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『甲状腺がんになりやすい人』には“ある共通点”があった…チェックしたい3つのポイントとは

  • 2025.11.25
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

甲状腺がんは比較的稀ながら、近年日本でも患者数が増加傾向にあるのです。そのため、「自分は大丈夫だろう」と安心している人も多いかもしれません。しかし、甲状腺がんになりやすい人には意外な共通点があることがわかっています。

この記事では、誰もが簡単にチェックできる代表的な3つのポイントを紹介します。

甲状腺がんってどんな病気?意外と知らないサインをチェック

甲状腺は、のどのあたりにある小さな臓器で、体の代謝を調節するホルモンを作る重要な役割を持っています。この甲状腺にできるがんが甲状腺がんです。甲状腺がんは他のがんに比べて比較的珍しいものの、近年は超音波検査やC Tなど画像技術の発達により、診断される数は増加傾向にあります。

特徴としては、症状が出にくいことが多く、のどのしこりや違和感が見つかってから病院を訪れるケースが一般的です。甲状腺にできる悪性腫瘍の種類としては、乳頭がん90%、濾胞がん5%、低分化がん、未分化がん、髄様がん、他に悪性リンパ腫などがありますが、多くの場合、治療で治るケースが多いとされています。

甲状腺がんはゆっくり進むことが多いという見解もありますが、その分、自覚症状がないうちに発見されることが多いことから、定期的な検診が役立ちます。

甲状腺がんになりやすい人の特徴とは?3つのポイントを探る

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、甲状腺がんになりやすい人の共通点を見ていきましょう。もちろん当てはまるからと言って全員に甲状腺がんのリスクが現れるわけではありません。

  • 性別と年齢の特徴
  • 橋本病との関係
  • 遺伝的要因や家族歴の有無

まず性別ですが、甲状腺がんは女性に多く見られる傾向があります。40〜50代の女性が特に診断されやすいという報告があり、ホルモンの影響が一定程度関係している可能性が指摘されています。そして男性では、BMIが30kg/m2以上の肥満の方は、リスクが高いと言われています。

また「橋本病」という甲状腺の病気を持つ人は注意が必要です。橋本病は甲状腺に対しての自己抗体ができる自己免疫疾患で、抗体が自分の甲状腺を攻撃し、徐々に甲状腺の機能が低下していく病気です。甲状腺の慢性的な炎症が、がん発生のリスクとなると考えられており、橋本病患者の30〜35%に乳頭がんが合併すると報告されています。橋本病と診断されたことのある方は一度、超音波検査をおすすめします。

最後に家族歴ですが、甲状腺がんの家族発症例がある場合、遺伝的な要因が可能性として示唆されています。ただし家系による影響は限定的で、全ての家族にリスクがあるわけではありませんが、家族内で複数人の発症例があれば注意が必要です。

上記以外にも、首の左右や前方に腫れやしこりを感じる、声のかすれや飲み込みにくさを覚える場合は、専門医へ相談する目安とされています。ただし、これらの症状は必ずしもがんとは限らず、炎症や良性の腫瘍が原因の場合も多いため、焦らず適切な診断を受けることが大切です。

自分の体のサインに敏感になろう

甲状腺がんは早期に見つかれば治療の選択肢も広がり、経過もよい傾向にあると言われています。今回紹介した3つのポイントを見直し、自分の身体と向き合うきっかけにしてみてください。

日常生活の中で首の状態に注意を払ったり、定期健診の機会を大切にすることは、自分の健康管理の一環です。焦らず無理なく、自分に合った形で健康維持に取り組んでみてください。


監修者:髙橋 聡美(たかはし さとみ)
自然未来医療研究会会長
城西内科クリニック院長
〜内科・糖尿病・甲状腺・ホリスティック診療~
ホームページ:jyousai.net

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順天堂大学医学部卒業、医学博士
順天堂大学練馬病院糖尿病内分泌内科助教
糖尿病認定医、臨床栄養学会認定栄養指導医、内科学会認定内科医
統合医療医、日本医師会認定健康スポーツ医
米国マハリシ国際大学アーユルヴェーダ臨床医学ドクターベーシックコース終了
サトワメディカルサロン・サトワ合同会社代表、日本ヘンプ協会評議員
所属学会;日本内科学会、日本糖尿病学会、日本臨床栄養学会、乳腺甲状腺超音波学会

「真の健康とは病気の有無ではなく幸せであること」モットーに、西洋医学の標準治療だけでなく、幅広く柔軟な医療選択肢を個々に合わせて提案。
自然栄養療法、運動療法、自律神経調整、量子力学的な観点からのアプローチなどを組み合わせ、心身のバランスを整え自然治癒力を高める治療を提供している。
また、病気の根本原因やそれらへの向き合い方、自身でできるセルフケアなどを伝え、肉体や精神・感情までに及ぶ幅広いアプローチで「真の健康」の一助を目指す。