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保護者「お弁当は園から出ますよね?」現役保育士「さすがにそれは…」結局、遠足当日は親子揃って欠席。なぜ?

  • 2025.11.27
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。今年で保育士歴13年目になります、現役保育士のめじです。

“親子遠足”と聞くと、お弁当を広げて笑い合う親子、にぎやかな交流、子どもたちのはじける笑顔を思い浮かべる方も多いでしょう。

でも、そんな行事にも“想定外の出来事”が起きることがあります。

今回は保育士として「さすがにそれは…」と思わず戸惑った、親子遠足での出来事についてお話しします。

保護者との連携の難しさ、そして“多様な家庭に寄り添うこと”の大切さを改めて感じた出来事でした。

「子どもは園が連れていくんですよね?」…耳を疑った一言

今から3年前、私が0.1.2歳児クラスの担任をしてた時のことです。

毎年親子遠足では、少し離れた公園まで行きレクリエーションやお弁当を楽しむのが恒例でした。

もちろんお弁当は持参、現地集合・現地解散。

その旨もお便りに明記していました。

遠足まであと2週間。いつものようにお迎え対応をしていた時、ある保護者からこう聞かれました。

「遠足の日は、子どもは何時に連れてきたら良いですか?」

一瞬耳を疑いましたが、続けて

「お弁当は園から出ますよね?」との一言。

驚きながらも、改めてお弁当持参と現地集合であることを伝えました。

するとため息混じりに「子ども連れて移動するの大変なんですよね」と返され、胸の奥に小さな違和感が残りました。

行事後のアンケートの一言にもモヤモヤ

その後も丁寧に説明を重ね、詳しい公園までの行き方や「お弁当は市販のものを詰めてもらっても構いません」といった配慮も伝えました。

「少しでも負担を減らして遠足を楽しんでほしい」との思いでしたが、結局そのご家庭は体調不良を理由に欠席。

数ヶ月後の園に対するアンケートでは「行事に参加するのが大変なのでもっと寄り添ってほしい」との記入があり、胸の奥が少し痛みました。

もしかすると、その保護者はあまり子ども連れで外出をしたことがなく、不安を感じていたのかもしれない。

行事を楽しむ余裕がないほど、日々の生活に疲れていたのかもしれない。

そう考えると、単なるクレームとして片付けることはできませんでした。

行事の意義をどう伝えるか

今回の親子遠足の目的は「子どもと保護者が親子で過ごす楽しさを感じること」そして「普段会うことのないクラスの保護者同士での交流を深めること」でした。

しかし、すべての家庭が同じように楽しめるわけではありません。

車を持たない家庭、料理が苦手な保護者、時間に余裕がない家庭、事情はさまざまです。

わたしたちが“当たり前”と思っていることも、家庭によっては大きな負担になることがある。

この件を通して“正しい説明”だけでは伝わらないことがあると実感しました。

本当の意味で遠足を楽しんでもらう。

そのためには、園のルールを伝えるだけではなく、さまざまな家庭の背景を想定して「保護者が安心して参加できる環境作り」を工夫していくことが大切なのだと学びました。

多様な家庭に寄り添う保育へ

今回の出来事は“理不尽な要求”という一言では片付けられない学びを残してくれました。

保育の現場では、さまざまな家庭環境や価値観があります。

一見“園任せ”に見えるご家庭の背景には「不安・余裕のなさ・育児への孤独感」などが隠れていることもあります。

もちろん、全ての要求を受け入れることはできません。

しかし、行事を本当の意味で楽しんでもらうためには仕組みや説明のあり方を見直す必要があります。

一緒に楽しむことの大切さと、誰もが参加しやすい形を両立させること。

その難しさを痛感しながらも、これからも家庭に寄り添う保育を続けていきます。



ライター:めじ

幼稚園、保育園と保育経験を重ね、今年で13年目に突入しました。保育の仕事の中で感じた思いや子どもたちとのやりとり、育児と仕事の両立の事など経験をもとに言葉にしています。


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