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【3daysofdesign】2026年注目の展示16選、キュレーション型や没入型が人気

  • 2026.10.30
Maya Matsuura

コペンハーゲンで6月に3日間開催される「3daysofdesign」(略称3days)。12万5000人と昨年の倍以上の来場者を記録した2026年、話題を集めたのがキュレーション型の展示だ。「オブジェクツ オブ デザイア」や「ウクラント」などデザイナーの発想に光を当てるプロジェクトが評判を呼んだ。また歴史的な建築を会場とした「ボマ」や「テクラ」はサイトスペシフィックな見せ方でブランドの文化を表現。デザインフェス「3days」をユニークに彩った16の展示を順に見ていこう。

『エル・デコ』2026年10月号より。

Stefania Zanetti

Objects of Desire(オブジェクツ オブ デザイア)

繊細な美を放つ家具が美術館に集結

デンマークを代表する彫刻家、ペルテル・トーヴァルセンの美術館で開催された展覧会。キュレーターはコペンハーゲンを拠点とし、石こうや樹脂の作品で知られるアーティスト、ビエギッテ・デュー・マッセン。2026年の3daysのテーマ、「Make This Moment Matter」(この瞬間を意味あるものに)に呼応する展示で、時とクラフトマンシップにフォーカス。

Stefania Zanetti

量産の枠組みを超えて制作された繊細な美しさを持つ家具やオブジェなど、20組の作品が選ばれた。急ぎ足で巡りがちなデザインイベントで、作品と荘厳な空間の力により、じっくりと見る大切さにも意識を向けさせた点が斬新だった。

<写真>キュレーションを手掛けたビエギッテ・デュー・マッセン。

Stefania Zanetti

<写真>右はエドアルド・リエッティによるアルミニウムのチェア。左はビエギッテ・デュー・マッセンによるレジンのスツール。

Maya Matsuura

UKURANT(ウクラント)

26組の若手が見せる、「新しいデザイン」の世界

2019年に、カンマ・ローサ・スクット、キャスパー・キュスター、ヨセフィーヌ・クラブ・ムンク、レアケ・リュオムの4人が立ち上げた若手デザイナーのための展示プラットフォーム、ウクラント。芸術的価値と商業的価値が共存する実験的なデザインに焦点を当て、さまざまな国のデザイナー26組の作品を元工場を活用したアート・デザインのワークスペースで披露した。

Maya Matsuura

シリ・ペテルソンが手掛けた両面で異なる柄を見せる織物や、スタジオ・ドゥーズ・ドゥグレの光学レンズでろうそくの炎をアートオブジェのように見せる作品など、独創的な美しさは製作プロセスも含めて新しい視座をもたらす。大きな話題となり、市街から離れた会場に多くの人が訪れた。

<写真>ウクラントを立ち上げた4人。カンマ・ローサ・スクット、キャスパー・キュスター、ヨセフィーヌ・クラブ・ムンク、レアケ・リュオム。

Peter Vinther

VÆRKTØJ(ヴェアクトイ)

「縫う」ことから生まれる可能性

デンマーク語で「道具」を意味する「Værktøj(ヴェアクトイ)」をタイトルに冠した展覧会は、今年で3回目の開催。古代から現代まで、道具を使ってものづくりをするという行為そのものを、現代的な視点で見直す企画だ。今回は、布地を針と糸で縫い合わせ、形をつくる「縫製」がテーマに選ばれ、全14組がプロジェクトを発表。

Peter Vinther

実験的な小規模の企画であるが、エルワン・ブルレック、フォスター&パートナーズ、ルイーズ・キャンベルなど国際的に活躍するクリエイターが参加し、ハイレベルなデザインの共演となった。

<写真>エルワン・ブルレックの作品。

Hearst Owned

Bread and Butter(ブレッドアンドバター)

公共水浴場で見る、「入浴」とデザイン

「ブレッドアンドバター」は、ベルリンを拠点とするデザインチーム、Ae Officeの企画展。日常の行動を、デザインの多角的な視点から読み解く。

「食卓」をテーマにした昨年に続き、2年目を迎えた今年は「入浴」にフォーカス。北欧、韓国、日本を中心に16組が参加し、水と人にまつわる多様な習慣やふるまいの広がりを考察した。

素材の新たな使い方やデザインのアプローチなど、幅広い可能性を紹介。複数ある会場の一つが市内北部の運河にある公共水浴場で、「水着を持参して来てください」と訴えていたのもユニークだった。

Hearst Owned

OBJECTS MAY VARY(オブジェクツ メイ ヴァリー)

若手デザイナーが「コートハンガー」に挑戦

「モノには個体差があります(Objects May Vary)」というプラットフォーム名を掲げ、展覧会を行ったのは、ペルシア・マキニー・ダンカンとアスガー・エミル・デドリクセンの声掛けで集まったコペンハーゲンのデザイナーたち。

デンマークの家具ブランドTAKT(タクト)のショールームを会場に、家具の世界では脇役に追いやられがちな「コートハンガー」に光を当て、形や機能、役割、存在意義について再検証。アートオブジェのようなものから、空間を有効活用する実用的なものまで多彩なコートハンガーが並んだ。

Matteo Bellomo

bomma(ボマ)

劇場を彩るアップサイクルガラスのきらめき

最高品質の手吹きガラスで知られる、チェコの照明ブランド「ボマ」。展示会場は、クリスチャンボー城の一角にある、約5年にわたる修復を終えたばかりの宮廷劇場。この劇場は100年以上の歴史を持つ演劇博物館でもある。

Matteo Bellomo

舞台の主役は、自社で製造時に生ずるガラスの破片をアップサイクルした照明“フラグメンツ”。銀河のように照明がきらめくインスタレーションの中、30分おきにバレエパフォーマンスを上演。上演時間外には来場者が舞台に上がり、宝石のように磨かれた作品を間近で見ることもでき、好評を博した。約250年以上の歴史を持つ劇場建築を見られる貴重な機会でもあった。

Hearst Owned

TEKLA(テクラ)

パッチワークキルトが象徴する家の温もり

デンマークのテキスタイルブランド「テクラ」は「The Heart of Living」と題して、家や家族と縁の深いパッチワークキルトを展示した。会場は昨年と同じ、市内中心にあるシャーロッテンボー宮殿内のスペースだ。

17世紀築のバロック様式の宮殿に、スウェーデンで19世紀まで使われていた古い木製キャビンベッドがいくつも並べられた。展示されたキルトは、20世紀のスウェーデンのキルトを参照し、「テクラ」のアーカイブカラーで製作されたもの。製品の寝具はあえて控えめにディスプレイされ、テキスタイルの存在感を引き立てた。

Federico Cedrone

ALPI(アルピ)

ジョルジョ・デ・キリコの絵の世界が3次元に

イタリアの「アルピ」は、デザイン性の高い内装化粧用突板のリーディングカンパニー。木を用いて工芸品のようにつくられる面材で、世界的なデザイナーとのコレクションも展開する。今年はガムフラテージを起用し、「Piazza Interiore」と題したインスタレーションを発表した。

ジョルジョ・デ・キリコの絵画にインスピレーションを得て、エットレ・ソットサスが手掛けた色鮮やかな突板などを用いて空間全体を演出。見る人の感覚が、2次元と3次元を行き来するような体感を呼び起こす不思議な光景をつくり出し、壁面がインテリアにもたらす効果を印象づけた。

FREDERIK WOLFGANG / Hearst Owned

HOLDER(ホルダー)

南米作家に見る独創的な素材の見立て

南米の現代デザイナーに注目する、ベルリンのギャラリー「ホルダー」。先コロンブス期の古代文明と欧州の先鋭的な感覚が融合する作品から、単一素材にフォーカスしたものをセレクトし紹介。

昨年も衆目を集めた、3daysの中の展示プラットフォーム、「other circle(アザー・サークル)」に参加した。

Brian Buchard

Portrait of Korean Living(ポートレート・オブ・コリアン・リビング)

韓国の3ブランドで見せる、インテリアのムード

日本でもファンの多い照明ブランド「ILKW.」と、スチールのモジュラー家具ブランド「レアロウ」、シンプルな家具を得意とする「フラットポイント」。「Portrait of Korean Living」は、これら3つの韓国ブランドによる合同展だ。

3社の製品で今の韓国の部屋をスタイリングするという点がユニーク。画家イ・ジウの室内の絵も独自のムードを演出した。

KARL TRANBERG KNUDSEN

Galleri Sonja(ギャラリー・ソニア)

工芸と自然の関係に着目した島のギャラリー

デンマークのボーンホルム島にある「ギャラリー・ソニア」は、例年、その視点とセレクトの秀逸さで注目を集めている。今年の特別展では、8名のクラフト作家の作品を通して、工芸が自然と近しい関係を保ち、創作が行われていることを伝えた。

Matteo Bellomo

Royal Danish Academy(デンマーク王立アカデミー)

古代エジプトの椅子から学んだ機能美を発表

デンマーク王立アカデミーの学生とエジプトの家具メーカーがタッグを組んだ、7年のコラボレーションを記念した展示。古代エジプトの椅子を研究して発表された作品は、さまざまな技法が用いられ、シンプルなスツールから折り畳み式、スタッキングなどバリエーションも豊か。多彩な機能美を放っていた。

Matteo Bellomo

The Michelangelo Foundation(ミケランジェロ財団)

匠の技と若手クリエイターの出合い

クラフトを支援し、世界の優れた職人や手仕事の技の継承に向けて活動している非営利団体、ミケランジェロ財団。若いクリエイターと職人がペアで制作を行う、ホモ・ファーベル・フェローシップの成果を発表した。

匠の技に新しい光を当てた22組の作品はいずれも独創的だ。写真のフィドルはノルウェーのテレマルク地方の伝統的なフィドルに着想を得て制作。マザーオブパールやヤギの角などを用いた精緻な装飾が施されている。

KARL TRANBERG K NUDSEN

DYNAUDIO(ディナウディオ)

ディナウディオとカリモク家具、音響と木のコラボ

デンマークの音響ブランド、「ディナウディオ」の旗艦店が3days期間中にお披露目された。空間を設計したのはノーム・アーキテクツ。3つのフロアからなり、エントランスからの天井の高いスペースに始まり、リビングのような空間が複数つくられ、彼らがデザイナーとして参加している「カリモクケース」の家具をスタイリング。

上質な音響環境を空間全体から感じさせ、カリモク家具が音に連動する木製パーツを製作したサウンドシステムも発表した。

Hearst Owned

Oatly(オーツリー)

壁の穴から現れるスペシャルドリンク

スウェーデンのオーツミルク飲料メーカー、「オーツリー」の展示。ボタンを押すと、壁の穴からランダムにドリンクが登場。ゲームのような仕掛けで人々を引き込んだ。

「other circle(アザー・サークル)」でのプレゼンテーションで、多くの展示を見て歩き疲れた人の一休みスポットとしても人気。

Hearst Owned

LOKAL GALLERY(ロカールギャラリー)

フィンランドの自然を感じる多様なクラフト

フィンランドを拠点に活動するアーティストと職人にフォーカスする、ヘルシンキの「ロカールギャラリー」。デンマーク・フィンランド文化協会と共同で展示を開催。フィンランドの豊かな自然を感じる多様なクラフトとアートが並び、人々を惹きつけていた。

Hearst Owned

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