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「家にいたのに不在票が!」母の日の花が…→元ドライバーが明かす「在宅なのに“不在扱い”」になってしまう悲しいワケ

  • 2025.11.5
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

こんにちは。元宅配ドライバーのmiakoです。

「時間指定」はとても便利な仕組みですが、実はトラブルの原因になることもあります。とくに贈り物のシーズンは、「この時間なら家にいるだろう」と相手に確認せずに指定してしまうケースも少なくありません。

せっかくのプレゼントが届かなかったり、「家にいたのに不在票が入っていた」と誤解を招いてしまうことも…。

今回は、母の日シーズンに体験した「時間指定トラブル」についてお話しします。

“便利さ”の裏にある落とし穴

宅配業における『時間指定』。

お客様のニーズに合わせて、配達時間を指定してお届けするサービスです。生活リズムに合わせて荷物を確実に受け取れるので、とても便利な仕組みです。

しかし、時には「相手の都合を確認しないまま時間指定をする」ことが、思わぬトラブルにつながることがあります。

時間指定は、ご自身の都合で指定することが一般的ですが、贈り物の場合、「大体この時間なら家にいるだろう」とつい相手に確認せずに時間指定をしてしまう場合もあるのではないでしょうか。

普段届くことのない荷物が、思いがけないタイミングで、よく知る名前の差出人から自分宛てに届く。

こんなサプライズの現場に居合わせると、受け取った瞬間のお客様の笑顔を見ると、「この仕事をしていてよかった」と思えるほどのご褒美をいただいた気分になります。

けれど、そのサプライズが、時には困った事案を起こすこともあるのです。

サプライズの裏で起きた“困った現場”

あれは、母の日シーズンの贈り物の荷物が増えた時のこと。

18時~20時の時間指定で、お花が入った荷物をお届けに伺いました。

ところが到着してみると、門はしっかり施錠され、インターホンは門から離れた家のドアのそば。

呼び鈴を鳴らすこともできません。無理に入れば不法侵入になってしまいます。

玄関ライトが灯り、家の中からは明かりがもれていました。駐車スペースには車もあり、どうやらご在宅のようです。

ですが、伝票に電話番号の記載はなし。

これでは電話でお呼びすることもできません。

「すみませーん!」と声をかけても、反応はありませんでした。

箱の隙間からは生花の気配。

早く渡したいのに、渡せない。ご在宅なのに、不在票を入れるしかない…。

これが本当に困る瞬間です。

「家にいたのに不在票!」の本当の理由

今回のように、呼び鈴を鳴らしてもドアを叩いても反応がなく不在票を入れると、あとから「家にいたのに!」とクレームをいただくことがあります。

宅配員の呼びかけに気づかない理由として、さまざまな要因が考えられます。

たとえば、

  • 車通りの多い場所では走行音にチャイムの音がかき消されてしまう
  • インターホンの音量が小さい、電池切れや故障で鳴らない
  • 掃除機やテレビの音に紛れて気づかない
  • 庭にいたり、お風呂やトイレにいたり、家事や育児などで手が離せない

本当にさまざまな理由で、タイミングが悪く「聞こえていない」「出られない」ことがあるのです。

私たち配達員は、決して“面倒だから”不在票を入れるわけではありません。

「今は忙しそうだから、落ち着いたら連絡をもらおう」

そう思いながら、後ろ髪を引かれる気持ちで不在票を入れています。本音を言えば、その場でお渡しできるのが一番です。

私が経験した中では、伝票の電話番号が空欄や、ダミー番号(0000など)になっているケースもありました。こうした場合、こちらから確認のしようがなく、お届けが難しくなる場面もあります。

いざという時の連絡のために、正しい電話番号を記載していただけると本当に助かります。

確実に届く“ひとこと確認”の大切さ

贈り物はとても素敵な文化です。受け取った方の笑顔を見られる瞬間は、配達員にとっても最高のご褒美です。

ですが、せっかくの贈り物を確実に届けるためには、ほんの少しの確認がとても大切です。

「○○便で荷物を送るけど、何日の何時なら家にいる?」

たった一言で、トラブルのほとんどは防げます。

時間指定はとても便利な仕組みですが、「送る側の都合」だけで設定すると届かないこともあります。サプライズしたい気持ちは理解できますが、相手の予定を確認しないと受け取ってもらえないこともあります。

記念日旅行や帰省、入院などで数日間家を留守にしていると、最悪の場合、連絡がつかないまま保管期限が過ぎて返品になってしまうこともあるのです。

「せっかくの贈り物が相手に届かない」

そんな残念な結果を避けるためにも、事前に「受け取れる時間帯」を一言だけ確認しておくことが、結果的にお互いのためになるのです。

『時間指定』はぜひ活用して欲しい仕組みです。

ただ、相手の生活リズムを少しだけ想像して、受け取りやすい時間帯を選ぶと、受け取る側も嬉しいですし、送る側としても安心できると思います。

配達員たちは、お客様の「届いてよかった」という笑顔を守るために、今日も一つひとつの荷物に心を込めてお届けしています。



ライター:miako

宅配ドライバーとして10年以上勤務しました。現場で感じたことや、お客様とのやり取りの中で見えてきた、働く人・届ける人・受け取る人などの「宅配にまつわるリアル」を、やさしい言葉でお届けします。


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