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有村智恵が語る、2026年女子ツアーの現在地(後半)

  • 2026.10.20

海外メジャーでの日本勢の活躍、次々と現れる新星、そして激しさを増すメルセデスランキング争い――。2026年の女子ツアーは後半戦に入り、ますます目が離せない。有村智恵プロに、海外で戦う選手たちの今と、後半戦で注目したい選手、そして女子ツアーの楽しみ方を語ってもらった。

海外で磨かれた実力が、国内ツアーをさらに熱くする

――今季は海外に挑戦する選手も増えました。以前の女子ツアーと比べて、変化を感じますか?

圧倒的に、みんなの海外志向が強くなったと感じます。例えば桑木志帆選手はエビアンや全米女子オープンにも出られたので、日本のツアーをほとんど出ないようなスケジュールを組んでいました。そういう思い切りの良さは、すごく感じます。みんな「海外のツアーでどうやったら成績を残せるか」ということを考えて、スケジュールを組むようになってきている。その中で、佐久間朱莉選手は日本ツアーもアメリカも両方やりたいという、かなりタフなスケジュールを組んでいます。そこは少し疲労が心配なところですね。

――海外で戦う日本人選手たちの活躍は、どのように見ていますか?

すごくいい戦いをしていると思います。

日本のツアーで勝つのももちろん大変ですが、海外のツアーで勝つというのは、それとはまた違う、本当にすごいことなんですよね。昨年はみんなが次々と優勝しましたが、あれが当たり前だと思ってはいけないと思います。予選落ちをほとんどせずに通過するだけでも、ものすごく高いレベルにいるということです。

自分も海外で戦ってきたからこそ、そう感じます。「このコース、このスコアで、この選手たちの中でよくこんなに頑張っているな」と思わされることが本当に多かったです。いろいろな経験を積んだことで、また一段成長した部分もあると思いますし、そこからさらに乗り越えて、もう一度優勝をつかむというのは、本当に難しいことなんだろうなと感じています。

――桑木選手は全英オープンで優勝しました。試合を見ていて、どんな印象を持ちましたか?

私の桑木選手に対する以前の印象は、どちらかというと感情豊かな選手なのかな、というものでした。でも、全然逆でした。本当に自分をしっかりコントロールしていて、どんな状況でもずっと同じような雰囲気でプレーしていたのが印象的でした。

いろいろなことを感じながら、彼女なりに取り組んできた結果が、今のゴルフにつながっているんだろうなと思いました。それが結果として、彼女にとってすごくいいご褒美になったことが、私も嬉しかったです。

――海外選手に比べてパワーが劣る日本の選手は、海外のコースで不利ですか?

もちろんアメリカには、パワーが重要なコースもたくさんありますが、それ以上にコントロール性が重視されるコースも多いので、十分に戦える部分があると思っています。

とくに、全英オープンのようなリンクスコースは硬い地面でボールが転がってくれるので、飛距離もある程度出ますし、必ずしも飛ばし屋が有利とは限りません。例えばティーショットを230ヤードまでに抑えなければいけない、そこからランを計算する、といったように、ショットの縦と横、両方を合わせる力が求められます。

そういう部分は、日本の選手がすごく長けているところです。だから海外でも十分に戦えるんだろうなという印象があります。

――では、後半戦で注目している選手を挙げるとしたら?

まずは荒木優奈選手ですね。爆発力がすごくある選手なので、最終日に一気に上位に食い込んでくることも多いのが魅力です。

先日の海外メジャーでは、ショットの安定性という部分で、他の選手に比べて少し足りないところがあったと思います。ただ、そこで得た経験と、予選を通過した自信が、これからのプレーにつながってくるんじゃないかなと思っています。爆発力に安定性が加わった荒木選手は、すごくいい選手になるんじゃないかと期待しています。

――ルーキーではどうでしょう?

今年のルーキーで注目しているのが、藤本愛菜選手です。

私も一緒に回ったことがありますが、本当に一つも穴がないというか、何をやっても全部うまい。飛距離も出るし、ショットもうまい、ショートゲームもうまい。「これは確実に来るんじゃないかな」という印象がありました。

あとは個人的には、小林光希選手もずっと上位争いをしています。吉田鈴選手のように、ずっと上位争いをしてきた選手が優勝する瞬間も、ぜひ見たいですね。

――上位争いでは、誰に注目していますか?

桑木選手がメルセデスランキングでかなりリードしているので、佐久間選手、菅楓華選手や永井花奈選手がどこまで追いついていけるのかが楽しみですね。

あとは、ずっと勝ちそうな位置にいながら、なかなか勝ち星につながっていない鈴木愛選手や申ジエ選手も個人的に気になっています。ずっといい位置にはいるんですが、そこから何が起きているのかというのは、ちょっと気になるところです。

今年はソルハイムカップの影響で、9月にアメリカから選手が帰ってくることも多いと聞いています。そういった選手たちが国内でどんな活躍をするのかも楽しみです。

――最後に、これから女子ツアーを見始める人には、どんなところに注目してほしいですか?

私は自分自身がゴルファーなので「この選手、こんなところからこんなボールを打てるんだ」という技術的なところに魅力を感じます。

でも、女子ツアーには、見た目とのギャップがある選手が多いんですよ。例えば、先日優勝争いをした金田久美子選手も、華やかな見た目が注目されがちですが、めちゃくちゃゴルフが大好きで、ものすごくストイックな選手です。吉田鈴選手も、可愛いルックスからは想像できないくらい、「練習命」という生活をしています。そういう、見た目では分からない裏側の努力にも注目してもらえたらいいですね。

選手たちは、自分たちを見てくれているファンの方々に女子ゴルフを応援してもらいたいという気持ちを持っています。「見せる」ということもプロゴルファーの使命の一つだと考えて、取り組んでいる選手が今は本当に多いです。

だから、プレーそのものだけではなく、その選手がどんな思いでゴルフに取り組んでいるのか、どれだけ努力しているのか。そういうところも含めて見てもらえると、女子ゴルフをもっと楽しめるんじゃないかなと思います。

有村智恵
●ありむら・ちえ/1987年生まれ、熊本県出身。159cm。通算14勝(メジャー1勝)4月に双子の男の子を出産。

構成=岡田 豪太

写真=相田 克己

協力=セブンハンドレットクラブ

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