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「携帯で払えないとか、いつの時代だよ」現金のみのうどん店で会計せず立ち去った男性。数分後、慌てて戻ってきた理由

  • 2026.10.29

入口の看板に書いてあった「現金のみ」

以前、うどん店でアルバイトをしていたころの話です。

その店では支払いは現金のみ。

入口の外にも、そのことを知らせる看板が出ていました。

ある日の昼どき、私はレジに立っていました。

食事を終えた男性客が伝票を置き、携帯電話の画面を見せてきました。

「これで」

「申し訳ありません。当店は現金のみなんです。必要でしたらお隣のコンビニでお金をおろしていただけますか」

そう伝えると、男性は眉をひそめました。携帯電話をレジ台に置き、財布を開いて中を確かめると、すぐに閉じてしまいました。

「え、現金しか使えないの?」

「はい。申し訳ございません」

私が頭を下げると、男性は大きく舌打ちをしました。

「携帯で払えないとか、いつの時代だよ」

その声に、テーブル席のお客さんたちも思わずこちらを見ました。

私はもう一度、隣のコンビニを案内しようとしましたが、男性は言葉を遮ります。

「いいよ、もう」

そう言って財布をポケットにしまい、なんと、会計をしないまま店を出ていったのです。

現金しか使えないことに不満があるのは分かります。

けれど、食事代を払わずに帰ってしまうとは思わず、私はあっけにとられてしまいました。

レジ台に残っていたもの

次のお客さんの会計を終えたとき、レジ台の端に携帯電話が残っているのに気づきました。

あの男性が財布を開いたときに置いたものです。

私が手に取ったところで、入口の扉が勢いよく開きました。出ていってから数分後、先ほどの男性が息を切らして戻ってきたのです。

男性はレジ台を見回し、私の手元に視線を止めました。

「あの、ここに携帯…」

「こちらですね」

私は携帯電話を持ったまま、先ほどの会計についても伝えました。

「それと、お会計がまだ済んでいないのですが…」

男性は一瞬、言葉を失ったようでした。

先ほどのやり取りを聞いていたテーブル席のお客さんたちも、そっとこちらを見ています。男性は目を伏せ、小さな声で言いました。

「……ちょっと待ってて」

男性は再び外へ出ていきました。窓の向こうには、隣のコンビニへ入っていく姿が見えました。

しばらくして戻ると、男性は財布から500円を出し、黙ってレジ台に置きました。

最初の勢いはなく、私と目を合わせようともしません。

「ありがとうございました」

私はお金を受け取り、携帯電話を差し出しました。男性はそれを受け取ると、何も言わずに店を出ていきました。

扉が閉まってから、私は入口の外にある看板に目を向けました。

支払い方法への不満をあれほど大きな声で言っていた人が、結局、その支払いのために戻ってきたのだと思うと、つい小さく笑ってしまいました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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