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「全部バレてます」元ホテルマンが明かす、シングル予約で『こっそり2人宿泊』が“即バレ”するワケ

  • 2025.11.10
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出典:photoAC(写真はイメージです)

「シングルで予約して、2人で泊まる」

1人分の宿泊費を浮かせる、安易な不正行為。「自分たちならバレないだろう」と考える人もなかにはいるようですが、元ホテルマンのAさんは「全部バレてます」と断言します。

大手ホテルチェーンに4年間勤務した(2025年10月時点)Aさんによれば、このようなケースは「ざらにある」とのこと。しかし、その不正はホテル側にほぼ確実に把握されているというのです。

今回は、その知られざる検知システムの実態をAさんに伺いました。

「シングルで予約してるのに…」

宿泊人数の不正は、ホテル側にバレるものなのでしょうか。Aさんは即答します。

「バレますね。『シングルで予約しているのに、もう1人連れ込んでいるな』というケースは、“ざらにあります”。特に小規模なホテルであれば、バレる可能性は非常に高いです」

防犯カメラとホテルマンの「認識力」

では、ホテル側はどうやって不正に気づくのでしょうか。不正が発覚するまでの過程をAさんは丁寧に説明してくれました。

「まず、フロントでチェックインされる際に、お客様の顔を認識しています。その後、エレベーターの中や廊下に設置されている防犯カメラで確認できます」

宿泊客の安全確保や盗難防止のために設置された共有スペースの防犯カメラ。このような不正を確認するのにも利用されているのです。

「エレベーターを降りてどちらの部屋に向かったかで、だいたい見当がつきますし、『チェックインした情報と違う人が入っていった』というのはすぐにわかります」

ホテルのフロントスタッフは、接客のプロとして宿泊客の顔や名前など一通り認識しています。その能力が、宿泊人数の不正発覚にもつながっているのです。

法律上も、宿泊客全員の情報把握が必要

個人の情報を防犯カメラ等で確認する行為は、法律的に問題はないのでしょうか。

Aさんによれば、法律上、宿泊施設は宿泊客全員の情報を把握する必要があるといいます。

宿泊施設では、安全管理やトラブル防止の上でも宿泊客の情報は必要不可欠。例えば火災や災害、感染症拡大の際には迅速に宿泊客の情報を把握できなければなりません。

シングルとダブルの区別があいまいな部屋では

とはいえ、近ごろはシングルとタブルの区別があいまいな部屋も増えています。Aさんは最近の事情も解説します。

「最近は、『シングルルーム』として販売していても、実際にはセミダブルやダブルベッドが置いてある部屋を使っているケースが多いんです。そういった部屋の場合、定員が2名になっているので、1人で予約して2人で泊まっても、定員内の利用ということで黙認されることもあります。ただ、本来であれば、2名分の料金をいただくべきなんですが」

部屋の定員内であれば、必ずしも追加料金が発生しないケースもあるとのことですが、原則2人で宿泊する予定があるなら、予約の段階で必ず確認するようにしましょう。

「バレていない」のではなく「把握されている」

「シングルで予約して2人で泊まる」この安易な不正行為は、私たちが思う以上にホテル側に把握されています。

Aさんの言葉は、「バレていない」のではなく「あえて声をかけられていない」だけかもしれない、という現実です。

ホテル側が気づかないだろうという安易な考えは、フロントと防犯カメラの監視網の前では通用しません。「自分だけは大丈夫」という考えがいかに無防備であるか。そして、その行為がホテルの安全管理の根幹を揺るがすリスクであるか。

宿泊する際、ルールは必ず守るようにしましょう。


取材協力:元ホテルマンAさん

20代後半の男性。大手ホテルチェーン従業員として4年間のキャリアを経て、現在は旅行業界で勤務している。


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