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『なぜか自己肯定感が高い人』は無意識に言っている…「大丈夫」でも「自分らしく」でもない、“心に効く言葉”とは?【プロが監修】

  • 2025.7.16
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「大丈夫」「自分らしく」よく耳にするこの言葉たちは、励ましとしては素敵ですが、時に心に響きにくいこともあります。
では、自己肯定感の高い人たちは、これら以外の“心に効く言葉”を、どのように日常的に使っているのでしょうか。
実は、自己肯定感の高い人が使う言葉には、ただ励ますだけじゃなく、感情や思考の根底にそっと寄り添う独特のニュアンスが隠されています。今回は、その秘密と背景にある心理学的な理由に迫ってみたいと思います。

「大丈夫」「自分らしく」ではない、心を動かす言葉たち

よく使われる「大丈夫」や「自分らしく」というフレーズは、励ましの言葉としては一般的ですが、実は万人に響く万能な言葉ではありません。

心理学では、安心感や自己肯定感を促す言葉の効果は、受け取る側の状況や感情によって大きく変わるとされています。実際、自己肯定感が高い人は「大丈夫」と言われて逆にプレッシャーを感じる場面でも、「できることから始めようね」や「今日はここまででいいよ」など、小さな達成感や自分のペースを尊重する言葉で自分に寄り添っています。

このような言葉は、認知行動療法(CBT)などの心理療法でも大切にされているアプローチで、「否定しない」「肯定的な自己対話」を促すことで内面の安心感を築きやすくなります。

さらに、「自分らしく」が押し付けになりがちな理由は、人には多様な価値観があるため、無理に「らしさ」を強調されると自分の今の状態を否定されているように感じることもあるからです。自己肯定感の高い人が使う言葉は、そんな心理的負荷を減らす工夫が自然に織り込まれています。

使い方次第で生まれる効果の違いと、心に響く“寄り添う言葉”の具体例

具体的にどんな言葉が“心に効く”のでしょうか?

自己肯定感が高い人ほど日常で口にするのは、「今感じていることはそのままでいいよ」「一歩ずつ進めばいいんだよ」「変わっていく自分を楽しみにしてみて」といった言葉です。

これらの言葉は、評価や結果ばかりを重んじるのではなく、プロセスや感情の動きを尊重し、自己受容を促します。

研究でも、承認欲求より自己受容が高まる言葉が心理的なストレスを緩和し、持続的な自己肯定感につながることがわかっています。また、心理カウンセリングの場で使われる「共感的な言葉」が好例で、単に励ますのではなく「つらいね」「それはしんどかったね」と受け止める言葉は、相手の心に安心感を与えます。

言葉が行動を促すだけでなく、「今の自分」をまるごと肯定する感覚を養うことに役立っているのです。

心に効く言葉で築く、しなやかな自己肯定感の未来

自己肯定感が高い人たちが発している言葉の多くは、決して無理に明るく振る舞ったり、根拠のない自信を与えるものではありません。

むしろ、今の自分を認めて受け入れ、「少しずつでいいんだよ」という温かい理解が込められています。そんな寄り添う言葉を自分自身や周囲に意識的に取り入れてみると、気持ちが少し楽になり、自然に自己肯定感を育てられるかもしれません。

心に効く言葉とは、結果やパフォーマンスだけを見ず、「今」の感情や状態に寄り添い、そこから前に進む勇気をそっと後押しする声。あなたも、言葉選びで自分自身を大切にする習慣をつくりませんか?その一歩が未来のあなたをもっとしなやかで力強い存在に変えていくでしょう。


監修者:川谷潤太(かわたに じゅんた)(株式会社脳レボ 代表)

兵庫県の大手学習塾において、当時最年少で校長に就任後、1教室で1,000名以上の生徒が通う学習塾に発展させ、講師研修や入試特番テレビのコメンテーターなども務める。

その後、岡山県の創志学園高校へ赴任し、学校改革とスポーツメンタル指導を担当。史上最速、創設1年、全員1年生で甲子園に出場した硬式野球部では3季連続甲子園出場を果たし、6名のプロ野球選手が誕生。ソフトボール部では3季連続日本一、柔道部では日本一や世界一の選手も輩出した。

2019年に株式会社 脳レボを創設し、オリンピック選手やプロ野球選手など、アスリートやスポーツチームへのメンタル指導、子ども・保護者・教員向けの教育講演、企業の人材育成マネジメントや研修などを手がけ、講演回数は8年間で1,500回以上、受講者は12万名を突破。脳科学や大脳生理学、バイオフィードバック工学をベースとした、具体的かつ実践的な手法により、多くの方の願望目標達成をサポートしている。