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日本人トップモデル、美佳の現在地ーー濃密なキャリアの軌跡と、新たな挑戦

  • 2026.9.30
Mitsuo Okamoto

かわいらしいのにアンニュイでクール……。日本とフランス、二つのルーツの魅力をいいとこ取りしたようなトップモデル、美佳。けれど今回インタビューで出会ったのは、よく笑い、よく喜び、よく働く等身大の彼女の素顔だった。2019年の鮮烈なデビュー以来、約6年にわたって濃密なキャリアを積んできた彼女。その躍進の秘密と、これからをフィーチャー。

Hearst Owned

――変化の激しいモデル業界においても、美佳さんは18歳でランウェイデビューを果たした2019年から、常に地に足がついている印象があります。自身の性格をどのように分析しますか?

いろんな国で生活したことで、オープンマインドになったのかなと自分では思っています。性格はずっとシャイで、あまり目立ちたくないタイプでしたね。モデルになるなんて昔は全然想像できなかったです。仕事を始めてから「頑張って表に出て!」と言われるようになり、堂々とふるまう努力をしました。

「すごく小さい頃は、もう少し表に出たいタイプだった気もする」と、幼少期を振り返る。 Hearst Owned

実は子どもの頃、背が高いことで少しいじめられたこともあったんです。モデルの冨永愛さんやリウ・ウェンさんに憧れて、「私も背が高いから、同じに見えるかな」って期待したことも(笑)。モデルになってからは背の高さをポテンシャルとして見てもらえました。学校にいた頃とは真逆になったんです。すごく面白いですよね。

「ディオール」2024年春夏コレクション Victor Boyko / Getty Images

子どもの頃、背が高いことでいじめられたことも。モデルになってからは真逆

Claudio Lavenia / Getty Images

――トップモデルとして世界を飛び回る多忙な日々のなかで、心身のコンディションを整えるのは簡単ではないはず。日々のルーティンや、普段から心がけていることはありますか?

大切にしているのは、家族とワンちゃん。日々心がけているのは、リセットとリチャージをすること。睡眠不足になると肌にも影響が出るし、体調も崩れてしまうので、特に睡眠は本当に大切にしています。また、1日の疲れを全部洗い流すように、シャワーを浴びてリセット。メディテーションに近いのかも。それでも何か心に残っていたら、日記に書いて吐き出すこともありますね。その日のことはその日に置いていって、「じゃあ、また1日ずつやっていこうか」って朝を迎えるようにしてます。

――デビューから約6年を経てもなお、フレッシュな印象のある美佳さん。長く活躍するために大切にしてきたことや、意識していることはありますか? また、デビュー当時と今とで、仕事への向き合い方に変化はありましたか?

“プロフェッショナルな宿題”はずっと続けていますね。例えば、前もって一緒に撮影するスタッフさんのことを調べたり、「また仕事したいな」と思った人のことを書いて覚えたり。撮影が終わったあとも、映像と写真では「どっちがやりやすかったかな」とか、「自分の弱点は何だろう」と考えたりします。外での撮影はどうだったか、ポートレートはどうか、ポージングをもう少し勉強しよう……など、そういう振り返りはしています。真面目に見られるかもしれませんが、自分では当たり前の習慣です。

仕事を始めて間もないころは、毎日がサバイバルのようでした。18歳でこの仕事を始めて一気に忙しくなって、その生活に慣れるまでに時間がかかったので。でも今になってやっと少し余裕を持てるようになった。モデルの仕事を5、6年してきた今、よく考えるのは「どうしたら、より長く働けるか」。自分のどこを磨いたら、自分が納得できる仕事ができるかな。どうしたらもっと自分のことを知れるかな――そんなことを考えています。

人への接し方も大切にしていて、モデルとして撮影されている瞬間以外は、「自分が一番」とは絶対に思わないようにしています。自分の周りにいる人って、自分と向き合う鏡のような存在。もし私が間違ったことをしたら、友だちやパートナーがすぐ注意してくれると思います。私のことを、すごくわかってくれている人たちだから。

「どうしたら、より長く働けるか」“プロフェッショナルな宿題”はずっと続けています

日本人として初めて“ヴィクシー”のショーに出演した美佳さんのウォーキングに、「(表情が)不機嫌そう」などと中傷めいたコメントが寄せられた。それに対して美佳さんは、「IDGAF(全然気にしない)」と書かれたタンクトップを着た動画を投稿して応戦! Taylor Hill

――2024年、「ヴィクトリアズ・シークレット」のショーでの美佳さんのウォーキングが話題となりましたね。表情がクールすぎるとの声もあったなか、自らウォーキングを再現したユーモアたっぷりの動画をアップしたのが印象に残っています。あのとき、SNSの裏側では何が起こっていたんですか?

あのショーについて初めて話すのですが、ウォーキングする時、ちょっとパニックになっていました。いつもと違う服とコンサートのようなパフォーマンスに少し緊張しちゃったのかも。憧れのショーを歩けることが本当にうれしくて、キャンディス・スワンポールさんや、サンヌ・ヴロートさんなどのモデルも大好きだったので、わくわくしていたんです。しかも、パフォーマーにはずっと大好きだったタイラ・バンクスさんが。うれしい気持ちを隠そうと慌てちゃって、それが歩き方に表れたのかもしれません。その様子がSNSで取り上げられて、翌朝すごいことになったんです(笑)。なので、“このままでいられないからTikTok作ろう”と、そのエネルギーをプラスにして使ったら、さらに反響が。

思えばデビューのショーも緊張していて、記憶がありません(笑)。モデルのみんながよく経験してることです。今、ショーで心がけているのは、呼吸を落ち着かせて、一歩一歩確実に歩くこと。「よし、行こう、私は大丈夫」と言い聞かせて、歩き出します。

「家族のいる日本に、これから帰ってくる機会も増えるはず」と語る美佳さん。これからの活躍からも、ますます目が離せない! ベスト¥381,700 ニット¥165,000 シャツ¥167,200 ブルマ¥127,600/以上マルニ(<a href="https://www.marni.com/ja-jp/" target="_blank" rel="nofollow">マルニ ジャパン クライアントサービス</a>) Mitsuo Okamoto

目標は”何にでも変身できる俳優”。意外な役柄にも挑戦できたら面白い

――2025年には短編映画にも出演されました。今年で25歳になった美佳さんは、これから演技という表現にどのように向き合っていきたいですか?

映画のキャスティングのために、演技のテープを送ってほしいという依頼が急に増えてきて、演技の基礎を学びたくてレッスンを受けています。心がけているのは、映画をたくさん観ること。それも誰かと演技について意見交換するうえでリファレンスになるような、みんなが知っている映画を意識的に観るようになりました。

目標を挙げるなら、何にでも変身できる俳優。モデル出身なので、目立つ役やモデル役のオファーが最初にくると思うんです。でも、「あれ、この人こんなこともやってるんだ」って思われるような、ちょっと意外な役柄にも挑戦できたら面白いんじゃないかな。

PROFILE

美佳/Mika Schneider フランス人の父と日本人の母を持つ、パリ生まれのモデル。2019年の「プラダ」2020年春夏コレクションでデビュー後、「シャネル」、「ディオール」、「ルイ・ヴィトン」などトップメゾンのショーやキャンペーンで活躍。2024年には「ヴィクトリアズ・シークレット」のショーに出演。近年は俳優としても活動の幅を広げている。

video:YU NAKAJIMA video editor:NURAN DEMIR video producer:NAOHIRO SUGANUMA photo:MITSUO OKAMOTO styling:TAMAO IIDA hair:YUSUKE MORIOKA makeup:ASAMI TAGUCHI/home agency interview&text:MAKIKO OJI

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