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有村智恵が語る、2026年女子ツアーの現在地

  • 2026.10.20

前半戦から新たなヒロインが次々と台頭し、ますます混戦模様を呈する2026年の女子ツアー。海外挑戦を続ける選手たちの成長も目立つなか、後半戦のキーマンは誰なのか。有村智恵プロに、前半戦の戦いを振り返りながら、その行方を占ってもらった。

混戦の女子ツアー、勢力図に変化あり

――まず、ここまでの女子ツアー前半戦を見ていて、どんな印象を持っていますか?

開幕当初は、佐久間朱莉選手、桑木志帆選手、神谷そら選手あたりが、このままツアーを独占していくのかなという滑り出しでした。

ただ、以前と大きく違うのは、上位の選手たちが海外の試合にも積極的に出場するスケジュールを組んでいること。そうしたなかで、徐々にリズムが崩れたり、身体に疲労が出てきたりしていることが、今のツアーにも影響しているように感じます。

その一方で、新しい顔がどんどん出てきている。そこが、今のツアーの面白いところですね。

――若手の台頭が目立つ一方で、ベテラン選手の活躍もありましたよね。

そうですね。早い段階で笠りつ子選手や永峰咲希選手が優勝し、30代の選手たちも活躍しています。そこは昨年同様、すごく楽しめる部分ですね。今の女子ツアーは、本当に誰が勝つかわからない混戦模様だと思います。

――そんな中で、若手でとくに気になった選手はいますか?

やっぱり吉田鈴選手ですね。シーズンがはじまると徐々に調子を上げていって、5月頃からは定期的に上位に顔を出すようになりました。その後のヨネックスレディースでの活躍も含めて、本人もかなり手応えを感じたんじゃないかなと思います。

私も4月のバンテリンレディスで一緒に回ったのですが、以前から見ていた私からすると、今年の吉田選手は「勝てる選手になって仕上げてきた」という印象が本当に強かったです。スイングのパワーもそうですし、技術的な部分、身体的な部分も含めて、かなり高いところを目指して、すごくストイックに取り組んできたんだろうなと感じました。それが結果として現れたことが、すごく嬉しかったですね。努力が実を結んだんだなと思いました。

――その吉田選手ですが、優勝後の変化は感じますか?

私はまだしっかり見られていないので何ともいえないんですが、少なくとも「優勝できて良かった」という感じでは全然ないと思います。むしろ、ようやくそのポジションに立てた、ようやくスタートラインに立てた、というくらいの気持ちでいるんじゃないかなと感じています。本当に上を目指しているんだなということを感じさせてもらっていますし、これからもっともっと活躍してくれるんじゃないかと、すごく期待しています。

――初優勝した選手が、翌週は少し調子を落とすように見えることがあります。実際、優勝の翌週には難しさがあるのでしょうか?

まず、日曜日がとにかく帰るのが遅くなるんです。優勝していない選手なら、夕方くらいまでには家や次の宿に着いて、ゆっくりできることが多いですよね。でも優勝すると、夕方くらいまで優勝セレモニーやパーティーなどがあります。そのため、日曜日、月曜日は疲労を回復するだけでもかなり大変だと思います。

しかも次の週がすぐ4日間の試合だった場合、月曜日、火曜日には取材が入ったり、スポンサー対応があったりと、急にいろいろなことが増えます。初優勝の選手にとっては、それもすべて初めての経験ですから、うまくこなせない部分もあると思います。結果的に、どうしても疲れが抜けきらないということはあるんじゃないでしょうか。

――そもそも「優勝できる選手」と「勝ち切れない選手」の差は、どこにあると思いますか?

やっぱり、自分に課せられていることを淡々とできる選手は強いなと思います。少しでも隙ができてしまうと、難しくなる。

例えば永井選手が優勝した試合でも、正規の最終ホールに行く前の18番では、ティーショット、セカンドショット、サードショットと、彼女の中では感触のいいショットではないものが続いていたように見えました。優勝を争っている選手にとって、そういう流れはかなり厳しいと思います。だからこそ、プレッシャーがかかったなかでも、いつもどおりにプレーすることがどれだけ難しいか。それを乗り越えたからこそ、勝ち切れたんだろうなと思います。

――その永井選手は、以前から評価の高い選手だったのでしょうか?

もともと、すごくいい選手だと思っていました。だから、シードを落としたときは「何が起きたんだろう」と、逆にびっくりしたくらいです。ここまでの成績を残していても、全然違和感のない選手でした。

ただ、今年の彼女を見ていると、圧倒的に身体が強くなったと感じます。彼女のスイングは捻転差を大きく使った、身体的にかなり負荷のかかる振り方なので、振り切ったときにバランスを崩すことが多いように思うことがありました。結果的に、思い切って振り切れない、ヘッドスピードも上げていけないという部分があったのかなと思います。それが今は、スピードを上げても身体がついてきている。かなりトレーニングを積んできたんだなというのを感じます。

後半へつづく

有村智恵
●ありむら・ちえ/1987年生まれ、熊本県出身。159cm。通算14勝(メジャー1勝)4月に双子の男の子を出産。

構成=岡田 豪太

写真=相田 克己

協力=セブンハンドレットクラブ

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