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『退職金を早く使い果たす人』が無意識にやっている…危険な“3つの支出”とは?

  • 2025.8.22
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

長年の勤労のご褒美として支給される退職金。夢の使い道を思い描きつつも、気づけば手元のお金があっという間に消えていた…そんな経験はありませんか?退職後の生活を豊かにするためにも、退職金の使い方はとても重要です。しかし、多くの人が無意識のうちに危険な“支出”に手を伸ばし、資金が底をついてしまう現実があります。今回は、退職金を早く使い果たしてしまう人がやりがちな「3つの支出」にスポットを当て、その背景と対策についてわかりやすく解説していきます。

知らずにハマる!退職金がなくなる“危険な支出”とは?

退職金は、まとまった資金だからこそ浪費のリスクも高くなりがち。まずは、どのような支出が「使い果たし」を加速させるのか整理しましょう。

1、高額な趣味・レジャー費用:退職後は自由な時間が増えるため、趣味や旅行に多くお金を使いがちです。特に、豪華な旅行や高価な趣味道具の購入はあっという間に資金を減らします。リタイア後の生活設計で計画的に費用が組まれていない場合、楽しみが負担になることも。

2、 身内への多額の贈与・援助:家族や孫へのプレゼント、非課税特例を活かした結婚・子育て・住宅購入の援助、あるいは借金の肩代わりなど、一見「善意」の支出も積み重なれば大きな出費に。

3、毎月の固定費増加:退職後に自宅をリフォームしたり、最新の電化製品をまとめて揃えたりすると、その分のローンや光熱費、メンテナンス費用が増えます。また、習い事や健康維持のためのジム会費なども意外に負担に。気づいたら生活コストが増加し、老後の備えがなくなってしまいます。

これらの支出は決して悪いわけではありませんが、無計画に支払ってしまうと知らず知らずのうちに退職金が枯渇するリスクも。重要なのはどのようにコントロールするかです。

退職金を使ってしまう心理と、賢い使い方とは?

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

なぜこれらの支出が増えてしまうのでしょうか?退職後のお金の使い方には心理的な背景も大きく関わっています。

退職後はセカンドライフとも言われますが、同時に「人生の新しいステージ」への切り替えを意味します。そこで、長らく我慢してきた「楽しみ」を解放したい、という心理が働きやすくなります。また、これまで仕事中心だった生活から一転し、社会的なつながりや役割が変化。家族や周囲の期待に応えようとする意識から、気づかないうちに出費が膨らむことも。

こうした心理を理解し、まずは「支出の見える化」をすることが大切。家計簿や退職金専用の管理ツールを利用して、自分の本当に必要な支出と“無意識に陥りやすい出費”を区別することから始めましょう。

退職金は「使い果たすもの」ではなく、「長く安心して暮らすための老後資産」と捉えることが重要です。支出のバランスを整えるため、次の3つのポイントを実践すると良いでしょう。

  • 優先順位の設定:生活費や医療費など、必要最低限の支出を確保したうえで趣味や贈与の予算を設定していきましょう。無計画な出費は避けましょう。
  • 分散投資や預貯金の活用:一定額を手元に残し、リスクを分散させて運用すると安心感が得られます。資産運用はファイナンシャルプランナーなどに相談するのがおすすめです。
  • 定期的な見直し:生活環境や健康状態は変わるため、定期的に収支計画を見直し、必要に応じて調整することが大切です。

これらを心がけることで「退職金がいつの間にか消えてしまった」という事態を防ぎ、穏やかなセカンドライフを実現できます。

退職金は大切な老後の蓄えに

人生の期間で唯一失敗できない(挽回が効きにくい)時期が老後だからこそ、退職金は老後の生活を支えるための大事な資産だといえます。無意識のうちに陥りがちな3つの危険な支出に注意しましょう。とはいえ、自分の楽しみや周囲との関係を大切にすることも大事な人生の要素です。ポイントは「バランス」と「見える化」。心理的背景を理解しつつ、賢く使いながら退職金を長く味方にすることが、安心できる豊かな老後へのカギとなります。

ぜひこの記事を参考に、あなたの未来設計に役立ててくださいね。


監修者:有限会社バード商会 代表取締役 鳥谷 威(https://financialplanertk2021.com/

得意分野は、家計管理(とくに光熱費)と資産形成。福岡の大学を卒業後、大手ガス会社にて家庭の光熱費削減や新電力の業務に約4年間従事。クレカ請求業務も経験。
現役世代の人の家計が『今より豊かになるように』という想いのもと、約3年かけてCFP(R)資格を取得。
現在は、各種金融メディアでの執筆・監修・日本FP協会の支部相談員としても活動中。
20・30代の人に、早いうちから家計の見直しや資産形成の大切さを伝えたく日々奮闘中。