1. トップ
  2. ヘルスケア
  3. 「太りにくくなる」毎食に“卵”を追加した40代男性→“これで痩せる”と思いきや…管理栄養士に告げられた“想定外の事実”

「太りにくくなる」毎食に“卵”を追加した40代男性→“これで痩せる”と思いきや…管理栄養士に告げられた“想定外の事実”

  • 2026.6.10
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

スポーツジムの管理栄養士として、栄養面からダイエットや健康維持のサポートをしている工藤まりえです。

テレビ番組で紹介された「食事に卵を追加すると太りにくい」という検証が話題になりました。卵はたんぱく質が豊富で満腹感を得やすく、実際に食事量の調整につながるケースもあります。

一方で、“満腹感がある=健康的”とは限りません。特に40代以降は、体重だけでなく、野菜・食物繊維・ビタミン類など食事全体のバランスも重要になります。

今回は、テレビをきっかけに卵を積極的に取り入れ始めた40代男性が見落としていたポイントを解説します。

「やらない手はない!」と始めた卵生活

先日放送されたテレビ番組で、「普段の食事に卵を追加すると太りにくくなる」という検証が行われていました。普段の食事に、様々な卵料理を食事にプラスした人と、そうでない人を比較したところ、卵を取り入れた側は満腹感が得られやすく、体重も増えにくいという結果が紹介されていました。

この内容は大きな反響を呼び、私の担当するジムでもトレーナーたちの間で話題に。

そんな中、あるトレーナーから相談を受けました。

「実際のところ、本当に卵を足すだけで太りにくくなるってどうなんですか?」

話を聞くと、そのトレーナーが担当している40歳のTさんが、番組を見てすぐに実践していたそうです。

Tさんはもともと健康への関心が高く、「卵を足すだけでいいなら、やらない手はない」と考えました。特別な食事制限も必要なく、好きな卵を追加するだけ。手軽に始められる点にも魅力を感じたそうです。

朝食にはゆで卵を追加し、昼食や夕食でも卵料理を意識的に増やす生活をスタート。期間は3〜4日ほどでしたが、以前よりお腹が空きにくくなった感覚があり、本人としてはかなり好印象だったといいます。

体重にも大きな変化はなく、「ラーメンや牛丼食べたけど体重変わらずだよ!」と話されていたそうです。

一方で、トレーナー自身は少し懐疑的でした。そこで私に相談が回ってきたのです。

卵を増やすと、本当に太りにくくなるのか?

結論から言うと、「卵を食事に追加すると太りにくくなる可能性はある」が、「卵を食べれば痩せる」というわけではありません。

番組でも紹介されていましたが、その理由のひとつが「食事誘導熱産生」です。

食事誘導熱産生とは、食べたものを消化・吸収・代謝する際に消費されるエネルギーのこと。栄養素によってその割合は異なり、脂質や糖質に比べて、たんぱく質は消化や代謝に多くのエネルギーを必要とします。

卵は良質なたんぱく質を豊富に含むため、食事全体のたんぱく質量が増えれば、その分エネルギー消費も増えやすくなります。また、たんぱく質は満腹感を得やすい栄養素でもあるため、間食や食べ過ぎを防ぐ効果も期待できます。

実際にTさんも、「お腹が空きにくくなった」と話していました。

そのため、番組の結果やTさんの体験には、栄養学的にも十分納得できる部分があります。

ただし、ここで注意したいのは、「満腹感がある」「体重が増えない」ことと、「健康的な食事」であることは必ずしも同じではないという点です。 

40代からは「太らない」より「整う」を意識したい 

Tさんの食事内容を詳しく聞いてみると、卵を追加したことで以前より満腹になるのが早くなり、間食もなくなったとのこと。ただし、本人は気付いていませんでしたが、卵でお腹が満たされる分、野菜などの副菜を食べる量や機会が減っていたのです。

体重が増えていなくても、野菜から摂れる食物繊維やビタミン、ミネラルが不足してしまっては、長期的な健康管理という点では課題が残ります。

特に40代以降は、体重だけでなく血圧や血糖値、コレステロール値なども気になり始める年代です。だからこそ、「太らない食事」ではなく、「必要な栄養素をしっかり摂れる食事」という視点も欠かせないのです。

私からは、いつもの食事に「卵を足す」だけでなく、「卵を足したうえで何を食べるか」を意識してみてはどうでしょう、とお伝えしました 。

例えば、ゆで卵を食べるならサラダも一緒に食べる。卵かけご飯にするなら、具だくさんの味噌汁や野菜のおかずを添える。そんな小さな工夫だけでも、食事全体の栄養バランスは大きく変わります。

卵にはたんぱく質やビタミンB群などが含まれていますが、食物繊維やビタミンCはほとんど含まれていません。そのため、野菜や果物と組み合わせることで、お互いの不足を補い合うことができます。

健康情報があふれる今の時代は、どうしても「○○を食べると健康になる」という話題に目が向きがちです。しかし、本当に大切なのは特定の食品ではなく、毎日の食事全体のバランスです。

卵は健康づくりの強い味方ですが、主役はあくまで食事全体。40代以降は「太らない食事」だけでなく、「体を整える食事」という視点も忘れないようにしたいですね。


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。

の記事をもっとみる