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「まだ?急いでるんだけど」前の客を何度も急かした男性客。だが、自分の財布が見つからなくなった結果

  • 2026.10.19

夕方のレジで繰り返された催促

夕方のスーパーは仕事帰りの人で混み合い、どのレジにも列ができていました。

私も買い物かごを持って並んでいましたが、すぐ前には男性客が立っていました。

レジの先頭では、女性客が小銭入れから硬貨を取り出し、一枚ずつ数えながら支払いをしていました。

少し時間がかかっていたのは確かです。

すると、前の男性客が何度も腕時計を確認し始めました。

腕を組み直したかと思うと、今度は大きく舌打ちをしたのです。

そして、レジの店員さんに向かって声を上げました。

「まだ?急いでるんだけど」

「申し訳ありません。もう少々お待ちください」

店員さんは頭を下げ、女性客の会計を進めていました。

ところが男性客は納得できない様子で、さらに声を荒らげます。

「え、まだかかるの?こっちは急いでるんだよ」

「すみません。もう少しですので…」

男性客は今度は女性客のほうを向きました。

「だったら最初から用意しといてよ」

女性客は申し訳なさそうに肩をすぼめ、小銭を数える手を動かしていました。

私の後ろに並んでいる人たちも、気まずそうに視線をそらしています。

急いでいるのは分かります。でも、あんな言い方をしなくてもいいのに。

そう思いながらも、私は何も言えず、会計が終わるのを待っていました。

自分の番になった途端、財布が見つからない

ようやく女性客の会計が終わり、女性は小さく頭を下げて袋詰めの台へ移動しました。

男性客はすぐに自分の商品をレジに出します。

店員さんが缶コーヒーとお弁当を通し、合計金額を伝えた、そのときでした。

男性客が上着のポケットに手を入れたまま、ぴたりと動きを止めたのです。

反対側のポケットを探り、今度はズボンの後ろポケットを確認します。

それでも見つからないのか、かばんを開いて中を探し始めました。

どうやら財布が見当たらないようです。

男性客は何度もポケットとかばんを確認していました。

さっきまであれほど人を急かしていた男性客が、今度は自分の会計で列を止めています。

私も後ろの人たちも、何も言わずに待っていました。

男性客は額に汗をにじませながら、まだ財布を探しています。

すると店員さんが、穏やかな声で言いました。

「大丈夫ですよ。お待ちしますので」

「いや、その……すみません」

男性客は小さな声でそう答え、うつむきました。耳から首筋にかけて赤くなっています。

袋詰めの台にいた先ほどの女性客も、手を止めてこちらを振り返っていました。

しばらくして、男性客は上着の内ポケットの奥から財布を取り出しました。

「あ、あった…」

店員さんは男性客を急かすことなく、そのまま会計を済ませました。

男性客はうつむいたまま支払いを終えると、誰とも目を合わせずに店を出ていきました。

続いて私の番になり、店員さんは変わらない笑顔で声をかけてくれました。

「お待たせいたしました」

後ろの列からも、ほっとしたようなため息が聞こえました。

あれほど周囲を急かしていた男性客を、最後まで誰も急かしませんでした。

何より印象に残ったのは、男性客が財布を探し始めても、態度を変えずに対応していた店員さんの姿でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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