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ランクル250なら「17万円」がタダに…?クルマのプロが警告、 2026年春に新車購入で“やってはいけない”こと

  • 2026.2.15
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

皆さんは、自動車購入時にかかる「環境性能割」という税金をご存じでしょうか。実は2026年3月末に、この税金が廃止されることが決定されました。注目すべきは、たった1日の登録日の違いで、支払総額に数万円から十数万円もの差が生じる可能性がある点です。

制度の変わり目である今、損をしないために知っておきたい「3月登録」と「4月登録」の分岐点について解説します。

「環境性能割」廃止の動き

2026年の春は、自動車ユーザーにとって大きな節目の季節となりそうです。これまで新車や中古車を購入する際に支払っていた「環境性能割」が、2026年3月31日をもって廃止される方向で調整が進んでいるからです。

ニュースなどで減税や廃止という言葉を聞くと、なんとなく安くなるならラッキーと感じる程度かもしれません。しかし、今回の変更は単なる制度の終了ではありません。実は、新車を購入するタイミング、より正確には「登録する日」が1日ズレるだけで、支払総額が大きく変わってしまう可能性があるのです。

春からの新生活に向けて車の購入を検討している方も多いでしょう。もし、納車の時期が3月末か4月頭かで揺れ動いているのなら、この制度を正しく理解しておく必要があります。知らずに3月中に納車を急いでしまった結果、本来なら払わなくて済んだはずの十数万円を失ってしまうかもしれません。そうならないために、まずは制度の仕組みと、運命の分かれ道となる「登録日」について見ていきましょう。

「3月登録」と「4月登録」の分岐点

そもそも環境性能割とは、車の燃費性能に応じて、取得価額の0%から3%が課税される仕組みのことです。燃費の良い車ほど税率が低くなるシステムですが、それでも多くのガソリン車やディーゼル車では、購入時に数万円単位の税金がかかっていました。

この制度が、2026年4月1日以降の登録車から原則として廃止、つまり税率が0%になる見通しです。ここで重要になるのが、「いつ買ったか(契約日)」ではなく、「いつナンバーが付いたか(登録日)」が基準になるという点です。

たとえば、3月中旬にディーラーで契約書にハンコを押したとしましょう。もし、ディーラーが頑張って手続きを進め、3月31日までに運輸支局等でナンバー登録を完了させたとします。この場合、制度はまだ有効ですので、環境性能割が課税されます。

一方で、手続きが少し遅れて、登録日が4月1日になったとします。すると、制度廃止後の登録となるため、環境性能割は0円になります。つまり、契約した日が同じでも、書類上の登録日が3月か4月かによって、支払う税金が0か100かで変わってくるわけです。

年度末である3月は、自動車業界にとって決算期にあたります。そのため、お店側は「3月中に登録して実績を作りたい」と考えることが一般的です。しかし、購入する側としては、あえて「4月登録」にすることで税金分が浮くのであれば、そこは冷静に判断したいところです。

では、具体的にどれくらいの金額差が生まれるのでしょうか。実際に筆者が購入した車の見積もりを例に見てみましょう。

【シミュレーション】ランドクルーザー250なら約17万円が浮く?

ここでは、タフなスタイリングと実用性の高さで絶大な人気を誇るトヨタの「ランドクルーザー250」を例に挙げてみます。実際に筆者が購入した「VXグレード(ディーゼル)」のケースで確認してみましょう。

見積もりの内容は以下の通りです。

  • 車両本体価格:630万円
  • 付属品(オプション)込み合計:722万5100円

この内容で算出された「環境性能割」の金額は、16万7900円となっていました。

「あれ?722万円の3%なら20万円を超えるのでは?」と思った方もいるかもしれません。実は、環境性能割の計算には少し特殊なルールがあります。単純な購入総額に対する課税ではなく、「取得価額」という独自の基準をもとに計算されるのです。

取得価額は、ベースとなる「課税標準基準額」に、購入時に取り付けた「付加物(オプション)の価格」を足して算出されます。

まず「課税標準基準額」ですが、これは国が定めた一覧表に基づいています。次に「付加物」ですが、これにはカーナビやドライブレコーダーなど、車体に固定されて一体化している装備が含まれます。一方で、フロアマットやシートカバーのように、工具を使わずに簡単に取り外せるものは含まれません。

つまり、ランドクルーザー250の場合、車両本体に応じた基準額と固定オプション代を足した金額に対して税率がかけられ、結果として16万7900円という税額になったわけです。

もし、この車の登録が3月31日までに完了していたら、この約17万円を支払わなければなりません。しかし、登録が1日遅れて4月1日になれば、この16万7900円は0円になります。

約17万円あれば何ができるでしょうか。たとえば、これから迎えるゴールデンウィークの家族旅行を少し豪華なプランにアップグレードできるかもしれません。あるいは、以前から欲しかったキャンプギア一式を揃えたり、愛車にコーティング施工などのオプションを追加したりすることも可能です。

値引き交渉で17万円を引き出すのは、今の新車販売事情を考えると非常にハードルが高いと言わざるをえません。しかし、登録時期を調整するだけで、同等の経済効果が確実に得られるのです。これが、今回の制度変更における最大のポイントといえるでしょう。

もちろん、すべての車でこれほどの差が出るわけではありません。中には、4月を待っても支払額が変わらないケースも存在します。

ぬか喜びに注意:「変わらない人」と「中古車の注意点」

まず、今回の廃止に影響を受けないのが、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)などを購入される方です。これらの車は、現行制度でも環境性能割が非課税(0円)となっていることがほとんどだからです。そのため、3月に登録しても4月に登録しても、税金の支払額に変化はありません。

また、中古車を検討している方も注意が必要です。環境性能割は、取得価額が50万円以下の車にはかからないというルールがあります。そのため、手頃な価格の中古車を購入する場合は、もともと税金がかかっていないため、4月を待つメリットは薄いと言えます。

つまり、今回の廃止で大きな恩恵を受けるのは、主に「一定価格以上のガソリン車・ディーゼル車」を購入する層ということになります。自分が購入しようとしている車がどのケースに当てはまるのか、事前に確認しておくことが大切です。

いずれにしても、2026年の春は、制度を「知っている人」と「知らない人」で、カーライフのスタートにおける満足度が大きく変わるタイミングといえそうです。

これからディーラーへ足を運ぶ方は、ぜひ「登録日」を意識して商談に臨んでみてはいかがでしょうか。賢く制度を利用して、浮いた予算で愛車との思い出を充実させるほうが、豊かなカーライフにつながるのではないでしょうか。



ライター:根岸 昌輝
自動車メーカーおよび自動車サブスク系ITベンチャーで、エンジニアリング、マーケティング、商品導入に携わった経験を持つ。
現在は自動車関連のライターとして活動し、新車、技術解説、モデル比較、業界動向分析など、業界経験に基づいた視点での解説を行っている。


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