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バス運転士が左折したら、「危ない運転するな!」後続車男性に窓を叩かれ…“放ったひと言”に「まだ忘れられません」

  • 2025.11.24
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出典:photoAC(写真はイメージです)

こんにちは。送迎バスの運行管理やバス運転士の経験を持つVenus☆トラベルです。

バスに限らず、車体の長い車は左折時に起こる「ある特徴」があります。そのため、後続車に違和感を与えたり、状況によってはバスの嫌がらせのように感じたりすることがあります。

もちろん、運転手もこの特徴に気をつけながら運転していますが、避けられない場面は少なくありません。

今回は、大型バスを運転中に納得できないクレームを受け、理解してもらうのに苦労したときのお話を紹介します。マイカーでバスの後ろを走るたび、今でも思い出す出来事です。

運転席の窓を叩かれて怒鳴られる

バスが左折する際、大きなバスほど車体の右後方が反対側に膨らむことがあるのをご存じでしょうか。

車体が長いほど小回りが難しくなり、左折先の道幅が狭いほど、内輪差による事故を避けるため大回りします。後続車から見れば、無駄に大回りしているように見えるため、乱暴な運転と誤解されることもしばしばあります。

15年ほど前は、まだ女性のバス運転士は少なく、良くも悪くも目立っていました。いつものルートを運行中、左折後の信号が赤になり停車していたときのことです。

運転席の窓を叩く音が聞こえ、外を見てみると「窓を開けろ!危ない運転をするな!」と突然叫ばれました。しかし、一瞬運行中の状況が頭をよぎりましたが、冷や汗をかくような場面もなく、私には身に覚えがありません。

左折時にバスが膨らんだことがトラブルに

信号停車中なのに、相手の男性が運転席のすぐそばに立っているため、信号が青に変わっても発進できそうにありません。そこで、まずは怒っている理由を聞くことにしました。

どうやら、直進する予定の後続車だったようで、バスが左折する際に追い抜こうとして、バスが幅寄せしてきたと感じたようです。しかし、煽り運転のように指摘されても、通常通り、内輪差に注意していただけで、後続車を邪魔するつもりは全くありません。

車体の長さによって起こる「オーバーハング」が原因だと気づくまで、意外にも時間がかかったことを覚えています。

オーバーハングとは、ハンドルを据え切りした際、車体の後部が進行方向とは逆側に膨らむことを指します。

バス業界では当たり前のオーバーハングですが、意外にも一般的な事故防止の知識としては、広まっていなかったと後に実感しました。

今も心に残る去り際の「ある言葉」

車両の特性であることを伝えましたが、信号が青になっても納得してもらえません。さらに、入庫後にドライブレコーダーを見たいとの話にまで発展しました。

運行が終了し、車庫へ入庫すると相手の男性が待ち構えています。一緒にドライブレコーダーを見てもらいましたが、やはり異常な運転行動は見当たりません。

再度、上司とともにオーバーハングについて説明し、実際にバスを動かして内輪差の危険性も実演しました。そこで、ようやくバスの内輪差やオーバーハングについてご理解いただき、上司とともにホッとしたことを今でも思い出します。

また、去り際に相手の男性が私に向かって放った言葉も、まだ忘れられません。

「女性だからややこしい。運転が上手なわけがない。今度から紛らわしい運転をするな」

令和の今では信じられないような発言ですが、当時はまだ、そうした言葉を耳にすることも決して珍しくはありませんでした。

バスの右左折時には車両後部のはみ出しにご注意を

車両の特性上、バスの右左折時は、車両後部が予想よりも多くはみ出してくる可能性があります。とくに、バスの後続を走行する際は、無理な追い越しは絶対にやめてください。

安全確保を確認してから右左折を開始するバスは、速度も十分に落とします。周囲の車よりも速度が遅くなるため、タイミングが合わず、後続車から追突されてしまうこともあります。

バスが右左折する際、とくにスピードを落としているときは、内輪差やオーバーハングに注意を払っているときです。後続車の動きを見て、曲がるタイミングをはかっています。

ゆっくりとしたバスの大きな動きは、決して無駄なものではありません。過去の経験から、今でもマイカーの運転をする私は、バスに先を譲り、マイペースで走行できるよう心掛けています。


ライター:Venus☆トラベル

近畿地方でバスの運転に関わる仕事に携わって約12年、多くの送迎バスを運転しました。幼稚園や自治体、企業や施設など、それぞれの場所で学ぶことが多くありました。その反面、運転士視点で感じた心の声をリアルにお届けします。


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