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10年前、塾の最終バスに乗ったはずの生徒が「23時過ぎても帰宅しない」→親と警察で捜索した結果、発見場所に「仰天しました」

  • 2025.12.1
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。送迎バスの運行管理やバス運転士の経験を持つVenus☆トラベルです。

子どもの習い事では、地方に行くほどスクールバスを運行する施設が多い傾向があります。また、都市部でも広範囲を対象とする施設や夜間の移動が必要な施設などでも、送迎バスの運行が見られます。

今回紹介するのは、10年ほど前に塾のスクールバスを運行していたときのお話です。

夜、帰宅するはずの子どもが帰宅しない…

塾や警察を巻き込んで、大騒動となった生徒の仰天エピソードを紹介します。

どのバスも同じに見える子ども視点

都市部に近いベッドタウンのなかには、道路が立体交差する街もあります。当時、そんな街中にある学習塾の送迎バスを運行していました。

中学生や小学生の送迎が主となるスクールバスでは、バスの運転士に名簿は渡されません。そのため、運転士自身が生徒とコミュニケーションを取りながら、生徒の特徴や利用するバス停を覚える必要があります。

なかには、体験授業でスクールバスを利用する生徒もおり、ベッドタウンであるため引越して間もない生徒も乗車します。

ベッドタウンを網羅するように走る塾の送迎バスは、全部で12台と多く、生徒の乗り間違い防止のため、色分けされていました。しかし、子ども視点では色が異なっても、どのバスも同じバスに見えるようです。

乗り間違えた生徒は、塾の前で自分が降りた場所にあったバスに、そのまま乗り込んでしまったようでした。

塾が終わる時間になっても帰宅しない生徒

塾の送迎バスは、隣接する市の端まで運行します。そのため、送迎バスはそれぞれ多方面に分かれ、指定のルートで生徒をバス停まで送ります。

最終授業が終わるのは22時10分、バスの最終便は22時20分発と夜遅いものの、生徒は23時頃には帰宅できる運行ダイヤです。

しかし、その日は引越してきて間もなく、初めて送迎バスを利用した生徒が1台のバスに乗車していました。23時になり、塾に1本の電話が入り、中学生の生徒が帰宅していないことが発覚したのです。

当時は、まだ携帯電話を持っていない子どももおり、行方不明となった生徒も、親が子どもに携帯電話を持たせていませんでした。生徒の親や塾のスタッフ、警察にも連絡し、生徒の大捜索が始まります。

不安の親と楽観的な子ども

生徒は、バスの乗り間違いに気づき、塾で仲良くなった友達の家に立ち寄っていました。そのことが分かったのは、友人宅から自宅へ生徒が電話をした23時30分のことでした。

子どもが帰宅途中で行方不明になったと親が知ってから、たった30分の出来事でした。しかし、子どもと連絡がつかず、ベッドタウンは暗い夜道が多くあります。

親が子どもを心配し、最悪なことまで考えてしまうには十分な時間だったことでしょう。

一方で、子どもは楽観的なものです。帰り道が分からないので友人宅に立ち寄り、地図を見せてもらおうと思っただけだったようです。

夜中と言っても過言ではない時間帯ですが、子どもが塾に通っていると、夜の外出は珍しいものではなくなりがちです。そのため、友人も友人の親でさえも、「生徒の親も分かっているだろう」と思い込んでいました。

子どもが見つかって涙を流す親と、笑いながら親が待つ塾に友人と歩いてくる生徒…あまりにも対照的な姿に、自分の子どもも同じだろうかと考えたものです。

中高生の子どもには連絡ルールとサポートが大切

中高生の子どもは、ときに大胆な行動を取るのだと、当時は驚きを隠せませんでした。私自身にも当時中学生の子どもがおり、「何かあれば連絡してくるだろう」と生徒の親と同じ気持ちだったからです。

今でこそ、スマートフォンの急激な普及で、小学生でも欠かせないものとなりました。しかし、スマートフォンがあるからと言って、子どもが意識しなければ連絡してこない可能性があります。

子ども一人で通える習い事でも、親は過信せず、「予定時間が遅れるときは連絡する」というルール作りが大切です。親との連絡ルールを作り、サポートすることが子どもの将来につながると実感した出来事でした。


ライター:Venus☆トラベル

近畿地方でバスの運転に関わる仕事に携わって約12年、多くの送迎バスを運転しました。幼稚園や自治体、企業や施設など、それぞれの場所で学ぶことが多くありました。その反面、運転士視点で感じた心の声をリアルにお届けします。


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