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ラズベリー、クランベリー、マルベリー…似ているようで違うベリー類の種類と特徴 栄養士直伝“手作りジャム”の作り方も解説

  • 2025.8.23

]さまざまなベリー類の種類と栄養の特徴

さまざまなベリー類の種類と栄養の特徴
さまざまなベリー類の種類と栄養の特徴

夏に食べ頃を迎えるベリー類はブルーベリーだけではありません。この記事では果実名に「ベリー」が付くもの、ブルーベリーや木イチゴに似ている果実にスポットをあてたいと思います。手作りジャムの作り方もご紹介しますので、フレッシュな果実に出会えたら挑戦していただけたらうれしいです。

・ブルーベリー

今まさに旬のブルーベリー。抗酸化力の高いアントシアニンが豊富!
今まさに旬のブルーベリー。抗酸化力の高いアントシアニンが豊富!

ツツジ科スノキ属。北アメリカ原産で世界に200以上の品種が存在。6~9月初め頃が果実の食べ頃。甘みと酸味のバランスが整っています。青紫色の果実には目の健康に良いとされるアントシアニンが含まれています。

ラズベリー

香り高さも特徴のラズベリー。ビタミンや
香り高さも特徴のラズベリー。ビタミンや

ミネラルなどの成分がたっぷり。バラ科キイチゴ属。木イチゴの一種で、6?8月が出回り時期。ブルーベリーよりもビタミンCや葉酸、鉄、亜鉛、カルシウム、カリウムなどのミネラルが豊富。アントシアニンのほかにもルテインを含み、抗酸化作用がより高いこともポイントです。また、美白作用があるとされるエラグ酸も含まれています。

・ブラックベリー

熟すと黒くなるブラックベリー。ビタミンC豊富な甘酸っぱさが特徴!
熟すと黒くなるブラックベリー。ビタミンC豊富な甘酸っぱさが特徴!

こちらも木イチゴの一種(バラ科キイチゴ属)。欧米で夏のフルーツとして人気で、艶やかな黒っぽい見た目通り、ポリフェノールのアントシアニンが豊富。酸味が強めで、ビタミンCやクエン酸が多く含まれています。生食よりもジャムや果実酒の加工に向いています。

・マルベリー(桑の実)

木いちごに似たマルベリー(桑の実)。漢方薬としての活用も。
木いちごに似たマルベリー(桑の実)。漢方薬としての活用も。

クワ科クワ属で、蚕(かいこ)のエサとして古来より栽培されてきた桑の果実。6~7月に実を結びます。やわらかく傷みやすいため、市場に出回ることは少なめ。ブラックマルベリーはビタミンCとアントシアニンが豊富。ホワイトマルベリーを乾燥させた生薬は漢方で「桑椹(そうじん)」と呼ばれ、貧血、めまい、かすみ目などの改善に用いられています。

・クーズベリー(クズベリー)

紙風船のような見た目が愛らしいクーズベリー。
紙風船のような見た目が愛らしいクーズベリー。

ユキノシタ科スグリ属。6~7月に実を結びます。ヨーロッパ系(西洋スグリ)、アメリカ系(アメリカスグリ)があります。果肉がゼリー状をしていて、熟すと緑色になる品種と赤色になる品種があります。酸味が強いため主にジャムやゼリーなどに加工されます。βカロテン、ビタミンC、クエン酸、鉄、葉酸がバランスよく含まれています。

・ハスカップ

ハスカップの生果は保存が難しく超レア。夏の北海道で出会えたらラッキー。
ハスカップの生果は保存が難しく超レア。夏の北海道で出会えたらラッキー。

スイカズラ科スイカヅラ属。初夏が旬。北海道に自生し、古くからアイヌの人たちの間で不老長寿の実として珍重されてきました。ビタミンCがブルーベリーの4倍以上、ラズベリーの2倍含まれ(※1)、アントシアニンの含有量はブルベリーの3倍以上と言われています。ジャムやお菓子、ジュースなどに加工され、北海道の特産品となっています。(※1)『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年版』より

ほかに、冬が食べ頃のベリー類として、ブルーベリーと同じツツジ科スノキ属に分類される「クランベリー」があります。

酸味が強く、生食は不向きのクランベリー。料理のソースやドライフルーツとして人気です。
酸味が強く、生食は不向きのクランベリー。料理のソースやドライフルーツとして人気です。

欧米では感謝祭やクリスマスで七面鳥の丸焼きに添えるソースとして親しまれています。ポリフェノールの中でも非常に抗酸化力が高いプロアントシアニジン、カルボン酸の一種で膀胱炎や尿路結石の予防効果が期待されているキナ酸が含まれています。

覚えておくと便利!手作りジャムのレシピ

▲ブルーベリー、ラズベリー、ストロベリーなどのミックスベリージャムも素敵。
▲ブルーベリー、ラズベリー、ストロベリーなどのミックスベリージャムも素敵。

手に入りやすいブルーベリーをはじめ、夏が旬のベリー類に出会えたら、フレッシュな果実をそのまま楽しむだけでなく、手作りジャムに挑戦してみてはいかがでしょうか。

<材料>・好みの果実(生または冷凍したもの):500g・砂糖:300~400g(果実重量の60~80%が目安)・レモン汁:1/2個分

<作り方>(1)果実を流水で傷つけないよう、たっぷりの水に浸して優しく洗い、ザルにあげて水気を軽く切ります。(2)ホーローかステンレスの鍋に果実を入れ、砂糖を振りかけるように加え、火にかけ、アクが出てきたら取り除きながら15分程度煮る。(3)ヘラなどで押して実が崩れるまでやわらかくなったら、最後にレモン汁を加えて、とろみが出てきたら火を止める。熱いうちに、煮沸消毒した保存瓶に詰めましょう。

砂糖は、色よく、後味すっきりした甘さに仕上げたい場合はグラニュー糖か上白糖がおすすめですが、きび砂糖や三温糖でも問題ありません。なお、砂糖の割合が多いと、ゼリー化しやすく保存性も高まる利点があります。レモン汁を加える理由は、果実だけでは足りないペクチンを補いうためです。ペクチンが多いラズベリーを使う場合はレモン汁なしでもゼリー化しやすいので、様子を見て加えてもいいでしょう。完成したベリージャムは食パンやパンケーキと一緒に、またヨーグルトやアイスクリームなどのトッピングに大活躍すること間違いなしです。

※参考文献:杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、三輪正幸監修『からだにおいしい フルーツの便利帳』高橋書店,2015、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、上西一弘ほか監修『健やかな毎日のための栄養大全』NHK出版,2022、一般社団法人 日本果樹種苗協会(果種協)監修『図説 果物の大図鑑』マイナビ出版,2016、谷口亜樹子編著『食品加工学と実習・実験 第2版』光生館,2020

(野村ゆき)

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