1. トップ
  2. 「新築4,000万」と「激安中古1,500万」30年後の総支払額で“2000万円”の差の落とし穴…最終的に損しないのは?

「新築4,000万」と「激安中古1,500万」30年後の総支払額で“2000万円”の差の落とし穴…最終的に損しないのは?

  • 2026.3.9
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産業界歴15年で、宅地建物取引士・マンション管理士の資格を持つライター西山です。

マイホームを検討する際、物件の購入価格を最も重視する方は多いのではないでしょうか。中古物件は好立地を選びやすい魅力がありますが、リノベーション前提で価格の安い築古マンションを選ぶケースも増えています。

今回は新築と激安中古を購入した場合の、30年間の総支払額に関するシミュレーション結果を紹介します。目先の安さだけで決めた場合の意外な落とし穴を、ぜひ確認してみてください。

新築と激安中古の比較、見えない維持費の大きな差

今回は、下記の2例を比較します。

  • Aさん:新築4,000万円を購入した
  • Bさん:築40年の中古を1,500万円で買い、500万円の表層的な改修(断熱工事を含まない内装工事)を行った

Bさんの初期費用は2,000万円となり、Aさんより2,000万円抑えられた計算です。しかし入居後の修繕積立金(将来の修繕に備えて毎月積み立てるお金)を比べると、新築のAさんは30年平均で月1万5,000円に収まります。

一方のBさんは、物件の規模や管理状態によって異なりますが、老朽化に伴い平均月3万円かかる想定です。この時点で、30年間で約540万円の差額が生じます。さらに古い物件は、毎月の積立金とは別に、数百万円の一時金を徴収される追加リスクも潜んでいるのです。

住宅ローン控除と光熱費、日々の出費で逆転

次に住宅ローン控除や光熱費を含めた、30年間の「見えない出費の差額」をわかりやすく整理してみましょう。

  • 修繕積立金の差額:約540万円(Bさんの負担増)
  • 住宅ローン控除の差額:約200万円(Bさんの還付減)
  • 光熱費の差額:約360万円(Bさんの負担増)

Bさんの物件も昭和57年以降の建築で新耐震基準を満たすため、住宅ローン控除の対象としてしっかり活用できます。ただし長期優良住宅などの条件を満たす新築のAさんが最大約300万円の還付を受けられるのに対し、築古は限度額が低く約100万円しか戻りません。

また最新エコ基準の新築に比べ、断熱改修をしていない築古は冷暖房効率が悪化しやすく、資源エネルギー庁などのデータを目安にすると、月の光熱費が1万円ほど高くつく傾向にあります。これらを合計すると、30年間で約1,100万円もの差額に膨れ上がる結果となりました。

売却価値で決まる真のコスト、出口戦略を見据えて

ここまでの30年間で見えない維持費として約1,100万円の差が縮まりましたが、まだBさんの方が900万円ほど出費は少ない状態です。しかし見落としやすいポイントは、手放す際の売却価値に隠されています。

  • 新築Aさん(築30年で売却):資産価値が残り、2,000万円程度で売却可能と予想
  • 築古Bさん(築70年で売却):ローン審査が厳しく、売却価格が大幅に下落する可能性

初期費用と維持費から売却額を差し引いて計算すると、最終的に手元に残る資産はAさんの方が1,000万円以上多くなり、完全に逆転するのです。

中古物件には価格や立地の選択肢が広いといった魅力もあるため、維持費や出口戦略(将来その物件をどう手放すかの計画)も含めて総合的に比較することをおすすめします。


参考:
マンションの修繕積立金に関するガイドライン(国土交通省)
省エネポータルサイト(資源エネルギー庁)


▶︎2分で完了!日常の"モヤッとした"体験、TRILLでシェアしませんか?【投稿はこちら】

の記事をもっとみる