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『認知症になりにくい人』には“腸に共通点”があった。医師が明かす、脳の老化を防ぐ「意外な習慣」とは?

  • 2026.3.2
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

近年、認知症予防において「腸内環境」が大きな注目を集めています。

脳の健康と腸の状態が密接につながっているという新たな研究成果が続々と発表され、これまでの認知症予防の考え方に大きな変化が生まれています。あなたの腸内環境が、将来の記憶力や認知機能にも大きな影響を与えるかもしれません。

今回は医師の目線から、脳と腸の意外な関係性と、普段の生活でできる簡単な腸活について紹介していきます。

腸と脳の“連携”がもたらす認知症予防の新視点

認知症とは、記憶力や判断力などの認知機能が徐々に低下する症状の総称ですが、その予防には食生活や運動、社会的な交流など、さまざまな要素が関わることが知られています。

しかし近年、脳だけでなく「腸」の健康が認知症予防に重要だという見方が急速に広まっています。これは「脳腸相関」と呼ばれる現象で、腸と脳が神経や免疫、ホルモンなどを介して双方向に影響し合うメカニズムを指します。

例えば、腸内に存在する善玉菌は、神経伝達物質の材料となる物質を作り出し、脳の働きをサポートしています。また、悪玉菌が増えると腸の炎症やバリア機能の低下を引き起こし、これが全身の炎症を悪化させて脳の健康も損ないます。こうした発見により、腸内環境を整えることが脳の老化防止に直結すると考えられるようになりました。

腸内環境を整えて認知症を予防しよう

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

腸は「第二の脳」とも呼ばれています。腸内細菌は数百兆個以上存在し、そのバランスが脳の健康やストレスの感じ方、睡眠にも影響を及ぼします。良質な善玉菌を増やすことで腸の炎症が抑えられ、脳への悪影響を防ぐ効果が期待できるのです。

実際に腸内環境を良くする生活習慣としては、例えば食物繊維を豊富に含む野菜や豆類、ヨーグルトなどの発酵食品を積極的に摂取することが効果的です。これらは善玉菌のエサとなり、腸内環境の改善につながります。また、適度な運動も腸の蠕動運動を活発にし、便通の改善や腸内フローラの多様性向上に役立ちます。さらには質の良い睡眠やストレスの軽減も腸内環境を良好に保つポイントです。

いずれも日々の生活の積み重ねが基本。腸と脳の健康は切っても切れない関係であることを理解し、無理なく続けることが大切です。

認知症予防は食生活もカギに

認知症予防において腸内環境の改善が重要だという事実に驚いた人も多いでしょう。脳ばかりに意識を向けがちですが、腸の健康こそがその土台となり、認知機能をサポートしているのです。

毎日の食生活で発酵食品や食物繊維をしっかり摂ること、適度な運動、ストレス管理などの「腸を労わる習慣」は、未来の自分の記憶や判断力を守るための強い味方となるでしょう。

認知症になりたくないけれど何から始めればいいかわからない…そんな方は、まずは「腸内環境」の見直しから始めてみてはいかがでしょうか。小さなケアの積み重ねが、脳の健康を長く保つことにつながるでしょう。


監修者:林裕章(はやし・ひろあき)
林外科・内科クリニック(https://www.hayashi-cl.jp/)理事長

国立佐賀医科大学を卒業後、大学病院や急性期病院で救急や外科医としての診療経験を積んだのち2007年に父の経営する有床診療所を継ぐ。現在、外科医の父と放射線科医の妻と、全身を診るクリニックとして有床診療所および老人ホームを運営しており、医療・介護の両面から地域を支えている。また、福岡県保険医協会会長として、国民が安心して医療を受けられるよう、また医療者・国民ともにより良い社会の実現を目指し、情報収集・発信に努めている。
日本外科学会外科専門医、日本抗加齢医学会専門医