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「自分たちが主役だから楽しんでくれる!」派手婚を望む新郎新婦→結婚式当日、“思わぬ誤算”に真っ青

  • 2025.11.4
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出典:photoAC(写真はイメージです)

みなさんこんにちは、元ウエディングプランナーのyukimaruです。

結婚式は、ほとんどの人にとって一生に一度。「もう一度やりなおしたい」と思っても、かけがえのない時間は帰ってきません。

今回は、私自身もプランナーとして「結婚式とは?」をもう一度、考え直したエピソードをご紹介します。

派手婚希望!今までに見たことのない結婚式をしたい

ある日、結婚式に大きな夢を持っていた新婦Aさんと、新婦にも負けないほど自分も目立ちたい!という思いを持った新郎Bさんが、意気揚々と私のいる結婚式場を訪ねてきてくれました。

結婚式を盛大にやりたい!その想い一心で、結婚式場を予約したのは、式当日の1年半前。

通常の新郎新婦様は、半年前から1年未満くらいに予約されます。

そのため、AさんとBさんとは、過去イチと言って良いほど、打ち合わせの回数を重ねました。

とにかくお二人のこだわりは、

「派手!ゴージャス!」「みんながしていない結婚式をやりたい」

というもの。

会場の装飾などもこだわりにこだわりぬいて煌びやかにしたい!

そう夢見ていて、装飾も徹夜して手作りするほど頑張っていらっしゃいました。

私も、お二人の想いに応えたいと思い、今までにないアイデアを考え、提案していきました。

巨大クラッカーとミラーボールでド派手に登場、打ち上げ花火、ガーデンでの演出などなど。

「結婚式の満足」とは?

しかし、ある日の打ち合わせから、少しずつプランナーの私と新郎新婦様の歯車が、かみ合わなくなってしまったのです。

お二人の結婚式は11月後半。

結婚式の日が迫ってくると、当日の天気予報もなんとなくわかり始めます。

そして、残念なことにお二人の結婚式は、大雨予報に加えて気温も冬並みに寒くなるようでした。

天気がわかったことで、私はお二人に提案の内容を変えました。

打ち上げ花火を室内のものにしたり、ガーデン演出を室内で行ったりすることなどを提案しました。

結婚式は、お二人の夢を叶えることももちろん大切です。しかし、来てくださったゲストに満足していただくことが、結果的にお二人の満足に繋がるということは、長年プランナーをしてきたからこそ痛いほどわかっていました。

寒くて悪天候な中、ゲストが濡れたり、寒い思いをするのは良くないと考え、室内での演出を提案したのですが、お二人は首を横に振ります。

「私たちにとって一生に一度しかない日だし、来てくれる人たちも私たちをお祝いしに来ているから、絶対楽しんでくれるし、感動してくれるはず!」と言い、外で演出をすると一点張りでした。

ゲストの方々も、この日のために綺麗な服を用意し、ヘアメイクなどにお金と時間をかけています。

そこへの配慮も必要であり、結果的に「ゲストに喜んでもらえることが披露宴後、自分たちの喜びになりますよ」とゲストへの配慮の大切さをお伝えしたのですが、どうしても夢を諦めきれないご様子でした。

プランナーは、ありとあらゆる提案はするものの、最終的に決めるのは新郎新婦です。

半ば強引な形で外での演出を行うことになり、あとはなるべく天気が良いことを願うだけでした…。

2人の想いとゲストの温度差…

結婚式当日、底冷えするほどの寒さはありましたが、雨の方は小雨。

小雨という様子に、新郎新婦も大喜び!「これなら外でできる!」

続々と到着しているゲストが寒そうだとお伝えもしましたが、残念ながらお二人の耳には届きませんでした。

披露宴中、外での演出を強行。

二人はガーデンから、会場内の人に向けて手招きをして、外に来るように呼びます。

新郎友人はお酒を飲んでいるため、移動をしたくない様子。新婦友人は、髪型が崩れたり洋服が汚れるのが嫌で、外へは出たくない様子です。

ご両親は、来ていただいたゲストに申し訳ないという思いから、会社の上司がいる席にお酌に向かい、外の様子を気にさせないようにしています。

結果的に、外へ出た人は2、3名のみ。

その様子に新郎新婦は、予想外だったと言わんばかりに肩を落としています。

「このまま終わるわけにいかないな…」と思った私は、披露宴お開きのお見送り時に、ゲストの方々へ、急遽、暖かいスープをお渡しするサービスを新郎新婦にしてもらうことにしました。

ゲストの皆様は「わー気が利く!」「すごいこんなサービスまでしてくれるの?」「帰るの寒いなと思ってたけど心があったまったよ」と、新郎新婦に伝えていました。

一生に一度の時間は後悔しても返ってこない

後日、新郎新婦が荷物を取りに来た際、

「ずっとみんなから言われたのは、最後のスープのことと、料理のおいしさだった…もっとゲストのことを考えて計画するべきだった…」と後悔の言葉をおっしゃっていました。

新郎新婦にとっては、初めての結婚式。経験もないから、結果がわかるわけがありません。

そのために、私たちプランナーがいるのです。

ゲストの満足=結婚式の満足になることを、もっと私も強くお二人に伝えるべきだったと、反省した出来事でした。

みなさんも、結婚式をする時は、ゲストのことを最優先に考えてプランニングすることも意識してみてくださいね。



ライター:yukimaru

ウエディングプランナー10年、ウエディング上場会社の支配人を5年経験し、年間100組以上の結婚式を担当してきました。私にとっては毎週の結婚式、でも、新郎新婦にとってのウエディングプランナーはひとり。一期一会の出会いを大切に、結婚式が終わった新郎新婦の人生も応援し続けています。


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