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『親知らずが腫れてる…』“市販の痛み止め”を飲んで放置→ある朝、口が開かなくなり…20代男性の身体を襲った“思わぬ病”

  • 2026.6.11
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出典元:pgotoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。歯科医師として、日々さまざまな歯や口のトラブルに向き合っている鷹巣多紀です。

親知らずが腫れたとき、「どうせ数日で引く」「薬で乗り切ればいい」と考えた経験がある方は多いのではないでしょうか。仕事や生活が忙しいと、受診のタイミングを後回しにしてしまうこともあると思います。

今回は、親知らずの腫れを繰り返しながら受診を先延ばしにしていた20代の男性の方に起きたことを紹介します。

Aさんに起きたこと

20代の会社員Aさんも、そのひとりでした。

下の親知らずのあたりが何度か腫れ、そのたびに手元にあった市販の痛み止めを飲んで様子を見ていたといいます。仕事が立て込んでいる時期と重なることが多く、歯医者に行く時間をなかなか作れなかったと話していました。

腫れが引くたびに「また治った」と判断し、次に腫れるまでは特に気にしないようにしていたそうです。

ところがある朝、口が指2本分ほどしか開かない状態になりました。食事をとろうとしても十分に口を動かせず、会話にも支障が出て、Aさんは初めて「これは普通ではない」と感じたといいます。

受診した歯医者では、「繰り返し腫れているようなら、早めに対処が必要な状態かもしれません」と説明されました。智歯周囲炎(ちしししゅういえん)が周囲の組織に広がっている可能性があるとのことで、紹介先の医療機関で処置を受けることになり、抜歯の時期についてもそこで改めて相談することになったそうです。

腫れが引いても原因が残ることがある

智歯周囲炎とは、親知らずの周りに食べかすや細菌がたまり、歯茎が炎症を起こした状態のことです。親知らずは一部だけ見えていたり、斜めに傾いたりしているケースが多く、歯ブラシが届きにくい構造になっています。そのため汚れがたまりやすく、繰り返し炎症が起きやすい部位です。

腫れが引いたことと、炎症の原因が解決したことは、別の話です。繰り返し炎症が起きているうちに、周囲の組織へ影響が及ぶことがあります。口が開きにくくなる状態(開口障害)はその一例で、あごや首のあたりの組織に炎症が波及すると、口の開閉に必要な動きが制限されるケースもあります。

早めに相談したいサイン

同じ状況を避けるために、次の点を確認しておきましょう。

腫れや痛みが数日で引かない、飲み込みにくさや発熱がある、口の開きが悪くなってきた、といった状態は、早めに歯医者に相談するサインです。市販の痛み止めは痛みを一時的に和らげるものであり、炎症の原因に直接働きかけるわけではありません。症状を繰り返している場合は、早めの受診を検討してください。

以前に処方された抗菌薬(抗生物質)を自己判断で飲み直すことは、症状の正確な評価を難しくするだけでなく、耐性菌の問題からも望ましくありません。気になる症状があれば、薬の使い方も含めて歯医者に相談することをお勧めします。

親知らずの腫れを繰り返すときは原因を確認する

親知らずをすべて抜く必要があるわけではありませんが、炎症を繰り返している場合は、抜歯を含めた選択肢について歯科で確認しておくことが大切です。「腫れが引いたから様子見」を何度も重ねる前に、一度相談しておくことが、その後の経過を左右することがあります。


執筆・監修:鷹巣 多紀
大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。
歯科医師ママkiki|note: https://share.google/uUYsDiSMnkNKZCrOw

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