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「高級車だけがターゲットではない…」元警察官が警告、車上荒らしに“狙われるクルマ”の意外な共通点

  • 2026.2.15
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

「車上荒らし」は、誰にとっても他人事ではない身近な犯罪です。しかし、実際には“狙われやすい車”と“狙われにくい車”が明確に存在するそうです。

「短時間だから大丈夫」「自宅の前だから安心」

そんな油断が、犯人にとっては格好のチャンスになっているかもしれません。

今回は、元警察官で防犯アドバイザーとして活動するりょうせいさん(@ryosei_bouhan)に、車上荒らしの実態と、今日からできる対策法まで詳しく教えてもらいました。

犯人が「選んでいる車」には明確な共通点がある

──車上荒らしに遭いやすい車には、どんな特徴があるのでしょうか?

りょうせいさん:

「車上荒らしは『どの車でも起こり得る』犯罪ですが、実際の現場では、犯人が明確に“選んでいる車”が存在します。

まず狙われやすいのは、車内に荷物が見える車です。バッグ、買い物袋、紙袋、パソコンケース、少しの小銭、子供のゲーム機など、『何か入っていそう』に見えるものは、犯人にとって十分な動機になります。

中身が空であっても、外見だけで判断されるため、置いておくだけで狙われる確率が跳ね上がります。

次に、駐車場所も大きなポイントです。

商業施設の立体駐車場や見通しの悪いエリア、家の前でも死角が多い場所、街灯が弱い路地、深夜帯の月極駐車場などは、犯人から見れば“人に見られにくい場所”として格好のターゲットになります。

実際、元警官として対応した事件でも、撮影されにくい位置やカメラの死角が狙われていました。

車種について言えば、高級車だけが狙われるわけではありません。窓ガラスを割るだけで侵入できる車、荷物が見えやすい車、大きめの荷物を置いているファミリーカーなど、“リスクが低く、利益がありそう”と判断された車が対象になります。

犯人が最も重視しているのは『短時間で終わるか』『人に見られにくいか』『中に何かありそうか』です。

つまり、車上荒らしは“偶然”ではなく、“選ばれて起きる”犯罪なのです。」

「短時間だから」「家の前だから」という油断が一番危ない

──「ちょっとコンビニに寄るだけ」「自宅の前だから安心」という場面でも、車上荒らしは起こるのでしょうか?

りょうせいさん:

「車上荒らしは、『短時間』や『自宅の前』のような油断しやすい状況でも起こります。これは、犯人の行動パターンと心理を理解すると理由が見えてきます。

まず、車上荒らしは非常に短時間で成立する犯罪です。

窓ガラスを割る、ドアの隙間をこじ開ける、目についた荷物だけ奪って逃げる。これらの行為は数十秒で済んでしまいます。

犯人にとっては“滞在時間が短い=捕まるリスクが低い”ため、停車時間の長さはあまり関係ありません。実際、交番勤務中の対応でも『数分の買い物の間に被害に遭った』というケースは多く、短時間は十分に狙われます。

次に『家の前だから安心』という心理ですが、これは犯人視点では“油断が生まれやすい場所”でしかありません。

家の前だからこそ、車内に荷物を置いたままにする、施錠を忘れる、照明が当たらず死角ができるなど、隙が生まれやすいのです。

家の前での発生が特別に多いわけではありませんが、“家の前でも起きる”のは、防犯意識が下がりやすい場所だからです。

また犯人は、同じエリアを何度も下見した上で“習慣”を見抜きます。

『毎回ここに停めている』『荷物を置きっぱなし』『短時間で戻る』などが分かると、ターゲットになりやすくなります。

駐車場所より、“油断の発生しやすさ”と“リスクの低さ”が判断基準なのです。

つまり、短時間でも、自宅前でも、『隙がある』と判断された瞬間に狙われる可能性が生まれます。」

今日からできる!元警官が教える「狙わせない」ための確実な対策

──では、車上荒らしを防ぐために、私たちが今日からできる対策を教えてください。

りょうせいさん:

「車上荒らしは『狙われたら終わり』ではなく、『狙わせない工夫』で大幅にリスクを下げることができます。元警官として現場を見てきた立場から、今日からできる対策をお伝えします。

まず、最も重要なのは 車内に“何も置かない”こと です。

バッグや紙袋はもちろん、上着、買い物袋、空の段ボールでも『何か入っているかもしれない』と思われるだけでターゲットになります。犯人は中身を確認しません。見えた瞬間に“価値がある可能性”で判断します。車内を空にすることが、最も効果の高い対策です。

次に、必ず施錠すること。

当たり前ですが、警察実務では『鍵を閉め忘れた被害』は珍しくありません。短時間でも毎回必ず施錠する習慣が大切です。

そして、停める場所も防犯性に直結します。人通りが多い場所、街灯の下、防犯カメラのある位置など、“見られやすい場所”を意識して選ぶことが効果的です。

一方、やってはいけない行動もあります。

  • 『少しだから』と荷物を置いたまま離れる
  • 自宅前や勤務先の駐車場に油断して対策を怠る
  • 暗い場所に長時間停める
  • スマートキーを車内に置いたままにする

これらは犯人にとって“好都合な状況”です。特にスマートキーの置き忘れは、車上荒らしだけでなく車両盗難にもつながるため絶対に避けるべきです。

盗難防止フィルムやハンドルロックなどの物理対策も一定の効果がありますが、最優先は『車内を空にする』『見られる場所に停める』『施錠を徹底する』というシンプルな基本対策です。

防犯は“習慣”で決まります。特別な装備より、日常の小さな積み重ねのほうが、車上荒らしの予防には大きな効果があります。」

「習慣」が最大の防犯、明日から始められる小さな積み重ね

車上荒らしは、決して「運が悪かった」だけで起きる犯罪ではありません。犯人は冷静に狙いやすい車を選び、短時間で確実に実行します。

だからこそ、「車内に何も置かない」「必ず施錠する」「見られやすい場所に停める」という、誰にでもできるシンプルな習慣が、最も強力な防犯対策になります。

特別な装備や高額な対策も大切ですが、こうした日々の小さな意識を持つことを大切にしていきましょう。


監修者:りょうせい(りょうせい 元生活安全課

元警察官(警察歴10年)。生活安全課で行方不明やDVなどの人身事案を担当し、防犯の広報や啓発活動にも携わる。
現在は防犯アドバイザーとして活動し、Xや音声配信(StandFM)を通じて、日常生活に取り入れやすい防犯の工夫を発信している。