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元警察官が激白「決まって庭が荒れている」11月の空き巣に『この家、防犯意識ゼロ』とバレる“最悪のサイン”

  • 2025.11.5
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

法務省の「令和4年版 犯罪白書」によると、侵入窃盗の認知件数は10月~11月がもっとも多い結果となっており、空き巣被害が増加しやすい時期として知られています。また、近年、空き巣被害の手口は変化し、鍵のピッキングやガラスを破るだけではなく、私たちの日常生活の「隙」を狙う新しい方法が増えているのです。特に、SNSの投稿や宅配の状況など、情報を利用して家が留守であることを見抜く手口が目立っています。

この記事では、元警察官で防犯アドバイザーを務めるりょうせいさん(@ryosei_bouhan)に、新たな空き巣の手口と、その対策についてわかりやすく教えてもらいました。

SNS投稿や宅配状況で狙われる「生活の隙」

昔は空き巣と言えば、鍵をこじ開けたり窓を割ったりといった直接的な手口が中心でした。しかし今は、SNSで旅行や外出の写真をリアルタイムに投稿することで、知らず知らずのうちに「家にいません」とアピールをしてしまうケースが増えています。りょうせいさんによると、こうした情報をもとに犯人は留守を確認し、狙いを定めているというのです。

また、宅配ボックスや玄関先の置き配に届いた荷物が長期間放置されていると、「長く留守にしているな」と判断されやすく、特に集合住宅では注意が必要とのこと。最近はオートロック付きのマンションでも「置き配」により便利になる一方、その便利さが新たな隙を生んでいる状況と言えます。

りょうせいさんによると、空き巣被害全体としては、「力づく」よりも「情報」を活用する手口が増えていることが特徴だそう。対策としては、SNSの投稿タイミングをずらす、荷物はできるだけ早く受け取るなど、デジタル面と日常生活の両方から防犯意識を高めることが大切とのこと。

小さな“ほころび”が空き巣の標的に

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

また、空き巣犯は、ほんのわずかな「乱れ」から留守や油断を見抜くそうです。

たとえば、郵便ポストにチラシや郵便物がたまっている家は、狙われやすい典型例。新聞が数日間そのままになっていたり、夜になってもカーテンが閉まっていなかったり、照明がずっと同じままだったりすると、犯人は「誰もいない」と判断します。

さらに、庭や玄関の様子もよく見られています。雑草が伸び放題だったり、子どものおもちゃや段ボールが散乱していると、「この家は管理が行き届いていない=防犯意識が低い」と思われてしまうそう。これは心理学で「割れ窓理論」と呼ばれる考え方に似ていて、壊れた窓を放置すると犯罪が増えるように、環境の乱れは「誰も見ていない場所」という印象を与えるのだとか。

実際にりょうせいさんが警察官として経験した事件でも、空き巣が入られた家の庭が荒れていたケースもあったそうです。一方で、整理整頓された家は「誰かが見ている」と思わせ、犯人が避ける傾向が。つまり、日々のちょっとした手入れや片付けが防犯につながるのです。清潔で整った家は、犯罪者にとって「入りにくい家」というサインになるのです。

空き巣が嫌うのは「見れること」と「時間がかかること」

空き巣が最も嫌うのは「見られること」と「時間がかかること」です。そのため、明るくて監視されているような環境であれば狙われにくいそうです

具体的には、人が近づくと自動で点灯するセンサーライトと、防犯カメラの組み合わせが非常に有効とのこと。高価な機械でなくても、玄関や庭先にライトがつくだけで、「見られているかもしれない」と感じさせることができます。

また、防犯カメラは地域全体の安全にも役立ちます、りょうせいさんが昔勤務していた地域では、防犯カメラを設置エリアでは空き巣被害が大幅に減少したそうです。

費用をかけずにできる効果的な防犯対策として、下記の3つがあるとのこと。

  1. センサーライトの設置
  2. カメラやダミーカメラの設置
  3. 日々の整理整頓と郵便物の管理

これらを意識するだけで、空き巣被害のリスクは大きく減らせるのです。

防犯の本質は「備え」と「見せ方」。犯人の視点を持ちながら、日常生活の中で小さな防犯習慣を積み重ねることが、最強のセキュリティにつながるそうです。

今日からできる「空き巣対策」をはじめよう

空き巣被害は従来の力づくの手口から、SNSや宅配状況などの情報を利用して留守を見抜く新しい手口へと変化しています。そのため、SNSへの投稿タイミングに注意し、荷物は早めに受け取り、郵便物や庭先をきちんと整理整頓することが大切です。

また、センサーライトや防犯カメラの設置によって「見られている」という意識を犯人に与え、侵入をためらわせることが効果的です。日常生活の中での小さな防犯習慣の積み重ねが、最も強力な空き巣対策となることを心に留めておきましょう。

法務省 令和4年犯罪白書:https://www.moj.go.jp/housouken/houso_hakusho2.html


監修者:りょうせい(りょうせい 元生活安全課

元警察官(警察歴10年)。生活安全課で行方不明やDVなどの人身事案を担当し、防犯の広報や啓発活動にも携わる。
現在は防犯アドバイザーとして活動し、Xや音声配信(StandFM)を通じて、日常生活に取り入れやすい防犯の工夫を発信している。