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「子どもを信じているので」4歳児に全任せ… 現役保育士が見た、“任せ方を間違えた家庭”の落とし穴

  • 2025.11.25
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出典:photoAC(写真はイメージです)

こんにちは。現役保育士のめじです。

「子どもを信じて任せてます!」とても素敵な言葉ですよね。

でも、その一言に、何度頭を抱えたことでしょう。

今年で保育士13年目。これまで多くの家庭と関わってきましたが、ここまで“子ども任せ”なご家庭は初めてでした。“信じて任せる”という言葉は素敵です。しかし、その任せ方を間違えると、子どもを追い詰めてしまうこともあるのです。

「本人に任せてます」と言われ続けた日々

当時、私は4歳児クラスの担任をしていました。4歳児になると自分の身の回りのことも少しずつできるようになりますが、まだまだ大人のサポートが必要な年齢でもあります。

ところが、そのご家庭は登園準備から荷物の確認まで全て子ども任せ。

登園するとオムツから漏れていたり、水筒にはジュースが入っていたりしたこともありました。

その度に保護者に話しても、返ってくる言葉は「本人に任せてるので」という一言だけ。

4歳にもなると、子ども同士で間違いに気づくことも増えます。

そのため「〇〇くんダメだよ!」と友達に注意されてしまう場面もあり、子どもは次第に表情を曇らせていきました。

“信頼している”と言えば聞こえはいいものの、失敗が続くことで子どもは困惑し、自信を失っていく。

どうにか現状を打破したい!そんな思いで私は次の一歩へ踏み出しました。

保護者に伝わらないなら“子どもに伝える”!

「どうしたらこの子が安心して園生活を送れるだろう」と考えた末に、私はアプローチの矛先を保護者から子どもへ変えることにしました。

「喉が渇いたときはお茶が体にやさしいんだよ」

「朝起きたらパンツに替えると気持ちいいね」

ただ注意するのではなく、理由を添えて伝えるようにしました。

すると少しずつ子どもの様子にも変化が見え始めます。

「先生、今日はお茶にしたよ」「パンツで来たよ」と嬉しそうに報告してくれる笑顔。

その姿に胸がじんわりと温かくなりました。

もちろん、すぐに全てが上手くいくわけではありません。

忘れ物を防ぐために、行事の持ち物は早めに伝え、繰り返し確認する工夫を重ねました。

日々の積み重ねは小さな一歩かもしれませんが、子ども自身が「できた!」と感じる経験を重ねていくことが、確実に自信へと繋がっていくのを感じました。

褒めて、認めて、家庭にも伝える

できた時にはその場でしっかりと褒めるようにしました。

「今日パンツ履いてきたの?かっこいいね!」

「お茶の準備バッチリだったね!」

すると子どもは得意気な表情を見せ、次第に自信もついてきました。

その成長を連絡帳や送迎時に保護者にも共有すると「先生に褒められたって、家でも喜んでます!」と笑顔で話してくれるように。

そこから、家庭でも「明日は何を持っていくんだった?」と一緒に確認する時間が増えたそうです。

気づけば、忘れ物をすることも減り、準備が確実にできるように。

子どもの成長が、家庭の関わり方を少しずつ変えていったのです。

“任せる”と“放任”は違う

この経験を通して感じたのは、「任せる」と「放任」はまったく違うということ。

“任せる”とは、子どもが安心して挑戦できるように大人が環境を整えること。

子どもはまだ“やり方”を学んでいる途中であり、大人の支えなしでは失敗が続き自信を失ってしまうこともあります。

「任せる」ためには、見守る・伝える・一緒に考えるというステップが欠かせません。あのときのご家庭も、子ども自身の成長をきっかけに、少しずつ関わり方を変えていくことができました。

信じることと手放すこと、そのバランスを間違えると子どもは迷子になってしまいます。年齢や発達に合わせた援助を行い、自立へと導いていく。

それが、保育士を続けている中で私が大切にしていることです。



ライター:めじ

幼稚園、保育園と保育経験を重ね、今年で13年目に突入しました。保育の仕事の中で感じた思いや子どもたちとのやりとり、育児と仕事の両立の事など経験をもとに言葉にしています。


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