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中古で『修復歴なし』を購入も「実は事故車だった…」契約書には“ノークレーム”の記載…返金させるには?弁護士の見解

  • 2025.11.25
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

中古車を購入したものの、後になって「実は事故車だった」と判明したら、あなたはどうしますか?

「修復歴なし」と説明を受けて購入したのに、別の整備工場で点検したら「重大な事故の跡がある」と言われた――こんなトラブルは決して珍しくありません。

修復歴がある車は、安全性や耐久性に問題がある可能性があるため、価格も大幅に下がります。だからこそ、「修復歴なし」と説明されて購入したのに、実際には事故車だったとなれば、買主としては納得できませんよね。

SNS上でも「中古車ディーラーに騙された」「泣き寝入りするしかないの?」といった相談が後を絶ちません。

では、こうした場合、法的に返金や契約解除を求めることはできるのでしょうか?今回は、NTS総合弁護士法人札幌事務所の寺林智栄弁護士に詳しくお話を伺いました。

「修復歴なし」と言われて購入したのに…返金は可能?

---中古車ディーラーで「修復歴なし」と説明されて車を購入したところ、後日、別の整備工場で「重大な事故(修復歴)がある」と発覚した場合、買主は売主(ディーラー)に対し、法的に「返金」や「契約解除」を要求することは可能でしょうか?

寺林弁護士:

結論から言うと、返金や契約解除を要求することは可能です。以下の法的根拠に基づいて主張できます。

1. 告知義務違反による契約解除・損害賠償

中古車販売業者には、車両の重要な瑕疵(とくに骨格部の損傷=修復歴)について説明する「告知義務」があります。

「修復歴なし」として販売されたにもかかわらず、実際には重大な事故歴がある場合、これは契約の瑕疵に該当し、民法第570条(瑕疵担保責任)や第415条(債務不履行)に基づき、契約解除及び損害賠償請求が可能です。

2. 錯誤・詐欺による契約の無効・取消し

修復歴がないことを前提に契約した場合、買主の意思表示に「錯誤」があったとされ、民法第95条に基づく契約の取り消しを主張できます。

また、売主が故意に虚偽説明をした場合は、民法第96条の詐欺による取消しも可能です。

取り消しをすれば契約は当初に遡って成立していなかったことになるので、返金を求めることができます。

契約書に「ノークレーム・ノーリターン」とあっても諦めなくていい!

中古車の売買契約書には、「現状渡し」「ノークレーム・ノーリターン」といった記載があることも少なくありません。こうした特約がある場合、買主は泣き寝入りするしかないのでしょうか?

---契約書に「現状渡し」「ノークレーム・ノーリターン」といった特約が記載されていた場合、買主は泣き寝入りするしかないのでしょうか?それでも「事故車」の隠蔽を理由に争うことは可能ですか?

寺林弁護士:

上記のような特約があっても、以下の理由に基づいて争うことが可能です。安心してください。

1. 契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)

民法では、売買契約において「契約内容に適合しない物」が引き渡された場合、売主は責任を負うとされています。

たとえ「現状渡し」や「ノークレーム・ノーリターン」と記載されていても、重大な欠陥(事故歴など)を売主が知りながら告げなかった場合は、免責されません。

そのため、責任を追及することが可能です。

2. 消費者契約法第8条1項2号

事業者(中古車販売業者)と消費者との契約では、「契約不適合責任を全部免除する特約」は無効とされます。

つまり、売主が業者であれば、「ノークレーム・ノーリターン」条項があっても、事故歴の隠蔽があれば責任を問えるといえます。

「ノークレーム・ノーリターン」という文言を見て諦めてしまう人も多いですが、消費者を守るための法律があるので、まずは専門家に相談することが大切です。

「騙された」を証明するには?必要な証拠と期限

では、実際に法的手段を取る場合、どのような証拠が必要で、いつまでに行動を起こせばよいのでしょうか?

---買主が「騙された(説明と違う)」ことを法的に主張する場合、どのような証拠が必要になり、いつまでに行動を起こす必要があるのでしょうか?

寺林弁護士:

法的に主張するためには、以下のような証拠を集める必要があります。

必要な証拠

・売買契約書・車両状態説明書

「修復歴なし」などの記載があるかどうかが重要です。また、特約(現状渡し・免責条項)の有無も確認する必要があります。

・整備工場や第三者機関の診断書

骨格部の損傷や修復歴の有無を客観的に示すものです。JAAA(日本自動車鑑定協会)などの鑑定書も有効です。

・購入時の説明記録

営業担当とのメール、LINE、録音などが該当します。「修復歴なし」との口頭説明があった場合は録音が有力です。

・車両の写真・動画

修復箇所や塗装の不自然さなどを記録することが必要です。納車直後の状態がわかるとより有効です。

行動を起こすべき期限

法的責任の追及には、以下の期限があります。

・契約不適合責任:発覚から6ヶ月以内 ・債務不履行責任:契約から5年以内 ・錯誤や詐欺による取消:原則として発覚から1年以内

特に「契約不適合責任」は発覚から6ヶ月以内と短いので、事故車だと判明したら、できるだけ早く証拠を集めて、弁護士や消費生活センターに相談することをおすすめします。

まずは証拠を集めて、専門家に相談を

「中古車だから仕方ない」「契約書にサインしちゃったから諦めるしかない」と思っていた方も、実は法的に戦える可能性があることがおわかりいただけたでしょうか。

重要なのは、以下の3点です。

  1. 証拠をしっかり集める(契約書、診断書、やり取りの記録など)
  2. 期限を意識して早めに行動する(発覚から6ヶ月以内が重要)
  3. 専門家に相談する(弁護士や消費生活センター)

中古車購入は高額な買い物です。「騙された」と感じたら、泣き寝入りせず、まずは専門家に相談してみてください。あなたの権利は法律でしっかり守られています。


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