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8,000万円タワマンを購入も「35年続ける自信がない…」年収1,000万円夫婦を襲った“大誤算”【一級建築士は見た】

  • 2025.11.27
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

「タワマンに住めば、もっと人生が豊かになると思っていました」

そう語るのは、Aさん(30代男性・夫婦・子ども1人)。
Aさん夫婦は、都心駅直結のタワーマンションを8,000万円(35年・ペアローン)で購入しました。
世帯年収は1,000万円。

営業担当も、販売会社が紹介したFPも「十分返済できますよ」と太鼓判を押し、迷うことなく契約を決めたといいます。

しかし、入居から1年。
Aさんは今、「家のために節約し続ける生活」になってしまったと肩を落としています。

「住んでから、節約のスタートでした」

モデルルームで見た眺望、充実した共用施設、駅直結の便利さ。

「これ以上の住まいはない」と感じたAさんは、住宅ローン毎月約22万円という額にも不安を感じませんでした。

「FPからも“返済比率は年収から見れば問題ありません”と言われたので、安心していました」

ところが、実際にかかったのはローンだけではありません。

  • 管理費:18,000円
  • 修繕積立金:22,000円

固定費は合計で約26万円超。
子どもが成長するにつれて教育費も増え、物価高の影響もあり、毎月の生活費はみるみる圧迫されていきました。

「タワマンに住んでいるのに、外食も旅行も控えてばかり…。正直、この生活を35年続ける自信がありません」

タワマンの“維持費インフレ”という落とし穴

タワマンの魅力の一つである共用施設(ジム・ラウンジ・ゲストルーム・キッズルームなど)。

しかし、これらがすべて管理費・修繕費の増額要因になります。

さらに修繕積立金は、初期は低く設定されがちで、10〜15年後に2倍ほどに増えるのは珍しくありません。

Aさんもその可能性を知りませんでした。

「営業さんからは“修繕費は上がる可能性があります”くらいの説明だけでした」

タワマンは、外装・設備・機械式駐車場など修繕が多く、一般的なマンションよりも費用が高くなりやすい傾向があります。

“タワマン購入の構造的な罠”

建築士として多くの住宅購入者を見てきましたが、
Aさんと同じように“買える額”で判断してしまう家庭は非常に多いです。

さらにタワマン特有の罠があります。

●ペアローン前提の家計は“リスクの塊”

どちらかが働けなくなれば、返済困難に陥る可能性があります。

●紹介FPではなく独立系FPに相談

中立的な独立系FPと違い、販売会社と提携するFPはローンが通るラインで試算を組むケースが珍しくありません。

●売却は“景気と地域力”に大きく左右される

タワマンだから高く売れるとは限りません。景気と地域で価格は大きく左右されます。

Aさん夫婦は、こうした“実際の暮らしの重さ”を購入前にイメージできていなかったのです。

買う前に必ずチェックを

タワマン購入で後悔しないためには、次を必ず確認すべきです。

  • 返済額は「手取りの25%以内」に抑える
  • 修繕積立金は“将来の増額幅”で判断する
  • 共用施設は「使うかどうか」で選ぶ
  • 固定資産税・駐車場などの“見えないコスト”を試算する
  • ペアローンはリスクを前提で検討する

モデルルームの華やかさの裏で、将来の負担がどれだけ増えていくかを想像することが重要です。

35年間続く“固定費の旅”

タワマンは確かに魅力的です。
しかし、購入した瞬間がゴールではなく、そこから35年間続く“固定費の旅”が始まるのです。

憧れや営業トークだけで決めてしまうと、Aさんのように「便利なはずの住まいが、生活の制限になる」という大誤算を招きます。

住宅選びは、“買えるかどうか”ではなく“幸せに暮らし続けられるか”で判断することが何より大切です。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者) 地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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