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防災を見据えたわんちゃん・ねこちゃんの健康対策

  • 2025.6.18

災害に備えてペットの健康管理を

近年は台風や地震などによる災害が数多く発生しています。それに伴い日常生活に支障をきたすことがあり、その場合、自宅以外への避難を余儀なくされることがあるかもしれません。

現在はペットの同伴避難が原則とされていますが、避難先に多くの動物が集まるため、トラブルとならないために備えておく必要があります。

この記事では、「万が一」の際に備えるために欠かせないペットの防災対策を紹介します。

<こちらの記事もよく読まれています!>→災害からペットを守る、日頃の備えや防災グッズを紹介

予防接種・ワクチンの接種

わんちゃん、ねこちゃんともにワクチンの接種をしておきましょう。混合ワクチンは、犬や猫同士の接触や飛沫によって感染する病気を予防します。

避難時はストレスがかかりやすく、体力に負担がかかりやすくなるため、いつも以上に感染に注意を払いましょう。

また、犬の場合は狂犬病ワクチン接種が義務となっていることから、1年に一度の接種が必要です。

寄生虫の予防・駆除

わんちゃんやねこちゃんの中には、屋外で活動をする子もいると想定されます。散歩中に、ノミやダニに寄生されることがあります。

避難生活では犬や猫同士の距離が近くなることがあるため、ノミやダニの寄生が広がる危険性が生じます。

また、これらの寄生虫は私たち人間の健康を脅かす感染症の原因となる場合があります。避難所全体を衛生的に保つためにも、ペットの寄生虫の予防・駆除は抜かりなく対策しましょう。

不妊・去勢措置の実施

災害が発生した際、はからずも家から脱走してしまうわんちゃんやねこちゃんがいます。特に猫は繁殖力が強いため、望まない繁殖を避けるためにも不妊・去勢手術を済ませておくとよいでしょう。

個体差はありますが、マーキングや攻撃性の軽減により、避難生活でのトラブル減少につながることがあります。

梅雨の時期にかかりやすい病気

梅雨に入ると長雨によって湿度が高くなり、気温も次第に高くなることから細菌やカビが増殖しやすい条件となるため、ペットを取り巻く衣食住について以下の点に注意しておくとよいでしょう。

食中毒

普段から口にしているペットフードも、保管状況によって傷みが進みます。ドライフードは密閉性の高い容器で保管し、ウェットフードで使い切れないものは、冷凍保存しておくといいですね。

フードを食べ終わった後の食器は片づけて、きれいに洗っておきましょう。

皮膚病

高温多湿となる時期は、細菌やカビ、ハウスダストが増殖し、皮膚炎が生じやすくなります。

アレルギー性の皮膚炎をはじめ、皮膚の弱い子のコンディションが悪化する場合があります。からだをしきりに気にしている様子があれば、早めの受診を心がけましょう。

外耳炎

皮膚炎と同じように、外耳炎も高温多湿の状態下では発症しやすくなり、悪化もしやすくなります。外耳道はとりわけ蒸れやすく、通気が悪いことが多いため、外耳炎を起こす病原体が増えやすい点に注意が必要です。

首を振る様子が増えていたり、耳を気にして掻いていたりと、普段と異なる様子を見せている場合は、外耳炎を発症している可能性があります。

梅雨の時期にわんちゃんやねこちゃんとの生活で気をつけるべきポイント

梅雨から夏にかけて、気温・湿度ともに急激に上昇します。体調管理が難しい時期ではありますが、日頃から気にかけておきたいポイントをご紹介します。

ごはんを放置しない

私たちの食事にもいえることですが、この時期は短時間で食べ物が腐ったり細菌が増えたりします。食べ残したものはすぐに片づけるようにして、食器もきれいに洗いましょう。また、飲み水もこまめに交換してください。

生活空間の湿気に注意

生活している場の湿度は皮膚や食事に影響を与え、そこに暑さが加わることで体感温度が上がり、熱中症のリスクを上昇させます。エアコンを上手に使い、除湿するように心がけておきましょう。

気温調節により熱中症を防止

地域によって、6月に入ると気温が30度を超える場合があります。からだが暑さに慣れていないと、猛暑でなくとも熱中症にかかる場合があります。

サーキュレーターを使って空気の流れを作ることで、温度を管理し体感温度を下げるとよいかもしれません。

【わんちゃん】散歩時の対策&散歩後のケア

気温が高くなると、散歩の時間帯に注意が必要です。太陽が出ている時間に散歩をする場合は、なるべく日陰のある所を選び、散歩中や家に戻ったときに水分をしっかり与えてください。

また、肉球のやけどが起こりやすくなるので、散歩コースが安全か確認しておくとよいですね。

【ねこちゃん】換毛期で嘔吐が増える

梅雨の時期に、換毛期を迎えるねこちゃんがいます。このとき、毛づくろいが頻繁となり毛玉を吐くことがあります。

通常、小さな毛玉は吐き戻されるか、糞便に混じって排泄されますが、時折自力で吐き出せなくなることがあります。

その場合は、腸閉塞と呼ばれる深刻な状態となる場合があります。ねこちゃんの様子に異変が見られたら、早めに獣医師の診察を受けましょう。

〈執筆者プロフィル〉
増田国充
ますだ動物クリニック 院長
獣医師・国際中医師・愛玩動物看護士・防災士

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