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中古住宅を購入も「まさか100万円の損害に…」入居3週間、最初の5万円をケチった40代夫婦の末路【一級建築士は見た】

  • 2025.11.30
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

中古住宅の購入は、新築より手が届きやすく、立地や広さの選択肢も多い——そう思ってFさん(40代・夫婦+子ども2人)は築10年の一戸建てを購入しました。

広告には「リフォーム済み」「即入居可」の文字。不動産会社からも「このまま住めますよ」と言われ、内装も綺麗に張り替えられたばかりでした。

予算を少しでも抑えたい思いから、提案された“インスペクション(建物状況調査)”も断りました。

「築浅だし、見た目も綺麗。そこまで必要ないと思っていました」

しかしその判断が、数ヶ月後に大きな後悔へとつながることになります。

「天井にシミ?」最初の違和感は、入居からわずか3週間後だった

新居に引っ越して3週間。Fさんはリビングの天井に、うっすらと黄ばみのような跡を見つけました。

「最初は“クロスの貼りムラかな”くらいにしか思いませんでした」

ところが梅雨入り後、雨が降った夜にそのシミが一気に濃くなり——
ポタッ、ポタッ……と天井から水滴が落ち始めたのです。

慌ててバケツを置いたFさんは、翌朝すぐに業者を手配。すると、屋根裏の断熱材は濡れ、木材にも黒い跡が。

「これ、完全に雨漏りしていますね」

その一言で、Fさんの顔は青ざめました。

原因は“見えない部分の劣化”、リフォームは“内装だけ”

専門業者による調査の結果、屋根材の一部が経年劣化で割れ、台風の強風で雨水が吹き込んでいたことが判明しました。

Fさんが購入した家は「リフォーム済み」でしたが、その内容はあくまで内装だけ。

キッチン・クロス・床材は新しくなっている一方、屋根や外壁など“本来チェックすべき部分”は何も手が入っていなかったのです。

「見た目が綺麗だから安心」

そう思ったFさんの判断は、典型的な中古住宅の落とし穴でした。

インスペクションを省いた代償——屋根補修費は100万円に

補修見積もりは、想像を超えるものになりました。

  • 屋根材の交換
  • 野地板の一部補修
  • 屋根裏の断熱材交換
  • 天井クロスの張り替え

総額は約100万円。

「まさかこんなに高いなんて……。最初の5万円の調査をケチったばかりに……」

さらにショックだったのは、売主からの補償が一切なかったこと。
契約時の「免責特約」が適用され、売主の瑕疵責任がなかったためです。

売主が個人の場合に多い契約ですが、Fさんはその意味を理解していませんでした。

一級建築士が見た“見えない劣化”の怖さ

中古住宅の雨漏りは、決して珍しい話ではありません。

屋根材の割れ、棟板金の浮き、雨樋の破損、コーキングの劣化——
どれも素人が外観だけ見ても気づきにくい箇所ばかりです。

また、雨漏りは“家の寿命を大きく縮める”ため、最も高額な修繕につながるトラブルでもあります。

本来、インスペクションでは以下のような点を細かく確認します。

  • 屋根材の劣化・浮き
  • 雨漏り跡(屋根裏・押入天井)
  • 外壁のクラック
  • 給排水管の腐食
  • 基礎のひび割れ

つまり、Fさんの雨漏りは“調べれば事前に分かった可能性が高い”のです。

中古住宅で起きるトラブルの多くが、「事前調査を省いたこと」が原因です。

インスペクションは“コスト削減のためこそ必要”

建物状況調査の費用は約5万〜10万円。
一見高く感じますが、雨漏り補修の100万円超と比べれば微々たるものです。

「インスペクションは予算がある人がやるもの」ではありません。
むしろ予算を守りたい人こそ、最初に払っておくべき“リスク対策費”です。

専門家が調べることで、

  • 住んでからの修繕リスクを減らせる
  • 価格交渉の材料になる
  • 契約後のトラブルを防げる

といったメリットがあります。

「中古住宅は、見た目では分からない」

記事の最後に、Fさんの言葉を紹介します。

「内装が綺麗で即入居できるし、築年数も浅い。それだけで判断してしまったのが本当に後悔です。中古住宅は、外から見えない部分こそ劣化している可能性があると痛感しました。これから買う人には“インスペクションは絶対にやってください”と伝えたいです」

中古住宅は大きな魅力がある一方、“調べないと見えないリスク”を抱えています。

だからこそ——

購入前の数万円が、未来の資産を守ります。

中古住宅を検討する読者の方は、ぜひ覚えておいてください。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者) 地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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