大人が意外と解けない数学「xの角度は？」→どうやって求める？

2025.11.16

今回は図形の角度を求める問題に挑戦してみましょう。

「角度を求める」と言っても、分度器を使うわけではありません。

「計算」で角度を導くことができるでしょうか。

問題

次のxの角度を求めなさい。ただし、同じ記号のついた角はそれぞれ等しいとする。

分かっている角度は「60°」の一か所だけです。

どのように求めれば良いのでしょうか。

解説

今回の問題の答えは「30°」です。

これを求めるには、次のような性質を利用します。

三角形の内角と外角のそれぞれの二等分線の交点がつくる角は、もとの三角形のもう一つの角の半分である。

※下図の黄色の三角形で考えると、赤い角が内角、青い角が外角になる。このとき、xは60°の半分である。

では、なぜこのような性質が成り立つのかを数式を用いて確認してみましょう。

解説のため、下図のようにA,B,C,D,Eとする。また「◯の角」の大きさをa、「△の角」の大きさをbと表します。

まず、三角形ABCの外角の関係より
角CAB+角ABC=角ACE
つまり
60+2a=2b ・・・（1）
が成り立ちます。

同様に三角形DBCの外角の関係より
角CDB+角DBC=角DCE
つまり
x+a=b ・・・（2）
が成り立ちます。

式（1）の両辺を2で割ると
30+a=b

これを式（2）と比べると、
x=30
であることが分かります。

したがって、今回の問題の答えは「30°」です。

まとめ

正しい答えを求めることができたでしょうか。

三角形の性質をうまく使えば、複雑に見える角度の問題も整理して計算で解くことができます。

角度の関係を丁寧に考えることが、図形問題を解くコツです。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。

文（編集）：SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」

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