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『なぜか落ち込まない人』は無意識に使っている…「気にしない」でも「忘れよう」でもない、“回復ワード”とは?【プロが監修】

  • 2025.7.18
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

誰にでも落ち込む瞬間はありますよね。でも、なぜかすぐに元気を取り戻す人がいるのも事実です。

そんな人たちは、ただ「気にしない」や「忘れよう」と思っているわけではありません。実は、「気にしない」や「忘れる」以上に心を回復させる独特の言葉遣い、いわば“回復ワード”を使っているんです。

この記事では、落ち込みにくい人が無意識に使っているこの言葉の秘密を探ってみましょう。

落ち込みにくい人の共通点は、“ある回復ワード”にあった

落ち込みやすい時に「気にしないでおこう」「忘れよう」と自分に言い聞かせる人も多いでしょう。

しかし、実はこのような言葉は心理的な負担をゼロにするどころか、逆にストレスを感じてしまうこともあるのです。なぜなら、「気にしない」「忘れよう」という言葉には、まだ問題が自分の中にあることを無理に否定しようとするニュアンスが含まれているため、心が完全に受け入れられず引きずってしまう傾向があるからです。

一方で、なぜか落ち込まない人は、「それもそういうことだよね」「なるほど、そういう見方もあるのか」といった、中立的で受容的な言葉を自分に対して用いています。これらは、感情を否定せずに一度認め、ゆるやかに手放すための言葉です。

心理学的に言えば、これは「自己受容の一形態」であり、ストレス対処の重要なスキルとして知られています。

“回復ワード”の具体例と効果的な使い方とは?

たとえば、仕事で失敗した時に「気にしない!」と思うのではなく、「今回はこういう結果だったんだな」とありのままの事実を受け入れる言葉に置き換えてみましょう。この言葉はネガティブな感情を抑え込もうとせず、そのまま受け入れることを促すため、自然と心の重荷が軽くなります。

また、「忘れよう」よりも「今は思い出してもいいけど、明日は新しい視点で見てみよう」と自己対話する方法もあります。

これも「回復ワード」の一つで、感情の波を認めながら、自分のペースで回復を促す優しい言葉かけです。心理学のストレス緩和技術のひとつ「認知的再評価」と呼ばれる方法に基づいており、感情に柔軟性を持たせる役割を持っています。

ただ「気にしない」ではなく、「こういう考え方もできるよね」となるべくポジティブなニュアンスを含んだ“回復ワード”を使うことが心の健康維持に有効なのです。

心を回復させる言葉の力を味方にしよう

今回紹介した“回復ワード”は単なる言葉ではなく、感情と向き合い、自己受容を深めるためのツールです。

落ち込んだ時に自分を責めず、感情を否定せず、ゆるやかに受け入れる言葉を使うことで、心理的な回復スピードが速くなります。これにより、精神的な負担が減り、次の行動へのエネルギーも湧いてくるのです。

普段の自分の言葉遣いや思考パターンに少し意識を向けてみてください。「気にしない」や「忘れる」ではなく、「そういうこともあるよね」「次に活かせるかも」といった回復ワードを意識的に使ってみるだけで、心の切り替えがうんとラクになるはずです。

あなたも今日から、自分らしい回復ワードを見つけて落ち込みに強い心を育ててみませんか?


監修者:川谷潤太(かわたに じゅんた)(株式会社脳レボ 代表)

兵庫県の大手学習塾において、当時最年少で校長に就任後、1教室で1,000名以上の生徒が通う学習塾に発展させ、講師研修や入試特番テレビのコメンテーターなども務める。

その後、岡山県の創志学園高校へ赴任し、学校改革とスポーツメンタル指導を担当。史上最速、創設1年、全員1年生で甲子園に出場した硬式野球部では3季連続甲子園出場を果たし、6名のプロ野球選手が誕生。ソフトボール部では3季連続日本一、柔道部では日本一や世界一の選手も輩出した。

2019年に株式会社 脳レボを創設し、オリンピック選手やプロ野球選手など、アスリートやスポーツチームへのメンタル指導、子ども・保護者・教員向けの教育講演、企業の人材育成マネジメントや研修などを手がけ、講演回数は8年間で1,500回以上、受講者は12万名を突破。脳科学や大脳生理学、バイオフィードバック工学をベースとした、具体的かつ実践的な手法により、多くの方の願望目標達成をサポートしている。