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築50年リノベ団地を“格安480万円”で購入…奥様「かわいい!」→半年後、30代ご夫妻を襲った“想定外の誤算”

  • 2026.3.8
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

最近、「団地リノベ」という言葉を耳にする機会が増えました。白い壁やカフェ風キッチン、木目調のフローリングなど、写真映えする空間が手頃な価格で手に入るとして注目されています。

価格は数百万円台の物件もあり「家賃を払い続けるより安いのではないか」「若いうちに持ち家を持てるのではないか」と考える方も少なくありません。

しかし、購入後に想定外の負担が発生するケースもあります。見た目の新しさだけで判断すると、後から大きな代償を払うことになりかねません。

今日は、築50年の団地を480万円で購入した30代ご夫婦の事例をご紹介します。安さの裏にある現実を、ぜひ最後までご覧ください。

「この価格でマイホーム」安心した瞬間

2年前、私のもとに30代前半のAさんご夫婦が相談に来られました。

共働きで世帯年収は約600万円。それまで家賃8万円の賃貸住宅に住んでおり、年間にすると96万円の支払いになります。このまま家賃を払い続けるより、早めに購入したほうがよいのではないかと考えたそうです。

見つけたのは、築50年の団地で価格は480万円。室内はフルリノベーション済みでした。

白い壁にカフェ風キッチン、木目調のフローリング。

内見の際、奥さまは思わず「かわいい!」と声を上げ、ご主人も「この価格でここまで整っているのはすごい」と前向きでした。その場の勢いもあり、購入を決断。

しかし実際に新しくなっていたのは、室内の表面部分だけでした。

配管は50年前のまま。半年後に漏水トラブル

入居から半年ほど経った頃、上階で漏水が発生しました。天井から水が垂れてくる事故です。

原因は、共用の立て管と呼ばれる縦方向の給排水管の劣化でした。各住戸をつなぐ配管が、竣工当時のまま使われていたのです。つまり、建物全体の給排水設備が寿命に近づいていました。

その後の管理組合の説明は衝撃的でした。近い将来、全戸一斉に配管を更新する必要があり、各戸の負担は概算で約150万円になる見込みだというのです。現在の修繕積立金だけでは足りず、追加徴収の可能性もあるとのことでした。

480万円で手に入れたはずの住まいは、配管更新費を考えると実質630万円規模の買い物になります。さらに今後の修繕リスクも抱えることになり、ご夫婦の安心感は一気に不安へと変わりました。

梅雨の雨染み。きしむ床。苦情が入る夜

さらに追い打ちをかけたのが、梅雨の時期。

ある日、リビングの天井にうっすらと雨染みが浮かび上がりました。調査の結果、外壁防水や屋上防水の劣化が進んでいる可能性が高いと指摘され、将来的に大規模修繕が必要になる状況でした。

室内のフローリングは張り替えられていましたが、下地の根太(床を支える木材)は築当時のままです。そのため、歩くたびにきしみ音が発生しました。

特に夜間は音が響きやすく、下階からは苦情も。

「夜中に何をしてるんですか!」

さらに、長年暮らしている住民の多くは、ゴミ出しの時間や分別方法、生活音に対する目は厳しく、新しく入居した若い世帯は目立ちやすい環境でした。

「若い人は常識がない」と言われ、奥さまは近所付き合いに疲れ切ってしまったそうです。

住み始めてからの夫婦の会話は、将来の不安の話ばかりになりました。

「安く買えたはずなのに」

その言葉が、何度も繰り返されたそうです。

映える部屋に目を奪われず、建物全体の状態を確認する

団地リノベ物件の中には、管理が行き届き、計画的に修繕が実施されている優良な団地もあります。すべてが問題を抱えているわけではありません。

しかし、室内の内装だけを見て判断すると、大切な部分を見落とすおそれがあります。室内がきれいだから安心とは限りません。

今回のように、480万円で手に入れたと思っていた住まいが、将来150万円の追加負担を求められる可能性もあります。

団地リノベを検討する際は、写真の印象や価格の安さだけで決めず、建物の管理状況や今後の修繕計画、将来の負担見込みまで確認してください。そのひと手間が、数百万円の差と家族の安心を分けることになります。


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