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「角部屋タワマン」なのにカーテンは閉めたまま…? 不動産のプロが警告、「南向き」にありがちな“落とし穴”

  • 2026.2.15
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産業界歴15年、現在は不動産ライターとして活動している西山です。

住まい探しの際、日当たりの良さを求めて「南向き」を条件に挙げる方は多いのではないでしょうか。日本では古くから、冬の貴重な日照時間を確保できる南向きが好まれ、資産価値の面でも有利になるケースが一般的です。

しかし、眺望を重視したタワーマンションの「角部屋」などにおいては、南向きがかえって仇となり、快適な生活を損なうことがあるのです。今回は、建物の構造と方角の相性について、プロの視点で解説します。

「庇(ひさし)」がない南向きは要注意?タワマン特有の“灼熱地獄”

「南向きは日当たりが良いぶん、夏は暑いのでは?」と心配される方もいますが、多くのマンションではそこまで問題にはなりません。

なぜなら一般的なマンションでは、上階のバルコニーが「庇(ひさし)」の役割を果たしているからです。この庇が、夏場の高い位置にある太陽光をブロックする一方、高度が低い冬場の日差しは遮られることなく、部屋の奥まで届くのです。

ところが、タワーマンションで人気の「ダイレクトウィンドウ(足元から天井までのガラス張り)」には庇がありません。遮るものがない状態で直射日光を受け続けると、窓際を中心に室温が上昇します。

最新の遮熱ガラスでも直射日光の熱エネルギーは完全には防げず、冷房効率は著しく低下します。せっかくの眺望を楽しもうにも、夏場は室温が上がりやすく、一日中遮光カーテンを閉めたまま過ごすことになりかねない、というケースも少なくありません。

景色が綺麗で涼しい?「ダイレクトウィンドウ×北向き」の合理的メリット

ダイレクトウィンドウの部屋を選ぶなら、実は「北向き」こそが合理的といえるかもしれません。一般的に「北向きは暗い」と敬遠されがちですが、周囲に遮るものがない高層階であれば、空からの反射光(天空光)によって一日中安定した柔らかな明るさが確保できます。

直射日光が入らないため、夏場でも室温が上がりにくく、カーテンを開け放して景色を楽しむことが可能です。さらに見逃せないのが「眺望の質」です。南向きの部屋から外を見ると、太陽に向かう「逆光」になるため、景色がシルエットのように黒く潰れて見えがちです。

これに対して北向きは、太陽を背にする「順光」となるため、ビル群や空の青さが鮮やかに浮かび上がります。特に夜景の美しさは格別で、非常にクリアな景色を堪能できるでしょう。

構造と方角の「相性」を知って賢い選択を

「南向きがベスト」というのは、あくまで「バルコニー(庇)がある場合」に最も活きる定説です。一方で、デザイン性や眺望を重視したダイレクトウィンドウの物件では、北向きが持つ「安定した採光」や「美しい眺望」といったメリットが輝くケースも多々あります。

単純に方角だけで良し悪しを決めるのではなく、建物の構造との「相性」を見極めることが重要です。「ガラス張りなら、北向きもアリかもしれない」。そんな柔軟な視点を持つことが、イメージに流されず、自分にとって本当に快適な住まいを見つける近道になるはずです。



筆者:西山雄介(宅地建物取引士・マンション管理士などの資格所有)
不動産業界歴15年。新卒で東証プライム上場のマンションデベロッパーに入社後、計2社で新築・中古販売および管理業務に従事。実務現場を経て管理職も歴任し、組織運営にも携わる。現在はその多角的な視点を活かし、実務解説から不動産投資、法律事務所案件まで、専門性の高いコンテンツ制作・ディレクションを行っている。


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