として娘さんを想う切実な気持ちがにじんでいました。

実はその時私は、けがをした別の子の対応で保健室にいたため、状況を見ていませんでした。

「明日、子どもたちに事情を聞いてみます」とお伝えし、翌日、子どもたちに話を聞くことにしました。

子どもたちの話から見えてきた、もうひとつの事実

翌朝、CさんとAさん、それぞれに丁寧に話を聞きました。

電話で聞いたのは「Cさんが一方的にAさんに仲間外れにされた」という話だったはずが、違う事実が見えてきました。

CさんがAちゃんの持ち物を「流行遅れだし、かわいくないよね」と言ってしまったことがきっかけで、嫌な思いをしたAちゃんがそのあと縄跳びに誘わなかった、という流れだったのです。

つまり、どちらか一方が悪いというわけではなかったのです。

小学生の世界では、何気ない言葉がすれ違いを生むことがあります。

二人はお互いのしたことを素直に謝り、いつもの笑顔に戻りました。

「先生、自分が恥ずかしいです」——電話口での言葉

放課後、Cさんのお母さまにその経緯を伝えると、電話の向こうでしばらく沈黙しているようでした。

「ああ。また何か言われるだろうな」そう身構えていた時、静かな声でこうおっしゃいました。

「私、カッとなって一方的に先生を責めるようなことを言ってしまいました。自分の娘だってAちゃんに嫌なことを言ってしまったのに…Aちゃんのことまで悪く言って…。親として恥ずかしいです。本当にごめんなさい

その言葉に、胸が熱くなりました。

学校現場では、クレームを入れたことが誤解だったと分かっても、謝罪までいただけるケースはそう多くありません。

Cさんのお母さまは、事実を受け止めてくださる誠実な方でした。

電話をする前は正直気持ちが重かったのですが、「分かってもらえた」「素敵な親御さんでよかった」と心から思いました。

信頼関係が、子どもを育てる力になる

親は、自分の子どもの言葉をいちばんに信じたいもの。それは自然なことです。

けれど、子どもは、大好きな親をがっかりさせたくないために、うそをついたり自分に都合のいいように話を変えたりすることを、無意識にしてしまうことがあります。

だからこそ、子どもの話を聞く際は、そんな可能性もあることを頭に入れて冷静に対応することが大切です。

学校と保護者は、ともに子どもを育てるパートナーです。

お互いを信頼し、冷静に向き合うことで、子どもたちはより良い方向へ成長していきます。

あの時、自分の娘のしたことを冷静に受け止め、私に謝罪してくださったCさんのお母さまの姿勢は、「担任として子どもたちとも保護者とも誠実に向き合おう」という気持ちを改めてもたせてくれました。

子どものために、大人同士も尊敬し、信じ合える。

そんな関係が増えていくことを、今も心から願っています。



ライター:みずいろ文具
関東の公立小学校で15年間、子どもたちと向き合ってきました。教室での日々を通して感じた喜びや戸惑い、子どもたちから教わったことを、今は言葉にしています。教育現場のリアルや、子どもたちの小さな成長の瞬間を、やさしい視点でお届けします。