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BTS RMがSFMOMAで初キュレーション。メディアプレビューと展示を現地レポート

  • 2026.10.9
Shengfeng Chien, courtesy SFMOMA, Devlin Shand for Drew Altizer Photography

BTSのRMが、アメリカのサンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)とタッグを組んだ展覧会「RM x SFMOMA: Between You and Me」がついに開幕! RMにとって初のキュレーションとなる本展には、自身が長年集めてきたコレクション142点とSFMOMA所蔵の36点、計178点が集結。開幕に先駆けて行われたメディアプレビューには、RM本人をはじめ、SFMOMA館長や共同キュレーターが登壇。RMが語った言葉とともに、展覧会の様子をレポートする。

RM、初キュレーションを語る

「これは僕にとってキュレーターとしてのデビューです。緊張しています」

壇上でそう切り出したRMは、ユーモアを交えながら約10分にわたるスピーチを始めた。

9月29日(現地時間)、「RM x SFMOMA: Between You and Me」メディアプレビューに登場したRM Shengfeng Chien, courtesy SFMOMA

本格的に美術館へ足を運び、アートを見るようになったのは約8年前。当時は、自身がSFMOMAで展覧会を手がけることになるとは想像もしていなかったという。

2020年、韓国の国立現代美術館(MMCA)果川館を訪問したRM(<a href="https://x.com/BTS_twt/status/1292344098532155392" target="_blank">@BTS_twt</a>) X/@BTS_twt

SFMOMAから正式なオファーを受けたのは約2年前、兵役中のこと。

「いつか自分が夢見る空間をつくる前に、歴史ある美術館と、面白い挑戦ができる貴重な機会だと純粋な気持ちで引き受けました。まさか何百ものキャプションを書いては消し、書き直す羽目になるとは思いませんでした(笑)」

作品の選定から額装、配置に悩み、お蔵入りになったアイデアもたくさんあったと振り返る。そうした試行錯誤の末に、彼にとって初めてのキュレーションは形となった。

SFMOMA館長のクリストファー・ベッドフォード氏と。 Devlin Shand for Drew Altizer Photography

展示は「長い自己紹介のようなもの」

「僕はすごく混乱している人間です」とRM。

「アメリカにいる時も、生まれ育ったソウルにいる時でさえも、常にどこかを漂い、浮遊しているような感覚があります。決して心地よいものではありません」

それは世界的スターゆえの葛藤にも聞こえる。その居心地の悪さのなかで、RMはアートに支えられてきたという。

Shengfeng Chien, courtesy SFMOMA

「だからこそ、そこから逃れるためにアートに大きく寄りかかってきたんだと思います。アートと音楽は、言語や媒体は少し違っても、本質的には同じです。どちらも何かを伝えようとしているからです」

そんなふうに長年アートと向き合い、作品を集めてきたRMは、コレクションにはその人自身が表れると考えるようになったという。

「長い時間をかけ、お金や人生、労力を費やし、自宅の壁まで使って築き上げたコレクションほど、その人自身を正直に表すものはないと思います。そういう意味では、この展覧会は僕のかなり長い“自己紹介”のようなものです」

RMとSFMOMA理事長のアルカ・アグラワル氏、夫のレービン・アグラワル氏 Jessica Monroy for Drew Altizer Photography

展示セクションの一つに「なぜか分からないけれど好きなものたち(I Don't Know Why I Like It)」という本音をそのまま冠したのも、飾らない等身大の自己紹介ゆえだ。

スピーチ後の質疑応答で、「この展覧会を見に来た人たちに何を感じてほしいか」と問われた彼は、こう答えている。

「これは僕の自己紹介のようなものなので、皆さんに僕のことを知ってもらえたら嬉しいです。そして何より、展覧会を見に行くことがどれだけ楽しくて喜びに満ちたことか、それに気づいてもらえたらと願っています」

展示レポート|8つのセクションに別れた展示空間

Shengfeng Chien, courtesy SFMOMA

SFMOMAの7Fに位置する本展示は、RMの個人コレクション142点に、SFMOMAのコレクション36点が加わった計178点が並び、6世紀から現代まで約1500年分の歴史を網羅する。SFMOMAの90年以上の歴史において、韓国美術の展示としては最大級になるという。

展示は、RMの興味や感情に沿って8つのセクションに分けられている。

最初のセクションは「Blue Water」。RMが敬愛する韓国人画家キム・ファンギの《26-I-70 #141》(SFMOMA所蔵)や、ロニ・ホーンによるガラス彫刻(RM所蔵)など、青や水を思わせる作品が集まる。

「Blue Water」のセクション Tomoko Takahashi

「Friendscape」は、“friend”と“landscape”を掛け合わせたRMによる造語。かわいらしい動物モチーフの作品のほか、ユ・ヨングクらの風景画が並ぶ。RMにとっては動物だけでなく、山や海の風景もまた、自分に寄り添ってくれる友達のような存在だという。

「Friendscape」のセクション Tomoko Takahashi

「Home」は、RMが普段どのようにアートと暮らしているのかを感じられる空間。ダイニングテーブルや椅子、棚に並ぶ陶芸などが配され、VLOGなどで公開されてきた彼の自宅をどこか思わせる。

「Home」のセクション Tomoko Takahashi

「I Don't Know But I Like It」は、“理由はうまく説明できないけれど好き”なものを集めた遊び心のあるセクション。RMと親交があることで知られる奈良美智の作品や、『ドラえもん』やポケモンのセル画、スーパーマリオのピクセルアートなど、日本人になじみ深い作品が顔を覗かせるのも楽しい。

「I Don Tomoko Takahashi

展示の最後を飾る「Umber」は、ソロアルバム『Indigo』でもオマージュを捧げた韓国人画家ユン・ヒョングンを中心とした静かな空間。韓国近代史の重みを湛えた暗褐色は、親しみやすい前半の展示から一転、観る者に深い余韻を残して幕を閉じる。

「Umber」のセクション Tomoko Takahashi

ミュージアムショップには、展覧会限定の「RM x SFMOMA」グッズも登場。「I Don't Know But I Like It」のフレーズの刺しゅうを施したキャップ(45ドル)や、「Home」をモチーフにしたマグ(35ドル)、アパレルなどがそろう。

Tomoko Takahashi

“SFMOMAでの大型展示”と聞くと、身構えてしまうかもしれない。けれどそこには、アートの専門知識がなくても直感的に楽しめる、親しみやすい空間が広がっていた。VLOGやSNSで見覚えのある作品との再会や、RMの思考との出合い。純粋に見ていて楽しい展示なのだ。

その等身大の親しみやすさは、どこかBTSの楽曲やRM自身の作詞スタイルにも通じている。彼ならではの視点で紡がれた唯一無二の体験は、わざわざ日本から足を運ぶ価値が十二分にあると感じさせる展示だった。

SFMOMA周辺のストリートに掲げられた展覧会のフラッグ。 Tomoko Takahashi
Hearst Owned

RM x SFMOMA: Between You and Me

会期:2026年10月3日(土)〜2027年2月7日(日)
会場:SFMOMAの7階
住所:151 3rd St, San Francisco, CA 94103

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