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「バレてます」元ホテルマンが明かす、禁煙ルームで『こっそり喫煙』のウラ側…客が知らない“清掃事情”

  • 2025.11.11
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

「うわ、この部屋、絶対吸ってるだろう」

清掃のために客室のドアを開けた瞬間、元ホテルマンのAさんは思わずそう呟くことがあったといいます。

禁煙ルームにもかかわらず、そこにはタバコの臭いがこびりついている。またあるときは、客室で髪染めが行われ、タオルや浴槽が変わり果てた姿になっていたことも。

「自分くらいならバレないだろう」

一部の宿泊客のマナー違反が、実はホテルの現場に想像以上の手間とコストをかけさせています。

その知られざる実態を、大手ホテルチェーンで4年間勤務したAさん(2025年10月時点)が静かに明かしてくれました。

「タオルがめちゃくちゃに…」客室で髪染め、その惨状

まず伺ったのは、客室の「汚損」の実態です。ひどい汚れに直面した経験について、Aさんは当時を振り返り語ってくれました。

「お客様が客室で髪染めをされて、タオルや浴槽が汚れてしまった事例はありましたね。タオルがめちゃくちゃ汚れていることは結構あります」

それらの汚れた備品は、洗濯すれば元に戻るのでしょうか。Aさんはシビアな現実を話します。
「洗っても落ちないほどのひどい汚れの場合は、もう廃棄になります。ベッドのシーツなどが汚れいているケースもかなりありますね」

廃棄一択。それはつまり、新しい備品を補充するコストが丸々発生することを意味します。Aさんの口調は淡々としていましたが、それが日常の光景であったことの裏返しなのかもしれません。

「絶対吸ってるだろう…」バレていないつもりの“禁煙ルーム破り”

ホテルを悩ませる問題は目に見える汚損だけではありません。Aさんは喫煙の問題を挙げました。

「『禁煙ルーム』でタバコを吸うお客様もたまにいらっしゃいました。『うわ、この部屋、絶対吸ってるだろう』と思う部屋はありましたし、基本的にバレてます」

Aさんは苦笑いしながら当時の状況を振り返ります。そのような場合、宿泊客に注意することはあるでしょうか。Aさんは当時の対応を明かしてくれました。

「私の経験では、お客様に直接指南することはありませんでした。だいたいそういうときは、お客様がチェックアウトされた後なので…」

宿泊客には言わない「オゾン消臭」という静かな戦い

宿泊客が去った後、現場では静かな「戦い」が始まります。Aさんによれば、見えないところで特別な対応が行われるといいます。

「ただ、喫煙が発覚したときは、お客様がチェックアウトされた後に部屋にオゾン発生器を入れます。オゾンを焚いて、徹底的に消臭処理をするんです」

Aさんがホテルの客室で使用した「オゾン発生器」は強い酸化力で臭いの元を分解する機器のこと。Aさんによると、「オゾン消臭により元通りになれば客室は再販売可能」とのことですが、当然、その処理中は部屋を販売できず、作業の手間もかかりホテルにとっては二重の負担になります。

すべては、次の宿泊客に快適な空間を提供するための作業なのです。

「自分くらいなら」の想像力

「自分くらいならいいだろう。バレないだろう」

その軽い気持ちが、備品の廃棄や特別な清掃作業という形で、ホテル側に大きな負担を生んでいます。

私たちが快適に過ごす部屋は、その前に利用した誰かがいて、そしてホテルスタッフの懸命な清掃と準備があってこそ成り立っている。

Aさんの静かな言葉は、ホテルを利用する私たちに、そんな当たり前の事実を思い出させてくれます。

取材協力:元ホテルマンAさん
20代後半の男性。大手ホテルチェーン従業員として4年間のキャリアを経て、現在は旅行業界で勤務している。


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