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築8年で「300万円高く売れた」成功者も。不動産のプロが明かす、タワマンから住み替える住民のリアル

  • 2025.11.28
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※Google Geminiにて作成(イメージ)

「憧れの住まい」とされるタワーマンション(タワマン)ですが、実際にはライフステージの変化から“住み替え”を検討する人も少なくありません。本記事では、多くのタワマン住民の売却・住み替えを担当してきた宅建士に、その“リアルな実態”を直撃。住み替えを決断する理由、売却時に直面しがちな“購入時とのギャップ”、そして次に選ばれる住まいの傾向について、具体的な事例と経験談をもとに解説してもらいました。

タワマンからの住み替え…リアルな理由とは

今回は、タワーマンションから住み替えや売却をする人たちのリアルな声について、合同会社ゆう不動産の岩井さんに話を伺いました。

---タワマンから「住み替え」や「売却」を決意された方々には、どんな理由があったのでしょうか

岩井さん:私が知る限りでは、主な理由が4つあると思います。

  1. 子育て環境とのミスマッチ
  2. 管理費・修繕積立金の負担増
  3. 老後の暮らしやすさへの不安
  4. 離婚など家族構成の変化です。

年代別では、購入から15〜20年が経過した50〜60代からの相談が多く、管理費や大規模修繕費の上昇、災害時の昇降問題など、老後の生活に不安を感じての住み替えが目立ちます。一方、30〜40代の子育て世帯では、眺望や資産性を重視して購入したものの、エレベーター渋滞や遊び場・学校の距離など、実際の子育て環境とのギャップが理由で戸建てに移るケースもありました。

離婚などの家族構成の変化で、住み替えを決意する方も。印象的だったのは、50代女性のケース。単身になってから「部屋が広すぎる」「固定費が高い」「知り合いに会いたくない」と精神的負担が大きくなり、最終的に駅近の中規模マンションへ住み替えられました。

---金額面のみならず、精神的・物理的な負担も理由として大きいのですね。

岩井さん:タワマンは憧れの住まいである一方、ライフステージが変わると“現実とのギャップ”が住み替えの大きなきっかけになると感じています。

タワマンを売却するときの誤算「こんなはずじゃなかった」

 

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

---タワマンは「資産価値が高い」という話もありますが、実際に売却する際、「こんなはずじゃなかった…」と“誤算”しがちな点はありますか?

岩井さん:タワマンは「資産価値が高い」という期待から購入される方が多い一方、売却時には現実とのギャップに驚くケースも少なくありません。売却での誤算は築年数や立地条件によって大きく分かれます。

築浅(〜10年)の物件は、駅直結や人気エリアなど条件が良ければ購入価格以上で売れるケースもあります。例えば40代共働き夫婦の築8年タワマンは、購入価格より300万円高く売却できた事例もありました。

---逆に予想よりも低かったケースにはどんなものがありますか?

岩井さん:一方、築15〜25年のタワマンでは、期待通りに売れないことが多く、購入時より数百万円安い査定を受けるケースも。理由としては、修繕積立金の値上げや共用部の老朽化、新築・築浅タワマンとの競争が挙げられます。

また、高層階だからといって眺望が保証されるわけではありません。再開発などで視界が遮られる可能性があり、鑑定評価でも眺望プレミアムは永続的な価値として扱われないことがあります。このように、タワーマンションの売却では「築年数」「立地」「将来の周辺環境」などを見極めることが、期待通りの資産価値を実現するために重要です。

タワマンからの住み替えで確認したい『チェックポイント』

---タワマンから「郊外の戸建て」や「別のマンション」へ住み替える際、後悔しないためにチェックしたいポイントはありますか?

岩井さん:特に意識すべきなのは「生活動線の変化」「音や視線の環境」「ランニングコスト」の3点です。

まず、生活動線の「時間コスト」です。タワマンでは24時間ゴミ出し可能、宅配ボックス完備、駅近、管理員やコンシェルジュ常駐など、日常の便利さが前提になっています。戸建てではゴミ出しや宅配、防犯、買い物、庭の手入れなど、生活にかかる時間が大幅に増えるため、1週間分の生活をシミュレーションしてみることが重要です。

次に、「音や視線といった生活環境の違い」です。タワマンは遮音性が高く共用部分も静かですが、戸建てや低層マンションでは隣家の生活音や道路の音、外からの視線などに直面します。特に子育て世帯では、自宅の音が近隣にどう聞こえるかがストレスになることもあるため、内見時には朝・昼・夜の時間帯で周辺環境を確認することがおすすめです。

最後に、「ランニングコストの違い」です。タワマンは管理費や修繕積立金を毎月定額で支払いますが、戸建てでは外壁や屋根の修繕、設備交換、庭の手入れなど、大きな出費が不定期に発生します。そのため、15年程度の維持費を表にまとめて月平均に換算し、実質負担を確認することが大切です。

タワマン生活に慣れた方は、このような点を事前に理解しておくことで、住み替え後のギャップやストレスを避けることができるでしょう。

---ありがとうございました!

後悔しないために知っておきたいこと

タワーマンションは「憧れの住まい」である一方、ライフステージの変化や実生活のギャップによって、住み替えを検討する人も少なくありません。売却時の資産価値や住み替え後の生活環境、ランニングコストなど、事前に押さえておくべきポイントを理解しておくことが、後悔のない住み替えの鍵となります。

タワマン生活の利便性と快適さを実感している方ほど、次の住まい選びでは、生活動線や費用、周辺環境までしっかりシミュレーションすることが大切です。今回の記事を参考に、自分や家族が住む家について改めて考えてみてはいかがでしょうか。


監修者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

宅地建物取引士。飲料メーカーを経て2014年に宅建士として不動産会社に転職。2019年に不動産ライター業を始める。2025年11月現在、不動産会社のコラムや不動産関連記事を1,000記事以上作成。現在は不動産会社とWebライター業の会社を経営。現役不動産屋ならではの経験から、不動産に関する「リアル」な記事を発信している。